日本でも政策アジェンダに入り、企業による実践が広がるサーキュラーエコノミー。その波はアジア太平洋全体にも届いている。

2025年10月20日〜23日、台湾・台北市内において、アジア太平洋地域におけるサーキュラーエコノミー(循環経済)への移行を加速させる国際カンファレンス「Asia Pacific Circular Economy Roundtable & Hotspot 2025」が開催されるのだ。

本イベントは、アジア太平洋地域のサーキュラーエコノミーに関する対話のプラットフォームである「Asia Pacific Circular Economy Roundtable(APCER)」と、2016年にオランダで始まり世界中の都市を巡回してきた「Circular Economy Hotspot」が共同で開催するもの。アジア太平洋地域でCircular Economy Hotspotイベントが開催されるのは、今回が初めてとなる。

メインテーマに「Leading Circular Collaboration(循環型コラボレーションの主導)」を掲げ、企業、政府、市民社会でのより良いガバナンスを通じて、サーキュラーエコノミーに関する先進事例をどのように持続的なビジネスへと昇華させることができるのかを探求していく。

アジア太平洋地域は、世界の中でも製造業が盛んであり、そのサプライチェーンは広範囲にわたる。一方で、従来のリニア経済モデルが環境に大きな負荷をかけているという課題も抱えている側面もある。サーキュラーエコノミーは、そんな複雑な産業や社会の全体像を捉え、資源を再生・回復させるためのヒントを与えてくれるだろう。

中でも台湾は、半導体からICT、繊維、製造業に至るまで、その産業が実践的な循環型ソリューションに深く関わっており、高いリサイクル率を誇るなど、世界的にもサーキュラーエコノミーを牽引する存在である。今回のプログラムではそんな躍進の裏にある、循環経済政策やイノベーション、そして産業変革の現在地が紹介される予定だ。

イベント内では、各地でサーキュラーエコノミーを牽引する官民のリーダーによる基調講演やパネルディスカッション、循環の現場に赴いての視察、ネットワーキングなどが予定されている。台湾や日本、アジア太平洋地域に根付いた循環の文化と、先進的なビジネスとしての循環の実践は、どのように融合し、これからの経済を形作っていく可能性を持っているか。そんなアジア太平洋におけるサーキュラーエコノミーの一歩、二歩先の未来を共に描き出す出発点となるだろう。

プログラムの概要

日時
2025年10月20日(月)〜10月23日(木)

場所
台湾・台北市内の3会場に分かれて開催
※ 一部セッションでオンライン配信予定あり

コンテンツ概要

20日 18:00-20:30:オープニングレセプション
21日 9:00-18:00:サイトビジット(チームに分かれて視察)
22日 9:00-18:00:全体セッション・ビジネスマッチメイキング
23日 9:00-20:30:テーマ別セッション・フェアウェルパーティー

※ 詳細はこちらのページ上部の「Program」より日付を選択ください

参加費
組織およびプランによって変動あり(1,500〜7,000台湾ドル)
※ こちらのページより詳細をご確認ください

締切
対面:10月9日(木)
オンライン:登録不要

詳細・公式サイト
https://www.apcer.asia/apcer-hotspot-2025

オンライン配信セッション

▼10月22日(水)9:30-10:40(日本時間10:30-11:40)|廃棄物からシステム変革へ:アジアの視点から見た循環型経済ロードマップ

気候危機と資源問題に直面する中、循環型経済は各国の政策立案における中核戦略となりつつある。本セッションでは、特にアジア太平洋地域に焦点を当て、各国における「循環型経済ロードマップ」策定の経験について議論する。各国が廃棄物管理とリサイクル重視の考え方から脱却し、設計、製造、消費、再利用を含むシステム変革へとどのように移行していくか、そして多様な産業や文化的背景に合わせて地域に適応できる循環型戦略をどのように策定していくかを探る。本セッションで台湾は「循環型経済ロードマップ」の最新版を発表し、国際的なパートナーから経験の共有とフィードバックを行う。

モデレーター

マイク・ファン・デル・ファイバー氏|オレンジ・ギボン株式会社 共同創設者 兼 チーフ・ミーティング・デザイナー

パネリスト

村上 進亮氏|東京大学大学院工学系研究科 教授
彭 啓明氏|台湾環境省大臣
ステファニー・ダウンズ氏|The Waste and Resources Action Programme(WRAP)アジア太平洋地域事務局長
シャリーニ・バラ氏|International Council for Circular Economy(ICCE)マネージング・ディレクター

▼10月22日(水)11:10-12:10(日本時間12:10-13:10)|ロードマップから行動へ:循環型ガバナンスの促進と循環型協力の構築

循環型経済を単なるビジョンから、持続可能な成長を実際に促進する主流の経済モデルへと転換させるには、ガバナンス構造の設計が不可欠。本セッションでは、「Circular Trilogy(循環型三部作)」に焦点を当て、企業ガバナンスの内的変革、国家レベルでの政策ガイダンス、国際レベルでの規制の整合と協力プラットフォームの構築といった側面に焦点を当て、循環型経済の取り組みを支援するための制度的条件とレベル間の連携メカニズムの構築方法を探る。これにより、「優れたアイデア」を「優れたビジネス」へと転換させ、循環型経済を真の経済推進力へと導く方法を解説する。

モデレーター

ガイ・ヴィッティッチ氏|サーキュラー・台湾ネットワーク 理事

パネリスト

フリーク・ファン・エイク氏|Holland Circular Hotspot CEO
チャールズ・フアン氏|Circular Taiwan Network 会長
ウェイワン・チェン氏|Everlight Chemical Industrial Corporation ゼネラルマネージャー

日本からの登壇者紹介

村上 進亮氏(東京大学大学院工学系研究科 教授)
持続可能な資源利用のための社会システムの設計と評価を専門研究分野とする。鉱物経済学とシステム工学の両方のバックグラウンドを持ち、環境省および経済産業省の廃棄物管理/循環型経済政策に関する有識者会議の委員を務めている。また、TC323(循環型経済)、PC348(持続可能な原材料)など、複数のISO専門委員会の国際専門家も務めている。

粟生木 千佳氏(公益財団法人 地球環境戦略研究機関 上席研究員)
工学博士。民間シンクタンクを経て、2007年6月IGES入所。循環経済・資源効率性向上に向けた国際政策動向分析、循環経済・資源生産性指標の政策応用に関する研究を行っている。東洋大学非常勤講師、環境省中央環境審議会、経済産業省産業構造審議会、産業技術環境分科会、資源循環経済小委員会をはじめとして各種政府・自治体等委員会・検討会委員を歴任。

加藤 佑(ハーチ株式会社代表・Circular Economy Hub創刊者)
サステナビリティと循環型経済のためのメディアとデザインを専門とする。ハーチは、Circular Economy Hub、Circular Yokohama、Circular Startup Tokyoなど、複数のイニシアチブを運営。日本の複数の自治体の循環型経済アドバイザー、ISL至善館循環未来デザインセンター所長、そして日本の食器メーカーであるニッコーの社外取締役を務める。

こんな方におすすめ

既にサーキュラーエコノミーを実践しておりアジアでの展開を検討している企業の方
アジア太平洋におけるサーキュラーエコノミーの現在地を学びたい方
欧州とは異なるアジアだからこそ強みになるサーキュラーエコノミーの推進に関心のある方

FacebookXTagged with: リニアエコノミー, アジア, etag, アムステルダム, アジア太平洋, サーキュラーエコノミー, CO2削減, 廃棄物削減, 台湾, 日本, イベント, 循環経済

Share.