京都の
花街(かがい)
・宮川町の舞踊公演「京おどり」は、21日に千秋楽を迎えた。最高齢の
芸妓(げいこ)
・
多栄(たえ)
(91)は三味線、「妹」の
多栄之(たえの)
(26)は踊りで連日出演した。
「宮川音頭」が開いた芸妓への道…あこがれを胸に踊る妹、91歳「姉」が見守る
踊りと唄、三味線の芸妓、舞妓の息が合ってこそ輝く舞台は、経験豊富な多栄にも緊張の連続だった。今年が最後になっても悔いがないように――。幕が下りるまで熱のこもったバチさばきで、張りのある音を響かせた。 夜は宴席でひいき客らをもてなす多忙な日々だったが、「3食きっちりと食べて、働かせてもうてる。皆さんと三味線を弾くのが好きやし、勉強させてもらえる」と、充実感に満たされた。 多栄之は昨冬以降、周囲の期待が重圧となる「2年目の壁」に直面し、落ち込むこともあったが、舞台上で優美に踊る先輩の芸妓たちの姿に刺激を受けた。 「美しい所作や映える動き。全部をもっと上達できるようになりたい」。目指す芸の高みを改めて認識し、前向きな気持ちになれた。 公私にわたり、寄り添ってくれる多栄との共演にも、「壮大な舞台で姉さんの演奏で舞わしてもうてうれしおす。気が引き締まり、芸妓さんになれて良かったなと思う」と感激した。
多栄之(右)は多栄に「姉さんも毎日出番で大変やのに、気にかけてくれておおきに」と感謝する(17日、京都市東山区で)=川崎公太撮影
京都は、春の観光シーズンの真っ
只(ただ)
中。得意の英語や中国語を生かし、訪日外国人客(インバウンド)の宴席などでおもてなしが続く。
そんな「妹」に、多栄は目を細めて言う。「何でも必死に取り組むのはええところ。一人前になれるよう頑張りや」 多栄はもう、次の舞台を見据えている。
上方舞山村流六世宗家・山村友五郎(59)が5月3日に国立文楽劇場(大阪市中央区)で開く舞踊公演「
舞扇会(ぶせんかい)
」に出演する。
演目は「南地大和屋へらへら踊り」。多栄がかつて芸妓を務めた大阪・宗右衛門町の老舗料亭「南地大和屋」で踊りや三味線を披露したお座敷芸。「ヘラヘラーヘ」といった歌詞に逆立ちもあり、人間国宝だった落語家・桂米朝がひいきにした。三味線は「当時を知る芸妓さんでないと空気感が出ない」と友五郎の知人だった多栄に白羽の矢が立った。
多栄は「お座敷がワーッと盛り上がった往時の雰囲気を伝えたい」と、意欲を見せ、24日から稽古に加わる。年を重ねても精力的に活動する多栄の姿が、多栄之にはまぶしく映る。(敬称略)(おわり。この連載は、編集委員 木須井麻子が担当しました)#kyoto特集へ
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