果樹に被害をもたらすチャバネアオカメムシ=愛媛県病害虫防除所提供
桃やかんきつなどの果樹に被害をもたらすカメムシが大発生している。愛媛県内で昨秋からの越冬数は平年の約4倍となり、過去10年で最多。果汁を吸われた果実は変形して商品価値が損なわれるなど被害が出るため、県病害虫防除所は「病害虫発生予察注意報」を発令し、農家に早期の対策を呼びかけている。(脊尾直哉) 宇和島市の白浜地区。16年前からミカンを育てる男性(43)は「ここまで大量のカメムシは見たことがない。実が大きくなり始める夏に減らなかったら、出荷量に影響するかもしれない」と心配する。 男性の農園では、5月に入って既に2回、農薬散布をしたが、カメムシを駆除できていない。果汁を吸われたかんきつは、果肉が茶色く変色し、ジュース用に使うのも難しい場合があるという。
果実の汁を吸う「果樹カメムシ類」は特に増えている。チャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシが代表的だ。 同防除所は2月、県内40か所で2地点ずつ(各1平方メートル)から落ち葉を集め、越冬したチャバネアオカメムシの個体数を調査。2平方メートルあたりの数は県内平均で3・88匹で、平年の約4倍だった。地域別では南予が最も多く、2平方メートルあたり6・50匹と平年の7倍となった。
カメムシの多くは6~7月にスギやヒノキに産卵し、親世代は死ぬ。
孵化(ふか)
した子世代は脱皮を繰り返して8月頃に成虫になる。越冬した世代は、暖かくなると活発に飛び回る。今年は気温が上昇した4月末頃から、エサを求めて果樹園や都市部に飛来しているという。
猛暑だった昨夏、好物のスギやヒノキの実が多くでき、カメムシの生育環境が良かったとみられる。同防除所は「カメムシは日没後の数時間に飛び回る習性がある。夜間の気温が上がると動きが活発化するので、今後さらに飛来する数が増える可能性がある」とする。 また、都市部ではマンションやベランダの明かりに集まったカメムシが洗濯物に付き、室内に入り込む恐れがある。同防除所によると、たたくなどの刺激を与えると刺激臭を発し、臭いのもとになる分泌物に触れると皮膚炎になる。ティッシュで包んだり、紙コップを使って捕獲したりする対策を推奨している。 同防除所は「農園では桃や梨に袋を早めに取り付けてほしい。ハウス栽培の場合は入り口にネットを張るなどの対策を取ってください」としている。
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