ウクライナのドローン操縦者は、ますます危険にさらされている。Dmytro Smolienko/Ukrinform/Sipa USA via Reuters Connectウクライナのドローン操縦者はロシアにとって最優先の標的となっており、その攻撃はますます激化している。ウクライナの兵士やドローン操縦者によると、その理由はドローンの操縦者が戦闘で重要な役割を果たしているからだという。こうした動きは、ドローンが戦場での作戦や攻撃の判断に大きな影響を及ぼしていることを示している。
ロシアはウクライナのドローン(無人機)の操縦者を最重要の脅威、高価値の標的と位置づけており、集中的に攻撃している。
複数のウクライナ兵士やドローン操縦者がBusiness Insiderに語ったところによると、ロシアはドローンの操縦者を探し出し、ミサイルや爆弾などの兵器を使って、操縦者がいると疑われる拠点への攻撃を強化しているという。ある操縦者は「我々は敵の作戦を止める力を持っているため、最優先で狙われる存在になっている」と話している。

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ドローン操縦者を排除しようとする動きが強まっているのは、彼らが一度の展開で数えきれないほどのドローン攻撃を行えるためだ。ドローンは戦場で重要な情報を集めたり、他の兵器よりずっと少ないコストで正確な攻撃を行うなど幅広く活躍している。
身の安全のため下の名前だけの公表を希望しているウクライナ陸軍第3軍団に所属する兵士、アルテム(Artem)によると、ここ数年でドローン操縦者の死者数が急増しているという。
この戦争の初期には、ドローン操縦者が狙われて殺害されることはまれだったが、現在でははるかに一般的な事態になりつつあると、過去にウクライナの精鋭部隊である陸軍第3突撃旅団の副大隊長だったアルテムは語った。
特に小型の爆発物を搭載したドローンが、ウクライナ戦線における主な戦闘兵器となっている。最近の分析によると、両陣営の戦死者の約7割はドローンによるものだという。
爆発物を搭載したドローンは壊滅的な被害をもたらしている。数百ドル(数万円)程度で購入できる安価なクアッドコプター型ドローンが、数百万ドル(数千万円)規模の戦車を撃破しているのだ。ウクライナ戦争では、数千両の戦車や装甲車の多くがドローンによって破壊されている。
しかし、ドローンは戦場での攻撃手段として使われているだけではない。上空から行う偵察活動や目標指示のためにも使用されており、戦闘ではドローンが敵の位置を確認して砲撃などを正確に当てるのを助けている。
ロシアがウクライナのドローン操縦者をますます標的にしているのは、彼らが重大な脅威と見なされているためだ。現在はウクライナとアメリカの防衛協力関係を強化するために設立された独立系のウクライナの組織、ズミイヌイ(スネーク)島研究所(Snake Island Institute)で軍事パートナーシップ担当責任者を務めているアルテムは、「操縦者の技量が上がり、ドローンが戦闘でより効果的に使われるほど、ロシアは操縦者を戦闘から排除することを最優先課題としている」と語った。
イギリスのシンクタンクであるロイヤル・ユナイテッド・サービス・インスティチュート(Royal United Services Institute)で航空戦力・技術担当の上級研究員を務めるジャスティン・ブロンク(Justin Bronk)は、2025年8月の報告書の中で、ウクライナのドローン操縦者の死傷者数が、2025年の春から夏にかけて「急速なペースで増加している」と記している。
ロシア軍は操縦者を特定して攻撃することに力を注いでいるとブロンクは言う。
匿名を条件にBusiness Insiderに取材に応じてくれたあるウクライナのドローン操縦者は、「敵が操縦者の居場所を突き止めると、あらゆる手段、あらゆる種類の兵器を使って排除しようとする」と語っている。
ウクライナのドローン操縦者は、地下深くに移動するなどの防護策を講じている。AP Photo/Efrem Lukatsky
たとえその地域にドローン操縦者が1、2人しかいない場合でも、ロシアは高価な爆弾やミサイルを使って広範囲を攻撃することがあるとアルテムは言う。疑わしいと思うような操縦者の拠点を徹底的に破壊しようとする過剰な攻撃は、ロシアが敵のドローン操縦者をどのように見ているかを物語っている。
