鹿児島東西道路の地下トンネル工事で使われているシールドマシン。先端(手前)が回転して掘り進む=鹿児島国道事務所提供 道路トンネルとしては九州初の工法で、鹿児島市中心部の地下が掘り進められている。九州自動車道や南九州西回り自動車道につながる同市の新たな大動脈「鹿児島東西道路」の工事で、国土交通省九州地方整備局は都市部の難工事のため、鋼鉄製の大型掘削機を使う「シールド工法」を採用した。「巨大モグラ」とも呼ばれるマシンが来年5月まで、鹿児島特有のシラス台地を2キロ以上にわたって慎重に掘り進める予定だ。(池田寛樹)
超合金の歯660個 今月10日、JR鹿児島中央駅から徒歩10分ほどの市道に出ると、大きな建屋(高さ約14メートル、長さ約170メートル)に視界を遮られた。騒音対策で吸音材を使った「防音ハウス」と呼ばれる建屋で、中にはトンネルを整備するための「立て坑」があり、土砂を搬出するダンプカーが次々と出ていた。 受注業者の案内で、立て坑から階段で地下約20メートルまで下り、少しずつ形になってきたトンネルの中に入った。先に進むと、ビル3階建てに相当するシールドマシン(高さ約11メートル)が出現した。神戸市の工場で製造され、先端には超合金の歯が放射状に約660個配置されている。総重量は約1400トン。地元の児童が「シールどん」の愛称を付けた。
鹿児島東西道路の地下トンネル工事のために設けられた建屋。この中の立て坑からシールドマシンが掘り進み始めた(鹿児島市で) マシンは遠隔操作で動き、ゆっくりと回転しながら分速10~15ミリで掘り進む。昨年11月から始まり、半年間で下りのトンネルを約53メートル掘った。前進に合わせて壁面ブロックが設置され、トンネルが少しずつ造られる。 施工は大成建設などの共同企業体(JV)。JVの現場代理人・常田和哉さん(51)はマシンの前で「住民生活に極力影響が出ないようにしながら、シールドマシンの技術や安全性を理解してもらう意味でも確実に成功させたい」と話した。 来年5月に下り線(延長2・3キロ)が貫通する見込みで、その後、路面や非常駐車帯などを整備する。国交省は下り線を掘った後、上り線のトンネルも建設する方針だ。建屋近くには、マシンを説明するインフォメーションセンターもある。 1 2
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