2020年の九州豪雨で被災した熊本県人吉市の漬物製造販売会社「永尾商店」の店舗が、カフェと簡易宿泊施設に生まれ変わった。豪雨の犠牲となった父・誠さん(当時88歳)の後を継いだ3代目社長の永尾
禎規(ていき)
さん(60)は、父の自信作だった漬物を入れたカレーパンを目玉商品に、「豪雨で傷ついた人吉のにぎわいにつなげたい」と意気込んでいる。(山之内大空)
「ながとら」で、スタッフと談笑する永尾さん(右)(21日午後、熊本県人吉市で)=長野浩一撮影 人吉市では20年7月4日未明からの大雨で、市中心部を流れる1級河川・球磨川が氾濫。市内の多くの住宅や農地が泥水につかった。
永尾商店がある同市紺屋町も濁流に襲われた。自宅兼店舗に水が迫り、永尾さんは母のムツ子さん(92)を屋上に避難させたが、認知症を患う誠さんは永尾さんが手を引いても動かず、逃げ遅れて亡くなった。
永尾商店は1934年(昭和9年)、永尾さんの祖父・寅男さんが創業。2代目の誠さんは、球磨焼酎を隠し味に、干した大根を漬けた「人吉
割干漬(わりぼしづけ)
」を開発し、看板商品に仕上げた。
元自衛官の永尾さんは24歳で故郷に戻り、誠さんから漬物づくりを学んだ。2014年に3代目として後を継ぎ、父の味を目指して商店を切り盛りした。しかし、九州豪雨で店舗は泥まみれになった。隣接する相良村にある工場は被災せず、漬物の生産を続けることはできたが、店舗は21年2月に解体された。 永尾さんは市内の仮設住宅に移っても、週に1度は店舗を訪れた。「ここは創業の地。何とかしたい」。3代続いた商店を自分がつぶすわけにはいかなかった。 1 2
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