ホンダは2026年11月3日、イタリア・ミラノで開催中のEICMA 2026(ミラノショー)で、大型アドベンチャー「Africa Twin(アフリカツイン)」シリーズの2027年モデル「CRF1150L Africa Twin」を世界初公開した。先代CRF1100L(欧州仕様)の1,084ccから排気量を1,131ccに拡大し、最高出力は87.5kW、最大トルクは119N・mに向上。従来の「Africa Twin」「Africa Twin Adventure Sports」に、オフロード性能を高めた新グレード「Africa Twin Enduro Sports」を加えた3タイプ構成で、Adventure Sportsには、ホンダの二輪車として初めて先進安全運転支援システム「Honda SENSING RIDE」を搭載した仕様も設定される。価格と発売時期は未発表だ。
![]()
ニュースを見逃さないために
WebikeプラスをGoogleで「お気に入り」に登録すると、最新記事やニュースが検索でより多く表示されます。リンクを開いて選択を確定するだけ: WebikeプラスをGoogleで優先する
10年目のフルモデルチェンジ。3タイプで展開する新世代アフリカツイン

CRF1150L Africa Twin(マットサンドストームベージュ)
アフリカツインは2016年モデルの「CRF1000L Africa Twin」として復活した。ホンダ欧州によると、復活後は欧州の1000cc超アドベンチャーセグメントで2番目に人気のモデルとなり、累計販売台数は12万台を超える。2027年モデルの「CRF1150L Africa Twin」シリーズは、それから10年目のフルモデルチェンジにあたる。
開発コンセプトは「Shaped by You. True Adventure for All(ライダーの想いをかたちに。すべての人に、真のアドベンチャーを。)」。排気量の拡大で動力性能を高めるとともに、各部の軽量化と低重心レイアウトの採用で、扱いやすさとトータルバランスを引き上げたという。
ラインナップは、オフロード性能とツーリング性能を両立したスタンダードの「CRF1150L Africa Twin」、24.2Lの大型燃料タンクと19インチフロントホイールを備えた長距離ツーリング向けの「CRF1150L Africa Twin Adventure Sports」、そしてダカールラリー参戦マシン「CRF450 RALLY」譲りのフロントサスペンションを持つ新設定の「CRF1150L Africa Twin Enduro Sports」の3タイプ。いずれも6速マニュアルとDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)を選べる(Honda SENSING RIDE搭載車はDCTのみ)。
スタンダードのCRF1150L Africa Twinは、電動調整式スクリーン、ホンダ・スカイフック制御付きの電子制御サスペンション「SHOWA EERA」、ホンダスマートキーなどを標準装備する。欧州仕様のカラーは、新色の「パールグレアホワイト(トリコロール)」と「マットサンドストームベージュ」の2色だ。

CRF1150L Africa Twin(マットサンドストームベージュ)

CRF1150L Africa Twin(パールグレアホワイト/トリコロール)
価格・発売時期は未発表。国内の現行アフリカツインは225万5000円
欧州仕様のプレスリリースに、価格と発売時期の記載はない。日本への導入についても、現時点では発表されていない。
参考までに国内の現行モデルを見ると、2026年モデルとして販売されたのは「CRF1100L アフリカツイン アドベンチャースポーツ ES デュアル・クラッチ・トランスミッション」のみで、価格は225万5000円。受注期間限定(2026年1月23日〜6月1日)のモデルで、年間販売計画台数は300台とされた。
スタンダードを含む4タイプがそろっていた2024年モデルの国内価格は次のとおりだ。
CRF1100L Africa Twin<S>:163万9000円
CRF1100L Africa Twin Dual Clutch Transmission<S>:174万9000円
CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES:194万7000円
CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES Dual Clutch Transmission:205万7000円
ボアを2mm拡大して1,131ccに。最高出力は16.5%アップの87.5kW

