ウクライナ国防省によると、ロシア軍の装甲車部隊が10日朝、露国境付近にあるウクライナ北東部ハルキウ州の防衛線突破を試みた。国境から約1キロ・メートルほどで終日激しい戦闘が起きた模様だ。露側は、露領内への砲撃を防ぐため約10キロ・メートルの緩衝地帯を設ける狙いがあると指摘されている。10日、ロシアの攻撃を受けたウクライナ東部ハルキウで消火活動を行う消防士=ロイター10日、ロシアの攻撃を受けたウクライナ東部ハルキウで消火活動を行う消防士=ロイター 同省によると、露軍は9日夜、ウクライナ第二の都市ハルキウ市の北東70キロ・メートルにある同州ボウチャンスクを空から攻撃。10日午前5時頃には地上から攻勢をかけた。ウクライナ側は撃退に成功したと主張している。緩衝地帯は、ウクライナ側から断続的に攻撃を受けるベルゴロド州の防衛の狙いがあるとみられる。

 米政策研究機関「戦争研究所」(ISW)は、露軍が複数の集落を制圧した可能性を指摘し、ハルキウ方面の作戦の「初期段階を実施した可能性が高い」とした。露軍がハルキウ市の占領を試みるには部隊の規模が小さいことから、ウクライナ軍の人員や物資を別の戦線から引きはがす効果を狙ったと分析している。 露軍は、米欧の援助がウクライナの前線に大規模に届くまでの時間を最大限活用するため、国境地帯の攻撃を始めたとみられる。 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は10日夜の演説で「ハルキウ方面の兵力を増強した」と述べた。米欧の支援を念頭に「発表だけでなく、ウクライナに武器が届くことが本当に役立つことだ」と述べ、支援の重要性を改めて強調した。

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