山と海が近く、「トカイナカ」をうたう兵庫県洲本市の市街地 「神戸まで車で約1時間」「豊かな自然」「食料自給率100%の島」――。兵庫県・淡路島の3市は様々なPRで移住者を呼び込んでいる。人口減少や少子高齢化といった社会課題に直面しながら、島の活性化に力を注ぐ。(大田魁人)
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「島暮らし」の特別感 「もっと早く島に住めばよかったなあ」「地元の人もすごく温かいしね」。淡路市佐野地区の大阪湾を望む自宅近くの畑で、草訳悠さん(39)と恵理さん(40)夫妻が談笑していた。
自宅近くの畑に水をまく草訳さん夫妻。眺望がお気に入りだという(兵庫県淡路市で)
2人が神戸市西区から移住してきたのは2022年7月。住宅が密集する
閉塞(へいそく)
感や近所付き合いの悩みを抱え、移住を決めた。ITエンジニアの悠さんは自宅でのリモートワークが中心で、月1回ほど神戸市内の取引先などに出向く。「生活に必要なものは近くにあるし、神戸にも行きやすい。空も海もきれいな『島暮らし』という特別感もあって、住み心地は最高だ」と悠さんはほほ笑む。
「まだまだ活性化できる」
県の推計人口(2024年1月1日時点)によると、島内3市の人口は計約12万2600人。10年前から1万5000人以上減少しており、3市は移住者の呼び込みに力を注ぐ。 最も本州に近い淡路市は、神戸市中心部へのアクセスの良さや、企業誘致による就労先の豊富さなどをPR。19~23年の5年間の人口の社会増減率はプラス1.51%で、播磨町(プラス2.63%)、明石市(同1.97%)に次いで県内市町で3番目に高かった。門康彦市長は「関西都市圏に近い『距離的優位性』の効果が大きい。島内3市それぞれの特質を生かせば、まだまだ活性化できる」と語る。 22年から2年連続で社会増となった洲本市は、市街地と、海や山に囲まれた地区が混在する「トカイナカ」をうたう。南あわじ市は、近畿地方でトップの産出額を誇る農業や鳴門海峡の海の幸などの第1次産業が強みで、「田舎暮らし」に憧れる移住希望者を狙う。観光地ゆえの課題 今年4月に民間有識者らでつくる「人口戦略会議」が公表した報告書では、出産の中心世代である20~39歳の女性人口について、20~50年の減少率を推計。減少率50%以上の自治体を「消滅可能性自治体」とした。14年に「日本創成会議」が実施した同様の調査では3市ともに「消滅可能性都市」とされていたが、今回、淡路市と南あわじ市は脱却。厳しい状況に変わりはないが、成果は数字として表れている。 人気の観光地でもあるだけに、行楽シーズンには交通渋滞が多発し、移住希望者数に対して賃貸物件や古民家の供給数が追いつかず、物件価格の高騰も目立つなど、課題はある。洲本市の担当者は「3市や県、民間団体などが連携を深め、公共交通機関の利便性向上などを進め、より住みやすい淡路島にしていきたい」と話す。
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