熊本市は、現在133団地に649棟ある市営住宅のうち24団地・102棟を、2031年度までに廃止する方針を明らかにした。老朽化と将来の人口減などを見据えて市営住宅を集約し、維持管理などの負担を軽減させることが狙い。跡地は売却やまちづくりでの活用を検討するという。(有馬友則)廃止の対象となっている熊本市営菅原団地廃止の対象となっている熊本市営菅原団地 階段の手すりにはさびが目立ち、コンクリート製の床にはひび割れも見られる。1957~61年度に建設された菅原団地(中央区菅原町)は3~4階建ての集合住宅4棟からなる。全90戸のうち現在も84戸に入居者がいる。

 菅原団地は、4月8日に公表された「市営住宅長寿命化計画」改定案で、廃止とされた団地の一つだ。市は、このまま人口減が続けば維持管理費の捻出が難しくなり、現在の棟数を維持することは困難と判断。個々の団地の耐用年限(30~70年)や空き室率、災害の危険性、近隣で住宅が確保できるかなどを踏まえて24団地を選定した。 対象となる住宅に入居している約380世帯には、今年度中にまとめる同計画の策定後に個別訪問などで説明し、他の市営住宅や民間の賃貸住宅への住み替えを支援していくとする。しかし住民からは不安の声もあがる。菅原団地で半世紀以上生活している70歳代の女性は「できればずっと住み続けたい。これからどうなるのか」と語った。 改定案では、市の人口が2055年には約3・9万人減の約68・9万人となるとの推計を受けて、同年度までに現在の1万3226戸を8934戸に削減する方針も示している。廃止するだけでなく建て替えによる集約を進めていく。 市住宅政策課の塩田栄一郎課長は「同時期に耐用年限を迎える住宅が多く、全てを建て替えることは財政的にも難しい。入居者への説明は丁寧に行っていきたい」と話している。 計画の改定案は、市ホームページや市役所本庁舎、各区役所などで閲覧できる。8日までパブリックコメント(意見公募)を実施する。問い合わせは同課(096・328・2438)へ。

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