工学博士の学位を取得した白木さん(県警提供) 従来は分析が難しかったアンモニアや硫化水素といった化学物質を正確に、素早く特定できる技術を確立したとして、福岡県警科学捜査研究所(科捜研)の化学1科研究員白木亮輔さん(34)が九州大工学博士の学位を取得した。事故の原因や死因の特定などにつながることが期待されており、白木さんは「犯罪の見逃し防止につなげていきたい」と意気込んでいる。(藤本鷹史)
白木さんは福岡県小郡市出身。裁判員裁判などをきっかけに、より重要視されるようになった客観的証拠の作成を担う仕事に興味を持ったという。佐賀大理工学部を卒業後、大学院に進学したが2013年、警察行政職員への採用を機に大学院を中退。科捜研に配属された。 主に違法薬物の鑑定など化学分野を担当する。空調点検中に作業員が亡くなった09年の九州国立博物館の事故で、原因となったアンモニアの特定が難しかったという話を聞き、16年から今回の研究に着手。21年から九州大大学院に在籍し、定時後に研究や教授らと打ち合わせを重ねてきた。
福岡県警察本部 研究では、アンモニアや硫化水素など気化しやすい物質が含まれている可能性がある検体に対し、染料や薬の原料として使われる液体「エテンスルホニルフルオリド」を混ぜることで、正確に特定する方法を開発。この方法では、これまで最低でも半日は必要だった分析時間が、10分程度に短縮される。主に血液の鑑定に活用されることが想定されており、自殺や異物混入、作業中の死亡事故などの分野の原因の特定に生かされるという。一連の研究が評価され、3月25日、九州大から工学博士号が授与された。 1 2
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