4月20日の公開討論会で住民の質問に答える大阪府の田尻町議ら
総合文化センター(仮称)建設が予定されている町有地(大阪府田尻町で)
大阪府田尻町の総合文化センター(仮称)建設を巡り、町と町議会の対立が続いている。基本計画には賛成していた議会が、選挙で顔ぶれが変わった後、反対に転じ、2024年度当初予算から関連事業費が削除され、建設の是非を問う住民投票の実施も要求された。建設推進を掲げて町長選に当選した栗山美政町長は議会の対応を批判するが、解決の糸口は見えない。(北口節子)住民投票案で揺れる 「住民の意見を積み重ね、進めてきたのに、ちゃぶ台返しをしている」――。4月15日、センター建設に反対する大阪維新の会や共産党の会派の町議らが、住民投票の実施条例案を臨時議会に提出。賛成多数で可決されると、栗山町長は審議のやり直しを求める再議を申し立て、議場で声を震わせた。 再議により、住民投票条例案は可決に必要な出席議員の3分の2の賛成を得られず、廃案になったが、対立の火種は残ったままだ。計画全面見直し 総合文化センターは、町が公民館の老朽化を受けて「各世代が集う場所」として建設を決め、2020年度に基本構想を策定。予定地は南海吉見ノ里駅近くの町有地で、ホールや蔵書5万冊の図書館、展示室などを備え、災害時には住民の避難場所として活用することも想定している。 町議会も、22年3月にはセンターの建設費を約31億円とする概算事業費を示した町の基本計画を承認。23年3月の議会では、約4億4300万円の整備事業費を盛り込んだ予算案を可決していた。 ところが、23年4月の町議選(定数10)で新人5人が当選し、顔ぶれが変わると、議会は態度を一変させた。同5月の臨時議会で「高額な予算を伴う施設は必要ない」などと建設計画の全面見直しを求める決議を賛成多数で採択した。背景には、栗山町長への反発があるようだ。 他方で、同11月の町長選では、センターの建設推進を公約に掲げた栗山町長が3選を果たした。町は「住民の意思は確認できた」として今年3月、関連事業費を盛り込んだ当初予算案を議会に提出したが、町議会は反対多数で否決。町は関連費などを削除した予算案を出し直し、可決された。町民「代案を」 議会の姿勢に疑問の声を上げる町民もいる。4月20日、町議会がセンター建設について町民向けに開いた公開討論会では、参加した95人から「反対するなら代案を出すべきだ」「町長の不信任案を出せばいい」と議会を批判する意見も出た。建設反対派の議員らは「過剰投資で、子どもの世代につけを回すことはできない」「最優先で取り組むべき事業ではない」と説いたが、出席した男性(79)は「小さな町なのに、対立が続いているのが情けない」とこぼした。 町PTA連絡協議会の会長を務める妹尾晃典さん(37)は、町民の意見や要望を町と町議会に届けるため、市民団体「田尻町のこどもと教育を考える会」を新たに設立した。これ以上混乱が続くようなら、議会の解散請求も検討するという。「子どもたちのため、町の利益のため、一人でも多くの町民に関心をもってもらい、対立の解消につながれば」と話す。
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