排気量を1,131ccに拡大した水冷並列2気筒エンジン(DCT仕様)
エンジンは水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒。ストローク81.5mmはそのままにボアを2mm拡大して94.0mmとし、排気量は先代(欧州仕様)の1,084ccから1,131ccとなった。圧縮比は10.5から12.1へ、スロットルボディ径は46mmから52mmへ拡大。吸気経路、カムタイミングとリフト量、バルブスプリング、ピストン、コンロッド、クランクシャフトまで見直されている。
最高出力は75kW/7,500rpmから87.5kW/7,500rpmへ16.5%向上し、最大トルクは112N・m/5,500rpmから119N・m/5,750rpmとなった。国内仕様の現行モデル(排気量1,082cc)も75kW(102PS)/112N・mで、新型はこれを出力で12.5kW、トルクで7N・m上回る。MT車は新しいクラッチとギア比を採用し、加速の鋭さと高速巡航時の回転数低減を両立した。270度位相クランクによる不等間隔爆発の特性は継承している。
ライディングモードは「SPORT」「TOURING」「URBAN」「RAIN」「OFFROAD」と新設の「OFFROAD+」の6種類に刷新され、すべてのモードで個別の調整ができるようになった。7段階のHSTC(ホンダ・セレクタブル・トルク・コントロール)やウイリーコントロールは6軸IMUで制御する。DCTはOFFROAD/OFFROAD+モード向けの変速制御や、勾配に応じて変速パターンを変える坂道検知を備える。
シート下のサブタンクで低重心化。電子制御サスはスカイフック制御付きに
フレームはスチール製のセミダブルクレードル、スイングアームはアルミ製。剛性バランスを見直し、フレームで0.8kg、スイングアームで0.6kg、合わせて1.4kgを軽量化した。燃料タンクは分割式とし、一部をシート下のサブタンクに収めて重心を下げている。この配置は、1986〜1989年のパリ・ダカールラリーで4連覇したHRCの「NXR750」にならったものだという。スタンダードの燃料タンク容量は18.8Lで、航続距離は約370km(MT車・WMTCモード燃費5.1L/100km)となる。
スタンダードでは、これまでオプション扱いだった電子制御サスペンション「SHOWA EERA」が標準装備となり、アドベンチャースポーツとともにホンダ・スカイフック制御を新たに採用した。フロントフォークは先代のφ45mmからφ49mmの倒立式に変更。スタンダードのストロークは前220mm、後210mmと先代から10mm短くなり、シート高(850/870mm)をさらに10mm下げる「Minimum」設定も加わった。装備重量はスタンダードのMT車で237kg、DCT車で247kg。国内で販売された2024年モデルの<S>は、MT車231kg、DCT車242kgだった。

5.7インチの車両情報ディスプレイと7インチのTFTタッチスクリーンを組み合わせた新メーター
メーターは、5.7インチの車両情報ディスプレイと7インチのフルカラーTFTタッチスクリーンを組み合わせた新設計で、起動時間は約70%短縮の5秒。オフロード用の表示とコンパス機能も備え、Apple CarPlay/Android Autoはワイヤレス接続に対応した。電動スクリーンは130mmの上下調整が可能で、ヘッドライトはコーナリングライトとデイタイムランニングライトを内蔵した新しい2灯式LEDとなる。
ライディングポジションは、ハンドルを10mm狭く、10mm高く前方へ、ステップを20mm内側・10mm後方へ移した。燃料タンクカバー内にはUSB-Cソケット付きのスマートフォン収納を新設。スマートキーはイグニッション、ハンドルロック、給油口に対応し、クルーズコントロール、グリップヒーター、ナックルガード、アルミ製リアキャリアも標準装備だ。
アドベンチャースポーツは24.2Lタンクと前19インチ。最上位に「Honda SENSING RIDE」仕様

CRF1150L Africa Twin Adventure Sports(パールグレアホワイト/トリコロール)

CRF1150L Africa Twin Adventure Sports(マットバリスティックブラックメタリック)
CRF1150L Africa Twin Adventure Sportsは、大型スクリーンと容量24.2Lの燃料タンク(航続距離約480km)、19インチのフロントホイールを備えた長距離ツーリング仕様。タイヤサイズは前110/80R19、後150/70R18で、サスペンションストロークは前210mm、後200mm。シート高は先代より5mm低い830/850mmで、Minimum設定ならさらに5mm下がる。新たに前後のブレーキ配分を電子制御する「E-Combined ABS」と、坂道での停車時にブレーキ圧を保持して後退を防ぐ「ビークルホールドコントロール(VHC)」も採用した。装備重量はMT車245kg、DCT車255kg。国内の現行アドベンチャースポーツES DCTは、装備重量253kg、シート高840mm(ローポジション820mm)、燃料タンク容量24Lだ。
カラーは新色の「パールグレアホワイト(トリコロール)」と「マットバリスティックブラックメタリック」の2色で、Honda SENSING RIDE仕様にも同じ2色が設定される。
前後のミリ波レーダーで支援する「Honda SENSING RIDE」

CRF1150L Africa Twin Adventure Sports Honda SENSING RIDE
シリーズの最上位となる「CRF1150L Africa Twin Adventure Sports Honda SENSING RIDE」は、ホンダの二輪車として初めて先進安全運転支援システム「Honda SENSING RIDE」を搭載する。車体の前部と後部に1基ずつ備えたミリ波レーダーで周囲の状況を捉え、通知や警告、操作支援を行うシステムだ。DCT専用の設定で、DCTとの組み合わせにより、ACC(アダプティブクルーズコントロール)使用時に先行車に合わせた停止までを支援する(ストップ&ゴー。再発進にはライダーの操作が必要)。装備重量は256kg。
主な機能は、ストップ&ゴー機能付きのACC、グループライドアシスト、先行車との距離を調整するディスタンスアシスト、前方衝突警告、エマージェンシーアシスト、ブラインドスポットインフォメーション、後方車両接近通知、後方衝突警告など。ブラインドスポットインフォメーションは、後側方から接近する車両の存在をミラーに内蔵したLEDで知らせる。
新設定「エンデューロスポーツ」はCRF450 RALLY譲りのフォークで最低地上高260mm

