北海道のJR苫小牧駅南口に16日未明、エゾシカが群れで出没した。苫小牧市周辺ではシカが多く生息しており、増加傾向にあるのが一因とみられる。有効な対策がないため、市は様子を見るとしている。JR苫小牧駅前にたむろするエゾシカの群れ(16日未明、苫小牧市で)JR苫小牧駅前にたむろするエゾシカの群れ(16日未明、苫小牧市で) 目撃された群れは7頭で、体長は1~1・5メートルほど。街灯に照らされた駅前のタクシー駐車場付近で辺りをキョロキョロうかがったり、植え込みの草木を食べたりしていた。客待ちをしていたタクシー運転手の男性は「25年間乗っているけど、駅前でシカの群れを見たのは初めて」と目を丸くした。

 市環境生活課によると、シカの多くは雪が少ない市郊外で越冬し、この時期は餌の豊富な山林に戻る。ただ、駅の700~800メートル南にある王子製紙苫小牧工場の敷地付近は市中心部ながら緑が豊かなため、20頭近くが夏を過ごすという。市には、敷地近くの商店街などから目撃情報がたびたび寄せられる。 道警の調べでは、2023年にシカが絡んだ市町村別の交通事故件数は、苫小牧市の387件がトップで、2位の釧路市(281件)を大きく引き離す。農作物が食われる被害もあり、市は22年度、わなによる捕獲を始め、23年度までに330頭近くを捕らえた。
 駅前を
闊歩(かっぽ)
する今回の群れについて、街中で銃は使えない上、誤って人がわなにかかったり、かかったシカが暴れたりする危険があるとして、市は当面、静観の構えだ。

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