県内 子育て支援拡充へ

 民間有識者らで作る「人口戦略会議」が24日に公表した報告書で、県内30市町村中23市町が若年女性人口の大幅な減少に伴い将来的に「消滅可能性がある」とされた。県内自治体の7割超で、県の担当者は「人口減少を止めるのは難しいが、目を背けず、子育て支援策などを拡充する」と話す。
 報告書は、出産の中心世代である20~39歳の女性人口について、2020~50年の減少率を推計。減少率50%以上を「消滅可能性自治体」とした。県内で指摘された23市町のうち、最も減少率が高いのは九度山町(75・8%)だった。減少率が20%未満の「自立持続可能性自治体」はなかった。
 別の団体が14年に公表した同様の報告との比較では、御坊市、広川町、白浜町が新たに「消滅可能性自治体」に加わった一方、有田川町、印南町、北山村は脱却した。
 自治体は地道に対策を進める。県は今年度、市町村立小中学校の給食費を無償化するなど、子育てしやすい環境整備に躍起となっている。県の担当者は「減少のスピードを少しでも緩められるよう、子育て支援や企業誘致による雇用創出などに取り組む」と述べた。
 九度山町に次ぐ減少率だった紀美野町は、県内で最も手厚い子育て支援を目指し、22年度に「町こども子育て応援宣言」を出し、出産祝い金制度の拡充などに取り組んでいる。担当者は「雇用を求めて転出する人も多いが、子育て世代が町に住み続けたいと思うような施策を行いたい」と語る。
 一方、県都の和歌山市は減少率が30・6%で、「消滅可能性自治体」に入らなかったものの、対策が必要とされた。尾花正啓市長は25日の定例記者会見で「若者の流出に歯止めをかけなければならない」と危機感を示した。東京や大阪などに他地域の人が流入する現状に「都心と地方のバランスが大事。地方での仕事と生活の魅力を和歌山市も含め、各自治体がもっとアピールしていくべきだ」とした。
 市は3月に幹部職員で構成する「人口対策本部」を設け、戦略を練っている。

県内の「消滅可能性自治体」

 海南市、橋本市、有田市、御坊市、田辺市、新宮市、紀の川市、紀美野町、かつらぎ町、九度山町、高野町、湯浅町、広川町、美浜町、由良町、みなべ町、日高川町、白浜町、すさみ町、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町

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