6月の米小売売上高は急減していた前月から幅広い分野で回復した。個人消費の減速懸念をやや和らげる可能性がある。
キーポイント米小売売上高は前月比0.6%増加市場予想は0.1%増ほぼすべての予想上回る前月は0.9%減少データはインフレ調整を加えていない
自動車を除くベースでは0.5%増加した。

13の業種うち、10業種で増加した。2カ月連続で減少していた自動車売上高が持ち直し、全体を押し上げた。6月の自動車販売台数は減少し、直近インフレ統計では新車・中古車の価格がともに下落した。そのため自動車は小売売上高全体を押し下げるとエコノミストはみていた。
同統計で唯一のサービス項目である飲食店は0.6%伸びた。
今回の統計は、個人消費の健全性を巡る懸念が高まる中で、一定の安心材料となる。関税によって長引く生活費の高騰がさらに悪化するとの懸念は根強く、米国民は今年に入り、景気や家計の見通しに対して総じて悲観的だ。ただ、足元では消費者信頼感に回復の兆しも出ている。
ネイビー・フェデラル・クレジット・ユニオンのチーフエコノミスト、ヘザー・ロング氏は「関税や値上げリスクに対する不安は依然くすぶっているが、消費者はお得だと感じれば購入に動いている」と指摘。「今夏の経済を表現するなら底堅さだ」と述べた。
持ち直しの背景には、トランプ大統領が関税を一部後退させたことがある。だが、足元では主要貿易相手国・地域に対する上乗せ関税やセクター別関税の発動をちらつかせて再び圧力を強めている。さらに直近のインフレ統計では、玩具や家電など関税の影響を受けやすい商品に値上がりの兆候が出ており、輸入コストの増大分が消費者に転嫁されつつあることが示唆された。
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は0.5%増加。堅調な上期の締めくくりとなった。
小売売上高は主に財の購入を反映しており、これは個人消費全体の約3分の1を占める。6月の個人消費支出(PCE)は7月31日に発表される予定だ。この統計では、財・サービスに関するインフレ調整後の支出が示される。
小売売上高統計はインフレ調整前のデータであるため、仮に減少していても、実際の消費が減ったのか、単に価格が下がっただけなのかは判断できない。逆に増加しても、それが販売数量の増加なのか、価格上昇によるものなのか見極めが困難な点には留意が必要だ。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Retail Sales Surge in Broad Advance, Topping Estimates(抜粋)
(詳細を追加して更新します)
