石川で描く 人模様と四季 映画「宙」 9日公開 宇多須神社、ハニベ巌窟院など 県内在住の子役も出演

映画「宙」の春の章の一場面。撮影場所は金沢市東山の宇多須神社

 県内を含む全国でロケを行い、県内在住の子役やダンサーが出演した蔵元政之監督の自主製作映画「宙(そら)」が来月9日から、金沢市香林坊のシネモンドで上映される。「日本の美しい風景」として撮影地を選んだという蔵元監督は「石川とともにある作品。多くの人に見てほしい」と期待している。(細見春萌)

 映画は線香花火に火を付けてから消えるまでの変化と日本の四季、そして男女の人生を重ねて描く。幼なじみの凛(りん)(椿(つばき)かおりさん)と京太郎(幸将司さん)の人間ドラマと、福岡県にある日本唯一の線香花火製作所のドキュメンタリー映像を交える。企画・制作に11年かけ、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭でグランプリを受賞した。

 主人公の幼少期を描く「春の章」は、県内で6年前に撮影した。金沢市東山の宇多須(うたす)神社、小松市のハニベ巌窟院と鵜川石切り場が登場する。子役2人は、県内在住で当時8歳と5歳の空時(くうと)さん、紅春(こはる)さんの兄妹。2人の母親で帽子作家の「おさかな」さんが、衣装制作を担当した。夏の章の京太郎役は、志賀町出身で当時17歳の藤沢悠也さんが務めた。

 エンドロールには金沢市のファイヤーダンサー西島智子さん(47)が出演。同市の旅館「元湯石屋」の能舞台で、火のついたバトンを操り幻想的な舞を披露した。「振り袖と能面をつけて踊るのは初めてで緊張感があった」と振り返る。西島さんは県内ロケ地との交渉にも協力した。

 蔵元監督は「クランクインのころから、石川で必ず恩返し上映を果たすと心に誓っていた。11年の時を超え結実した」と喜びのコメントを寄せた。

 宙の公開は8月9〜15日、午後8時から。監督や出演者による舞台あいさつが連日予定されている。

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