糖尿病患者が安心して利用できるカフェ「IDDM Caffe」が、神戸市兵庫区にある。メニューには糖質量を表示し、インスリンを注入してからの時間を考慮して食事を提供するなどが特徴で、全国各地から客が足を運ぶ。自身も1型糖尿病を抱えるオーナーの遠山朋美さん(53)は「頑張ろうと思えない人、病気だと受け入れられない人、いろいろな人の駆け込み寺のような存在になりたい」と話す。(上田裕子)
来店した客の話を聞き、不安や悩みにも寄り添う遠山さん(神戸市兵庫区で) 「前向きに闘病生活を発信している人を見て、落ち込んだこともある」
店には、遠山さんに日常の出来事や抱えている不安を打ち明ける客が訪れる。北海道帯広市の女性(57)は「地方にいると、糖尿病を抱える仲間を見つけるのも難しく孤独だった。ずっと来たいと思っていた」と思いを語った。 遠山さんがカフェを開いたのは2021年。19年に発症した1型糖尿病の闘病生活がきっかけだった。食事の度に食べ物の糖質を計算し、自身の血糖値を測定して低血糖に陥らないように管理する。血糖値が下がった場合は糖質を摂取する必要があるが、「甘いものを食べていると、『やっぱり糖尿病の人って自分に甘いよね』『食べても大丈夫なの?』と言われ、偏見や誤解が広がっていることを痛感した」という。一人で病気と向き合う患者に、ホッとできる場を提供しようと、カフェを開くことを決意した。 店名には、インスリンの投与が欠かせない糖尿病を示す言葉として使われていた「IDDM」をつけた。糖尿病患者に気軽に訪れてもらおうと、パスタやケーキなどのすべてのメニューに糖質量を明記。食事の15分前にインスリン注入をする客には、注入から約15分後に炭水化物を提供するなどの配慮もする。 北海道や四国など各地からカフェを訪れる客に対し、自身も糖尿病患者だからこそ、遠山さんは心に寄り添い、言葉に耳を傾ける。店に置かれたノートには「心の通院になっている」「遠山さんと話して前向きになれた」などの感想が書き込まれている。遠山さんは「自己肯定感が下がってしまったり、糖尿病に対する誤解で悩んだりする人が多い。病気と向き合ってきた人が心の内をさらけ出せる場所になってきたと思う」と話す。
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