『学校でもおうちでも教えてくれない「お金のリアル」 お金のコンパス』伊藤みんご著、八木陽子監修(講談社) 1650円
「じゃあ……「価値」があるものってなんなのか教えて!?」(本書より)
とんねるず、木梨憲武さんの仕事術は「サークル型」……自伝本に学ぶカリスマタレントの俺気味
青葉若葉が茂る季節。4月に新生活を始めた人たちも少しずつ環境に慣れてきた頃、新社会人の方は「初任給で何をする?」なんて話も盛り上がるのかもしれない。生活にはお金が必要だと理解したのはいくつぐらいの年だっただろうか。『お金のコンパス』は子どもに向けてお金との付き合い方をテーマにしたマンガで、特に自分の身の回りについて興味が出てきたような十代の人たちに親しみやすい内容になっている。 中学生の女の子、真白は安さに目がくらんで衝動的に福袋を買ってみたものの、期待していたような商品は入っておらずがっかり。一方、クラスメイトの大和は欲しい楽器を買うのに2年間検討し続けている。そんな浪費タイプの真白と慎重派の大和が、若手実業家の朝倉と出会い、お金との付き合い方を知っていく。 話はおこづかいの使い道など身近な話題を入口にし、目次には「物の価値」や「円安と円高」「現金VSキャッシュレス」など現実的な項目が並ぶ。作者の伊藤みんごはこれまでも法律をテーマにした『開廷! こども裁判』でマンガを担当するなど、ストーリーマンガに学びをわかりやすく織り込む作品を描いている。本作も経済やお金といった、ともすれば難しく込み入ったものになりそうなテーマだが、登場人物たちが気持ちを素直に表し、時にコミカルに動いて内容を伝える様は軽やかだ。また、作品は少女マンガ雑誌「なかよし」で連載されており、学びに力を入れるだけでなく、ストーリーマンガとして違和感なく楽しめるよう作られている。
お金について考えるおもしろさを感じた真白の「価値とは?」という問いに、朝倉は笑って「正解なんてあるわけないじゃんっっ☆」と答える。物の価値とは?という切り口から、真白と大和は自分自身を振り返り、やがて将来についても考えはじめてゆく。お金を使い、
貯(た)
め、
儲(もう)
ける……金銭の取り扱いだけでなく、そこから暮らしや、自分のこれからの生き方に
繋(つな)
がっていることをも大切にしている作品だ。(マンガ司書 みさき絵美)=寄稿=
伊藤みんご
(いとう・みんご) 漫画家。「なかよしラブリー」2008年秋の号に掲載された「眠れぬ姫に君」でデビュー。ほかの作品に『ゆずのどうぶつカルテ』などがある。
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