廃線から今年で50年を迎えた旧土佐電気鉄道・安芸線の線路跡や往年の姿を伝える写真集「安芸線探訪 26・8キロ安芸線跡を歩く」を、「高知の電車とまちを愛する会」会員の「と~でん・あき」さんが出版した。自身が6年かけて撮影した写真や、元鉄道マンやファンの提供を受けた計約250点を収録。「あちこちに遺構はあっても、忘れられた存在。記録として残したかった」と話す。(浦一貴)
廃線50年を迎えた安芸線の遺構や往時の様子を伝える写真集
安芸線は1924年12月8日、後免(南国市)―手結(香南市)間の11・8キロで営業を始め、30年には現在の安芸市営球場近くのカリヨン広場まで延伸。戦後に電化され、高知市内への直通もあったが、高度成長期を境に利用は減少。74年3月31日、50年近い歴史に幕を下ろした。 あきさんは、幼い頃を旧赤岡町(現・香南市)で過ごし、線路が自宅前を走っていた。高知市や土佐山田町(現・香美市)の祖父母宅に出かける時、車窓から外を眺めるのが大好きだった。「靴を脱がずにベンチシートに膝立ちしては、母に叱られた」と振り返る。 2022年12月8日には、私家版として50部、今回は改訂新版で、廃線50年の4月1日、200部を発行。枕木や橋台、民家の間を縫うように走る軌道跡、農機具小屋に転用された瓦屋根の駅舎――。安芸市赤野にある橋桁、自転車道に転用された鉄橋はそれぞれ1900年イギリス製、1898年アメリカ製と各写真には解説や略図も添えた。 単なる記録集ではなく、ガイドブックにも活用できるようにと、「影が写らないよう晴れた日を選び、何度も足を運んだ」と語り、「この6年で橋台が三つなくなった。出版に向けたスポンサー交渉でも、『今ないものに何で金出せらぁや』とつれなかった」と時の流れを実感したという。 A4判変型(縦横各216ミリ)で128ページ。税込み2860円。発行はリーブル出版(高知市)で、印刷会社に長年勤めた経験を生かし編集からデザイン、装丁まで手がけた。初版は完売しており、増刷に向けてスポンサーを探している。問い合わせはあきさん(080・8630・9731)。
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