関税を巡る米国との交渉で、インドは最大限の提案を米側に伝え、今後の合意はトランプ米大統領とモディ首相との最終調整次第となった。事情に詳しい関係者が明らかにした。

  匿名を条件に語った関係者によると、インド政府はトランプ政権に対し、遺伝子組み換え作物のインドへの輸出や、インドの酪農・自動車分野の市場開放といった譲歩できない一線を明確に伝えた。

  米国の上乗せ関税の一時停止期限とされる9日までの合意を目指し、米国とインドはここ数カ月、激しい交渉を続けてきた。ただ、モディ政権はこのところ、政治的に敏感な農業分野の保護をめぐる圧力が国内で強まる中、より慎重な姿勢を見せている。

  インドのゴヤル商工相は先週末、「貿易交渉は国家の利益に基づいて行われており、期限に縛られるものではない」と述べた。インド政府は4日、一部の米国製品に対する報復関税を新たに検討する方針を表明している。

  トランプ氏は7日にも、各国に対する新たな貿易合意の発表や、関税発動の通知を行う予定で、関税は8月1日に発効する見通し。合意が得られなければ、インドは26%の関税を課されることになる。

  インド商工省は、コメント要請に今のところ応じていない。

  米国は現在、インドが輸入を制限している遺伝子組み換えトウモロコシや大豆などの市場開放を求めている。関係者の1人によると、インド政府側は、遺伝子組み換え動物飼料の一部輸入を認める提案をしたが、米国側は拒否した。

  インドの野党や農民団体は、米国との合意のために過度な譲歩を行わないよう政府に警告している。インドでは数千万人が農業に従事しており、農業従事者はモディ氏率いる与党の重要な支持基盤でもある。

 

原題:India Says US Deal in Trump’s Hand Now as Farmers Warn of Risks(抜粋)

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