中国当局は28日、トランプ米政権との貿易戦争が収束する兆しがない中で、国内の雇用・経済への支援を強化する方針をあらためて表明した。トランプ大統領が最近行ったとしている米中首脳会談について、中国側は否定している。

  中国外務省の郭嘉昆報道官は定例記者会見で、トランプ氏が米誌タイムに対し中国の習近平国家主席と会談をしたと発言したことについて問われ、「私の知る限り、米中首脳間での電話会談は最近ない」と答えた。その上で「もう一度はっきり言うが、中国と米国の間で関税に関する協議や交渉は行われていない」と述べた。

  盛秋平商務次官は先に行われた共同記者会見で、「今年初め以降、中国対外貿易が直面するリスクと課題は大幅に増大しており、特に米国による一方的な関税措置が影響している」と指摘し、「対外貿易企業が外部リスクや課題に積極的に対応できるよう支援するため、目標・問題志向のアプローチを堅持していく」と語った。

  国家発展改革委員会(発改委)の趙辰昕副主任は、「緊急対策を十分に準備し、雇用と経済を安定させる政策手段を不断に改善させる」としている。趙氏はまた、約5%という2025年の成長率目標を達成に「十分な自信がある」と強調。1-3月(第1四半期)における経済の力強さに触れ、成長への内需の寄与が前四半期よりも強まったと説明した。

  当局は以下の取り組みも公表した。

中小貿易企業への融資維持に向けた指導大型設備輸出支援のための特別信用ツール企業の市場分散化支援賃料や配信手数料など国内取引コストの削減貿易企業向け為替ヘッジツールの最適化

  人事社会保障省の兪家棟次官は、米国の関税がもたらした悪影響を認め、一部の輸出企業が経営難に直面し、雇用に一定の影響が及んでいると話した。政府は労働者の技能向上に取り組み、若年層の雇用を優先課題とする方針だという。

  ただ、経済への逆風にもかかわらず、政府は景気刺激策の拡大には急がない姿勢を示している。

  中国人民銀行(中央銀行)の鄒瀾副総裁は、これまでのスタンスを繰り返し、適切な時期に銀行向けの資金供給を拡大し、金利を引き下げると述べた。人民銀は困難に直面している一部輸出企業への貸し出しを維持するよう金融機関を指導する方針だとしている。

  鄒氏はその上で、中国は人民元の為替レートを「合理的かつ均衡の取れた水準」で安定させるとあらためて誓い、外国為替市場の強靱(きょうじん)さが人民元安定の支えになっているとの見解を示した。

  鄒氏は以下の点にも言及した。

米国債市場での最近のボラティリティーは注目されている中国の外貨準備投資は効果的に分散化単一市場における単一資産の変動は一般的に外貨準備に与える影響が限定的中国は人民元の過度な変動リスクを防止する方針人民元とドルの為替レートは1ドル=7.3元前後の水準で安定している国際収支の均衡が人民元の安定を支える外為市場の強靱さをさらに強化する市場を混乱させる行為には断固たる措置を講じる

  在中国米国商工会議所のマイケル・ハート代表はブルームバーグテレビジョンに対し、中国政府による米関税への対抗措置を見ると「自国経済が自ら課す関税によって損なわれることを明らかに望んでいないことが分かる」と述べ、同商工会の加盟企業がすでにIT(情報技術)や医療、航空の各分野で免除を受けた例が見られると明らかにした。

在中国米国商工会議所のマイケル・ハート代表

Source: Bloomberg

 

原題:China Repeats Vow to Support Jobs, Economy as US Tariffs Hit (1)、China Vows to Aid Exporters, Denies Being in Trade Talks With US、PBOC Downplays US Treasuries’ Impact on China Forex Reserves(抜粋)

(中国外務省の記者会見を追加して更新します)

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