CRF1150L Africa Twin Enduro Sports(エクストリームレッド)

CRF1150L Africa Twin Enduro Sports
CRF1150L Africa Twin Enduro Sportsは、スタンダードとエンジン、フレーム、スイングアーム、ライディングポジション、電子制御や情報表示系を共有しながら、オフロード走行に特化させた新グレード。フロントにはCRF450 RALLYと同等スペックのショーワ製φ49mmクローズドカートリッジ倒立フォーク(フルアジャスタブル)を採用し、リアもフルアジャスタブルのショーワ製モノショックをプロリンクで組み合わせる。ストロークは前240mm、後230mm、最低地上高は260mmで、いずれもスタンダード(220mm/210mm/240mm)を上回る。
装備重量はMT車で228kg、DCT車で239kgと、スタンダードよりMT車で9kg軽い。シート高は870/890mm、軸間距離は1,585mm、燃料タンク容量は18.8L(航続距離約370km)。デザインはHRCのラリーマシンに通じる「CRFストリームライン」を採用し、フロントフェンダーをハイマウント化したうえで、コンパクトな2灯式LEDヘッドライトとスリムなスクリーンを組み合わせた。スマートキーとクルーズコントロール、ナックルガードは標準装備。カラーは専用の「エクストリームレッド」1色だ。
Honda:<EICMA 2026>大型アドベンチャーモデル「CRF1150L Africa Twin」シリーズを世界初公開
2024年モデルはミラノ発表の翌春に国内発売。新型アフリカツインの国内導入はあるか!?
アフリカツインは2016年の復活以来、国内でも販売が続いてきたモデルだ。前回の大きな改良となった2024年モデルは、2023年10月のミラノショーで欧州仕様が発表され、国内ではスタンダード(<S>)とアドベンチャースポーツESの計4タイプが2024年3月21日に発売された。2026年モデルも、受注期間限定ながらアドベンチャースポーツES DCTが国内で販売されている。
欧州では2025年、アフリカツインの販売の49%(アドベンチャースポーツは68%)をDCT車が占めた。Honda SENSING RIDEは、そのDCTと組み合わせて機能するシステムだ。国内向けの仕様や価格はまだ明らかになっていないが、2024年モデルの前例もある。新型アフリカツインの国内導入はあるか!?
ホンダ CRF1150L Africa Twin(2027年・欧州仕様)主要諸元
全長×全幅×全高:2,330mm×945mm×1,415mm/1,535mm
軸間距離:1,575mm
最低地上高:240mm
シート高:850mm/870mm(Minimum設定で10mmダウン)
装備重量:237kg(DCT 247kg)/Adventure Sports 245kg(DCT 255kg・Honda SENSING RIDE 256kg)/Enduro Sports 228kg(DCT 239kg)
エンジン:水冷4ストロークOHC(ユニカム)4バルブ並列2気筒 1,131cc(ボア×ストローク94.0×81.5mm・圧縮比12.1)
最高出力:87.5kW/7,500rpm
最大トルク:119N・m/5,750rpm
燃料タンク容量:18.8L(Adventure Sports 24.2L)
変速機形式:6速リターン(DCTは電子式6段変速)
ブレーキ形式(F/R):φ310mmダブルディスク(ニッシン製ラジアルマウント4ピストン)/ φ256mmシングルディスク(ニッシン製1ピストン)
タイヤサイズ(F/R):90/90-21M/C 54H / 150/70R18M/C 70H(Adventure Sports 110/80R19M/C 59V / 150/70R18M/C 70H)
販売価格:未発表
ギャラリーへ (10枚)

ホンダがアフリカツイン・アドベンチャースポーツの新色を2月19日に発売! タフなグレーを纏った受注期間限定モデル
2026.2.9
ホンダは、大型アドベンチャーモデル「CRF1100L アフリカツイン アドベンチャースポーツ ES デュアル・クラッチ・トランスミッション」のカラーリングを変更し、2026年2月19日にホンダドリームより発売する。今作は受注期間限定のモデルとなっており、タフな印象を際立たせた新色を採用した。 タフで…

【新車】トルク向上&外装変更でパワーアップ!「CRF1100L アフリカツイン/アドベンチャースポーツES」3/21発売 価格据え置き163万9000円から【モーターサイクルショー2024】
2024.2.29
ホンダから大型アドベンチャースポーツ「CRF1100L Africa Twin<S>(アフリカツインS)」の2024年モデルが発売される。さらにビッグタンクを装備する「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES(アフリカツイン アドベンチャースポーツES)」、そ…

【海外新車】新型CRF1100LアフリカツインASが前19インチに小径化! シート高15mmダウン【ミラノショー2023】
2023.10.4
ホンダが欧州で2024年新型CRF1100Lアフリカツインシリーズを発表した。エンジンの改良でトルクアップを果たしただけでなく、アドベンチャースポーツ(AS)はフロント19インチホイールを新たに採用した。 アッパーカウルのデザインも変更された CRF1100Lアフリカツインの2024年モデルが欧州で…
