展示販売用の有田焼を紹介するイ・ヒョジンさん 有田焼に魅せられた韓国人の女性が日本への移住を決意し、佐賀県有田町赤絵町にギャラリー兼カフェをオープンした。同町の大学で5年間学び、窯元や地域の人とつながるなかで感じた、「400年の歴史がある一方で、時代にあわせ変わり続ける有田焼のことを多くの人に伝えたい」との思いを実現した。
ソウル育ちのイ・ヒョジンさん(43)。大学でデザインを学んだ後、韓国の電機メーカーの企画部門でデザイナーとして勤務した。 洋服を韓国に輸入する会社を経営する韓国人の男性と結婚し、来日。32歳の頃、九州を旅行した際に佐賀にも立ち寄り、有田焼の祖と呼ばれる李参平が戦国時代、朝鮮半島から連れてこられたことに始まる、韓国とつながる歴史を知り、有田焼の作家になりたいとの夢を持った。 有田町にある佐賀大芸術地域デザイン学部・有田セラミック分野で学ぼうと、福岡市の日本語学校に1年間通った後、外国人向けに入試の準備をする学校でさらに1年間勉強。その間、芸術系の塾にも通った。
イ・ヒョジンさんが学生時代に手掛けた「やきもの立体QRコード」。JR有田駅に設置され、有田観光協会のホームページにつながる 外国人向け入試に合格。学部の4年と大学院の研究生として1年、計5年間、造形や成型などに取り組んだ。磁器製のQRコードのオブジェづくりに携わるなどして、研究者や窯元、焼き物に携わる職人、商社など、様々な人たちとの関わりができた。 作家になる前に、まずは有田焼を広める仕事をしたいと考えるようになり、大学4年生の頃から起業を準備。焼き物店や窯元が並ぶ通りにある鉄筋コンクリート3階建ての、以前有田焼を扱っていた店舗を昨年3月に購入し、改修を経て今年1月にオープンした。 1階では、観光客が持ち帰りやすいよう小品を中心にした現代的な作品や、有名窯元の作品を並べるとともに、有田焼を用いたテーブルセッティングを提案。制作過程で使う絵の具で色づけしたジュエリーや伝統文様のクッキーも並べ、カフェを併設した。2階は新人作家らの作品紹介やワークショップ会場として使う。外国人に和の雰囲気を感じてもらおうと、一部に畳を残した。3階は事務所。
有田町にオープンした「メゾン・ド・アリタ」 店舗名の「メゾン・ド・アリタ」は「有田の家」という意味。有田焼の作家や職人、観光客など、様々な人が集う場所にしたいという思いを込めた。 現在は佐賀市に暮らすが、すでに有田町内に住宅を確保している。ヒョジンさんは「素晴らしい有田焼を生み出しているのに、海外への販路がない小さな窯元も多い。次は、輸出を手伝う仕事がしたい」と、思いを強めている。 定休日は火、水曜。有田陶器市の期間中は無休。問い合わせは、メゾン・ド・アリタ(0955・35・4063)へ。
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