昨年1月に大阪湾に迷い込んだクジラの死骸処理費が大阪市の試算の2倍以上に膨らんだ問題で、市大阪港湾局で契約を担当する経営改革課長(当時)が委託業者との交渉期間中、業者の担当者と会食していたことがわかった。課長は業者の意向に沿って金額を引き上げるよう局内で主張していた。会食は市の内規に抵触する可能性があり、市が経緯を調査している。クレーンを使って台船に移される迷いクジラの「淀ちゃん」(2023年1月18日、大阪市此花区で、読売ヘリから)=川崎公太撮影クレーンを使って台船に移される迷いクジラの「淀ちゃん」(2023年1月18日、大阪市此花区で、読売ヘリから)=川崎公太撮影 「淀ちゃん」と呼ばれたクジラは、昨年1月13日に淀川河口付近で死んでいるのが見つかった。市大阪港湾局は、死骸の海洋投棄を市内の海運会社に依頼。同社は6日後に死骸を紀伊水道沖に沈めた。市側は昨年3月初めに費用を3774万円と試算したが、同社が提示した8625万円と開きがあり、交渉の結果、3月31日に8019万円で随意契約が結ばれた。

 関係者によると、経営改革課長は、交渉が続いていた昨年1~3月の間に、業者の担当者と会食していた。業者の担当者は元市職員で、課長とは親しい間柄だった。課長は市の調査に対し、会食を認めているという。 市の公正契約職務執行マニュアルでは、契約を担当する職員は、業者との癒着が疑われるような接待や飲食が禁じられている。課長は取材に対し、「何も答えることはない」と述べた。 課長は昨年3月27日には、クジラの処理を担当した同局海務課と業者との交渉に同席し、試算額を引き上げるよう海務課長(当時)に強く迫っていたことが判明している。