【写真】「富小路 やま岸」の料理

見城「美しい日本文化が融合した食と空間に果てなきロマンを感じる」

秋元 言わずと知れた茶懐石の名店が東京に、と聞いて楽しみにしていたのですが、京都と時差ゼロの料理は想像以上でした。僕がうかがわせていただいた時は、朝掘りの筍を山岸さんが京都から新幹線で運ばれてきて。

見城 見事な筍だったよね。東京に出るお店は増えているけれど、店主がその日のお客さんのためだけに食材を運ぶというのはすごいことだよ。

秋元 筍の根元の部分だけを輪切りにしたお椀は、あまりの余韻の長さに思わず感動のため息が出ました。出汁の味を左右するひとつは水と言われますが、西と東では水質が違うから、お弟子さんと手分けして京都から日々、60㎏の井戸水を運んでくるそうです。

中田 店主自らが奔走する、まさにご馳走ですね。

秋元 本当にそう思います。大御所ではあるけれど、すごく物腰が柔らかくて、ファンが多いのもうなずけます。

秋元「文化的価値に溢れる名店の東京出店に期待が高まります」

秋元 安土桃山時代の器ですよね。

見城 そんな価値のある器を“用の美”として捉えているところもすごいよね。山岸さんは職人であり、目利きであり、サービス精神に溢れる人。

秋元 若いお弟子さんたちもその背中を見ることができて人生勉強になりますよね。美味しいものを作るだけではなく、相手に心をいかに尽くすかという学びは簡単に得られるものではないから。東京でお店を開くと決めたのも、料理の世界で生きる楽しさや厳しさを後続の世代に身をもって教えたいという思いあってのことかもしれません。

見城 料理というものはつまるところ、人だと。自分がどれだけ苦悩しても、いかに他者を想えるか。僕はそういう心に深く共鳴します。

富小路 やま岸/Tominokouji Yamagishi

東京には『銀座 呑小路やま岸』も。蒐集家も息を飲むほどの器を揃えるが、安土桃山時代の織部焼など”土もの”は東京の店でのみ使用。

住所:東京都港区虎ノ門5-9-1 麻布台ヒルズガーデンプラザB 1F
営業時間:18:00〜L.O.00:00
定休日:日曜
座席数:カウンター6席
料金:山岸さんが店に立つ日のコースは¥120,000

TEXT=小寺慶子

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