東京などと地方を行き来して生活する「2地域居住」志向が若い世代を中心に高まりを見せ、国がニーズ支援に乗り出している。国土交通省は、2地域居住を促進するモデルとして、首都圏との交通の便が良い長野県佐久市のコワーキングスペース「ワークテラス佐久」と、施設の運営を市から受託している地元のまちづくり会社「MoSAKU」の取り組みをPRしている。(小谷野直樹)
2地域居住の新たな働き方の拠点として国が注目するワークテラス佐久 コロナ禍を契機に首都圏在住者の地方移住への関心は高まっている。コロナの影響による生活や行動の変化について内閣府が2023年4月に行った意識調査で、20歳代の約半数が「関心がある」と答えた。
国交省が22年8月に行ったインターネットによるアンケート調査では、回答を寄せた18歳以上の約12万人のうち24・9%の人が2地域居住を「条件が許せば行いたい」と回答。「ぜひ行いたい、または今後行う予定」(1・7%)などを含め約3割が関心があるとした。 地方への人の流れの創出と拡大を目指す改正広域的地域活性化基盤整備法が今月15日に国会で成立。これに基づき、拠点施設や重点区域を設定し2地域居住を推進する市町村は、居住用の空き家改修、コワーキングスペース整備や、高速インターチェンジ―施設間の道路整備の財政面などで国の支援が得られる。 ワークテラス佐久は、パソコン教室などの会場となっていた「佐久情報センター」を改修し、テレワーク(遠隔勤務)など新たな働き方を支える拠点施設として20年4月にオープンした。広々としたスペースに机が並び、オープンラウンジや電源付きの席、企業向け貸しオフィスなどを備える。子どもの入園に合わせて佐久に居住し、会社経営のために東京と行き来する30歳代男性や、佐久地域のコミュニティー農園に通うため神奈川と行き来する40歳代女性など、2拠点居住者の利用も増えているという。
国交省が開いた報道機関向け現場見学会で「TonaRide」について説明する柳沢さん(22日) 施設の運営を担うMoSAKUは、都市再生機構で東京都心の再開発などに携わり国交省にも出向して法整備などを担当した柳沢拓道さん(38)が同市に家族で移住し、20年に起業した。従来のまちづくりのあり方の一歩先を進もうと「超まちづくり」を掲げ、地方創生の活動を展開している。 複数の仕事を掛け持ちする「地域複業」の人材を活用するプロジェクトや、地域の企業や個人とつながり商品を開発する「ASAMA CLASSICO」ブランドの運用などに取り組む。 昨年8月にはJR小海線を軸に地域をつなぐ拠点として、中込駅構内の空き店舗を借り「TonaRide(トナリデ)」を開設。同ブランドで商品化した「浅間コーラ」の販売や日替わり出店者によるランチ営業などを行っている。 柳沢さんは「『複業』や『パラレルワーク』など、組織の垣根やフリーランスの垣根を跳び越えて活動する移住者や2拠点居住者の新しい働き方をサポートし、まちづくりを進めていきたい」と話している。
![[社会] 首都圏との2地域居住を推進、長野・佐久のコワーキングスペースをモデルとしてPR…国交省 [社会] 首都圏との2地域居住を推進、長野・佐久のコワーキングスペースをモデルとしてPR…国交省](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/05/1716700756_20240526-OYT1I50036-1-1024x576.jpg)