10年近く空き家となっていた宮崎県三股町樺山の戸建て住宅が、不登校の子ども向けの体験イベントなどを行う交流の場として生まれ変わった。改修したのは、この家で育った女性が代表を務める団体「Base 谷の
杜(もり)
から」。敷地内にある森を生かし、子どもたちの冒険心をくすぐるツリーハウスや遊具も整備。昨年度は20回以上のイベントが行われ、延べ約400人が利用したという。(木村歩)
ツリーハウスからの眺めなどを紹介する内窪さんツリーハウスからの眺めなどを紹介する内窪さん 住宅があるのは町役場から車で5分ほどの自然豊かな場所。木造平屋の建物のそばに様々な野菜が育てられている畑があり、周囲にはスギやクリが立ち並ぶ森が広がる。

 「元々は雨漏りがしたり、敷地内で草取りをしたりと、正直、苦労しか感じなかった場所。それが子どもたちの笑顔が見られる喜びの場所に変わりました」。団体代表の内窪弘子さん(68)が笑顔で教えてくれた。 この住宅から少し離れた三股町内に暮らす内窪さんと夫の福一さん(68)にとり、誰も住まなくなった実家の管理は悩みだった。転機は約4年前。当時、町社会福祉協議会に勤めていた内窪さんに、不登校の子どもたちを支援する民間団体や同社協から、実家の建物や畑を使わせてもらえないかと相談があった。 内窪さんは少しでも役立つならと快諾。「子どもたちが来てくれるなら遊び場が必要」と、福一さんと力を合わせ、森の草を刈ってブランコを製作。最上部までの高さが10メートルあるツリーハウスも業者に頼んで作った。上階の部屋には子ども数人が中に入れ、縄ばしごで行き来できるなどワクワク感を高める構造とした。 こうした改修を施し、イベントスペース「Base 谷の杜から」と命名。2022年秋から民間団体などに貸し出すようになり、不登校の子どもや家族による交流会、干し柿作り、たき火イベントが開かれた。内窪さんらもこども食堂や、そば打ち体験のイベントを行うようになった。内窪さん夫婦が作ったブランコ内窪さん夫婦が作ったブランコ 「谷の杜から」のメンバーの一人(51)は「不登校の子どもたちを対象とした取り組みでは、みんな笑顔で楽しんでくれている」と話す。 記者が訪れた今月中旬、畑には子どもたちが植え付けたジャガイモ、タマネギ、ブルーベリーが育っていた。ツリーハウスなどは普段から気軽に遊びに訪れる空間になっているという。内窪さんは「ほんの少しのきっかけでこんなに人が集まってくれるようになった。うれしいですね」と頬を緩めた。 内窪さんたちは今年度、森の中にある古い木々を伐採して幼児らに年輪などを見てもらう体験会を計画。森の一部を舗装し、そこをキャンバスに見立てて子どもたちに自由に絵などを描いてもらうアート活動も行いたいという。内窪さんは「多くの人が集う場所、自主性を伸ばせる場所として活用してもらえるよう、遊び場の充実を図りたい」と話している。 イベントスペース「Base 谷の杜から」の体験会などでの貸し出し料は1日1000円。問い合わせは内窪さん(090・4514・9919)へ。

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