福岡市中央区の舞鶴公園にある国史跡「福岡城跡」を巡り、天守閣の整備に向けた議論が進んでいる。福岡商工会議所が今春設置した懇談会では、専門家らが具体的な整備手法を検討しており、秋頃に意見をとりまとめる考えで、福岡市も結論を注視している。一方、天守閣に関する史料が少ない中での整備については、別の専門家から否定的な意見も出ており、今後の行方が注目される。(林航)ライトアップ観光客らでにぎわう「幻の天守閣」周辺(3日夜、福岡市中央区で)=浦上太介撮影観光客らでにぎわう「幻の天守閣」周辺(3日夜、福岡市中央区で)=浦上太介撮影 大型連休中の今月3日夜、福岡城跡は多くの観光客でにぎわっていた。来園者はスマホのカメラを手に、天守台で七色に輝く「幻の天守閣」(高さ約14メートル)を撮影していた。初めて訪れた福岡県太宰府市の男性会社員(28)は「福岡に立派な城があったことを初めて知った。福岡の歴史を調べてみたいと思った」と話した。

 幻の天守閣は、福岡市が天守台に金属パイプで設置した仮設構造物をライトアップする初の取り組みだ。福岡城跡は、現存する
櫓(やぐら)
の数が少ないなど、観光地としての魅力が乏しいとされてきたため、市は観光客らへのアピールを目指し5月末まで行う。
 天守台に設置した構造物の形については、市が公募し、一般的な「天守」を想像できるよう、屋根や窓の形を強調する設計案が採用された。福岡城には天守台の石垣が現存しているが、天守については設計図や絵図などその存在を直接的に示す史料が見つかっていないためだ。途中で建築をやめた、存在しなかった――など様々な説がある。 一方、天守の存在をうかがわせる史料として、黒田長政が部下に対し天守の修理を命じた書状や、天守閣が壊されたといううわさが広がったことを示す書状などが見つかっている。 1 2 3

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