ファミレス店員が気を利かして「03」と盛ったライスを持ってきた時、角田(中央)はこう思ったという。「ちょっとご飯、減ってるんじゃないかな」(左は豊本、右は飯塚)=佐藤俊和撮影
トリオを結成し、キングオブコントを制するまでに6年。下積みの苦しさよりも、とにかく楽しかったという。「ウケるために
忖度(そんたく)
したり勝ち負けを気にしたりもなく、自分たちが面白いと思えることをやれている実感が湧いた」と
角田(かくた)
晃広は振り返る。
コロナ禍以降は主に飯塚悟志がネタ作りを担うが、以前は角田との共作が多かった。近所のファミレスに集合し、向かい合って座る。ルーズリーフに角田がボケを書き、飯塚に渡す。飯塚がツッコミを書き加えて、角田に戻す。この紙のラリーを何往復も続けていく。 角田は長考タイプだ。「う~ん」と何時間も悩んでも、飯塚はひたすら待った。その間に定食を注文すると、見知った店員が「03」という形に盛ったライスを運んできて、そっとエールを送ってくれた。ようやくコント1本が完成した時にご褒美として飲むファミレスのビールは、格別だった。 2人から新作を受け取るたび、豊本明長は「これ、やってみたい」とワクワクした。作り、演じながら自分たちでクスッとできるネタがしっかりとライブでもウケる。徐々に大きくなる手応えは、「コント日本一」として結実した。◎ 「テレビにもっと出たいと思ってるんじゃないよな?」。キングオブコント優勝の直後、所属事務所の当時の社長にそう投げかけられた。浮足立ってもおかしくなかったあの頃、東京03の初心は何かを思い出させてくれたのかもしれない。3人は即答した。「いや、ライブやっていきますよ!」 今や3人とも俳優としてドラマや映画に引っ張りだこになり、バラエティー番組のMCなどもこなすようになった。それでも変わらずライブが活動の柱であり、原動力だ。豊本は「コントで色々な役を演じられたらなと。芝居の現場で勉強させてもらったことも、コントに生かしたくて」と話す。 今年も5~8月、単独ライブ「腹割って腹立った」で、東京、北海道、愛知、石川、広島、大阪など13か所を巡る。「お笑いの最大の魅力はやっぱりお客さんの生の笑い声なんですよ」と角田はしみじみ言う。 もはや中堅とも言えない世代になった。これから何かを変えるつもりはない。60歳、70歳でも、自分たちが面白いと思うコントで目の前のお客さんを笑わせたい。「全員がおじいちゃんになっても、くだらないことをして笑っていられたら楽しいだろうな。年を取れば取るほど面白いことができるはず」と飯塚。小さいようで大きな野望が東京03の夢である。(池内亜希) (おわり)
![[舞台] [週刊エンタメ]STORY・東京03 お笑いトリオ<4>もっとTVに?いや、ライブで! [舞台] [週刊エンタメ]STORY・東京03 お笑いトリオ<4>もっとTVに?いや、ライブで!](https://www.walknews.com/wp-content/uploads/2024/04/1713545895_20240411-OYT8I50049-1-1024x576.jpg)