ドイツのメルツ首相は、凍結したロシア資産を活用してウクライナに無利子で約1400億ユーロ(約24兆5000億円)の融資を行う欧州連合(EU)の計画に支持を表明した。
この表明は、国際法の観点から資産没収に慎重な姿勢を続けていたドイツの転換を意味する。メルツ氏は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に寄稿した記事の中で、ロシアに明確なシグナルを送る必要があると主張した。
「われわれはロシアに負わせる侵略のコストを組織的かつ大規模に引き上げる必要がある」とし、資金支援は「ウクライナが数年分の軍事的な耐久力を確保できる規模」でなければならないと論じた。

ドイツのメルツ首相(左)とウクライナのゼレンスキー大統領
Photographer: Filip Singer/Getty Images
EUは凍結したロシア中銀の資産を利用し、ウクライナに融資を提供する計画をまとめようとしている。トランプ米大統領は今週、約3年半続くロシアのウクライナ侵攻を終わらせる責任を欧州に転嫁させつつあることを示唆した。
ブルームバーグ・ニュースは今週、EUの執行機関である欧州委員会とその加盟国は、ロシアの資産そのものを没収するのではなく、その償還された資産で発生する利息を使ってウクライナに融資する案で前進していると報じた。この案の下では、凍結資産に対するロシアの法的権利は維持する。
ブルームバーグが当時、説明を受けた当局者の話として報じたところによると、償還済みの凍結資産により既に約1750億ユーロの利息が発生している。この4分の1は主要7カ国(G7)が主導する別の支援プログラムに利用されるため、残る約1300億ユーロが融資可能となる。
メルツ氏の支持で、計画の実現には弾みが付きそうだ。同氏はロシアがウクライナに戦争被害の賠償金を支払えば融資の資金は返済されるとしつつ、その時まで資産は凍結されるとの方針を説明。
ドイツ政府は資産没収については慎重な姿勢を維持するが、「だからと言って、それがブレーキになってはならない。(国際法などの)問題に抵触するのを避けながら、どのようにこれらの資金をウクライナ防衛に利用できるようにするか、考えなければならない」とメルツ氏は寄稿記事で呼び掛けた。
原題:Merz Backs Plan for €140 Billion Loan to Help Defend Ukraine (1)(抜粋)
— 取材協力 Jorge Valero and Suzanne Lynch
