『植物の謎』日本植物生理学会編
バナナは種子がないのにどうやって増えるのか、ご存じだろうか。前提として、バナナの「木」のように見える部分は数メートルを超える巨大な「草」で、一生に一度だけ果実をつけ、果実ができると草は枯れるが、地下部分の茎が左右に枝を伸ばして、そこから新たな芽を出すのだという。
日本植物生理学会がホームページに寄せられた質問に答える人気コーナー「植物Q&A」をまとめた。
ほかにも、レタスの切り口がピンクになる理由や、タンポポの茎が黄緑から赤紫に変わる謎などについて解説されていて、スーパーでの買い物や散歩が楽しくなりそうな“実”のある話が満載だ。(講談社ブルーバックス、1100円)(真)
『音楽評論の一五〇年』白石美雪著
明治以降の日本の音楽評論の歴史をひもとく好書。明治初期に西洋音楽導入の必要性を説いたジャーナリストの福地桜痴から、戦後を代表する評論家で「音楽的自我」を持った吉田秀和まで、時代とともに変わってきた評論家の姿が、多くの資料から浮かび上がる。
大田黒元雄、野村光一、山根銀二、遠山一行ら音楽評論の先駆者たちの足跡をたどると、クラシック音楽を
啓(けい)蒙(もう)
主義的に受容することで近代化を成し遂げたわが国の音楽文化の特殊性・多様性が見えてくる。
150年の間に深化してきた日本の音楽評論は、今日のメディア環境の中で今後、どのように変わっていくだろうか。(音楽之友社、3850円)(良)
![[本のコラム] [記者が選ぶ]5月5日 [本のコラム] [記者が選ぶ]5月5日](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/05/1715326766_20240509-OYT8I50019-1-1024x576.jpg)