トランプ米大統領の関税発動が相次ぐ中、JPモルガン・チェースのトレーディングデスクは、関税が国内外の経済成長の重しとなり、米国株がさらに下落すると身構えている。

  グローバル・マーケット・インテリジェンス責任者のアンドルー・タイラー氏は4日早くに顧客に宛てたリポートで、貿易摩擦の激化で米国内総生産(GDP)予想は大きく下振れし、利益見通しが大幅下方修正される可能性が高いと指摘。ウォール街はS&P500種株価指数の年末予測を見直すとの見方を示した。

  同氏は「この点を考慮し、われわれは見通しを戦略的弱気に変更する」と顧客に伝えた。

  今のところタイラー氏の警告は当たっている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、1-3月(第1四半期)の増益率予想は7.1%と、当初予想(11%)から引き下げられた。アトランタ連銀の予測モデル「GDPナウ」は正確性が高くないものの、最新データでマイナス成長を予測している。

  同行のトレーディングデスクが長期間維持してきた強気な姿勢を転換した背景には、昨年11月の大統領選でトランプ氏が勝利して以来、米国株の時価総額が3兆ドル(約450兆円)強喪失したことがある。減税や規制緩和など市場に有利な政策が実施されるとの楽観的見方から大統領選後に株価は過去最高値を更新したが、それと同じようなスピードで、関税賦課の警告・発動が相場を押し下げた。

US Stocks Set to Erase Post-Election Rally

Fears about trade war, economic growth weigh on sentiment

Source: Bloomberg

  米大統領は、カナダとメキシコに対する25%の関税を発動し、対中関税を倍の20%に引き上げた。一方、米国に輸入される鉄鋼・アルミニウムに対する25%の関税は、来週発動される予定だ。

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  タイラー氏は過去2年間のS&P500種上昇をおおむね正しく予想してきた。昨年12月には、新たな関税で経済見通しが下振れするため、米国株は2025年序盤に厳しい状況に直面すると警告した。

原題:JPMorgan Traders Turn Glum on US Stocks, Expecting Tariff Pain(抜粋)

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