ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下のスマートフォン専用銀行「みんなの銀行」が、目標とする2027年度の黒字化に向けて真価を問われている。5月で開業から3年を迎えたが顧客獲得が思うように進まず赤字が続いており、追加出資したふくおかFGは、テコ入れ後も業績が改善しなければ撤退も視野に入れる意向を示した。
赤字続くスマホ専用「みんなの銀行」正念場…追加出資したふくおかFG、業績次第で撤退も視野
みんなの銀行を巡ってふくおかフィナンシャルグループ(FG)の五島久社長が5月31日に記者会見で述べた主な内容は以下の通り。
経営方針を説明するふくおかFGの五島社長(5月31日、福岡市で)
――みんなの銀行の事業の現状について。
「昨年度は開業3年目で、BaaS(バンキング・アズ・ア・サービス)などの(外部との)連携で収益力強化に注力した。その結果、口座数などや損益はおおむね計画通りだ」 「一方で、黒字化の蓋然性をこれから高めるためには、てこ入れが必要だ。今年度の重点取り組みとして、経営体制の強化、(口座獲得につながる)大口顧客を持つ取引先とのアライアンスの推進、(アプリの)機能強化、ローンビジネスの確立に取り組んでいく」 「大きな大口顧客基盤先として、全国で大きな取引先、商圏を持っている企業との協業を推進することに力を入れる。2027年度の黒字化に向けて全力を尽くす」
――5月28日のアナリスト向け説明会で撤退の可能性について説明した。 「新規事業については、黒字化の蓋然性を協議した上で、経営の中で継続の判断は当然に行っている。その中で仮に黒字化が困難になったという場合は、事業転換や撤退を含めた対応の検討もありうる。みんなの銀行に限った話ではない。いま取り組んでいる新規事業を中心として毎年、そうした協議を進めている」 「我々が取り組んでいる新規事業には、投資家に非常に興味を持ってもらっている。今年だけでなく昨年も、みんなの銀行のビジネスを始めたときから様々な質問や意見をいただいている。昨年以降、具体的には、投資家の方々から『プランB』がないのか、うまくいかなくなったときの対応をどう考えているのか、グループの成長を阻害したら困るのではないか、という質問や意見がかなり出ている」 「事業が万一、将来的に難しいときにどうするかは常日頃、考えて議論している。投資家から昨年以降、そういう意見が強まっていたので、このタイミングで説明した」
――大口の取引先がどのくらい増えれば黒字化できるのか。 「提携先の確保について、ふくおかFGとしても、みんなの銀行としても検討を進めているが、内容は控える。そうした取り組みで口座数、ローン残高を黒字化のベースにもっていけるというところを、シナリオを持ちながら進めている。詳細は控える」
――なぜ黒字化が遅れているのか。 「みんなの銀行は、これまでにないシステムをつくり、クラウド形式のシステムで様々な機能を開発する新しい取り組みで始めた。客層も全国の(30歳代以下の)デジタルネイティブ層にどう訴求するか。初めてのチャレンジであり、ビジネスの計画をつくる段階で、ここまでやればここまでいくんだ、というのが固まっていなかったのは事実だ」 「始めて1年、2年たったところで計画を修正し、27年度の黒字化目標に向けてはやっていけると判断している。みんなの銀行に様々な意見があるのは承知しているが、ふくおかFGのビジネス自体は、みんなの銀行への投資を含めて成長している。みんなの銀行のシステムも評価をもらっている。5年後、10年後の我々のビジネスの柱にできるようにやっていきたいというのが、私たちが考えているテーマだ」
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