神奈川県ホテルの推定成約ADR、2026年9月はシティ+15.8%・ビジネス+6.5%へ反転 — 5連休と前年の谷が作った伸び、10〜12月の下限レートの置き方

神奈川県のホテルの推定成約ADRは、確定した2026年9月にシティホテルが¥14,932(N=42)と前年同月の¥12,890(N=40)から+15.8%、ビジネスホテルが¥9,249(N=209)と前年の¥8,685(N=210)から+6.5%となり、8月に両業態そろって前年を割った流れ(シティ−3.3%・ビジネス−4.8%)から一転して伸びに戻った。9月の反転は需要が急に強まったというより、9月19日(土)から23日(水)まで続いた5連休が月の稼働を押し上げたことと、前年9月が8月から大きく水準を落とした「谷」の月だったことが重なった結果と読める。本稿では確定月同士の前年比を1〜9月まで並べ、9月の反転を曜日配列・連休・前年水準の3点に分解したうえで、10〜12月の下限レートをどこに置くかを整理する。

対象: 神奈川県 シティホテル N=42施設・ビジネスホテル N=209施設(2026年9月の推定成約ADR算出対象)。本記事の価格指標は推定成約ADR(OTA等の販売データから推定される成約価格水準・税抜相当・月次)、稼働率はOTA掲載在庫ベースの推定値。いずれも定義は記事末尾。データ時点: 2026年10月24日(ブッキングカーブの最新観測日は10月23日)。

本記事のデータについて
• ADR(平均客室単価)=各施設がOTA上で公開する最安プラン水準(2名1室利用時・1室あたり料金・税込)に業態別の補正係数を適用して算出した推定成約単価(税抜相当)。上場ホテルREITが開示する物件別実績との照合(91施設・直近3ヶ月間)で誤差中央値は約7%。推定値であり、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なります。
• エリア(都道府県・市区町村)単位のADRは、対象施設の推定成約単価の中央値(エリアの標準的な施設の水準)です。
• 掲載価格に言及する箇所は、2名1室利用時の1室あたり料金(税込)です。
• OCC(稼働率)=エリア内の総客室数に対する販売済み客室数の割合(OTA販売在庫に基づく推定値)。
• 出典:メトロエンジンリサーチ(国内約168,000施設のOTA公開価格を継続追跡、うち稼働確認済み約27,000施設)

Key Takeaways

— シティ+15.8%・ビジネス+6.5%:確定した2026年9月の推定成約ADRはシティ¥14,932(N=42)、ビジネス¥9,249(N=209)。8月の前年割れ(−3.3%・−4.8%)から両業態そろって反転した。
— 伸びの大半は前年9月の「谷」:前年はシティが8月¥15,180から9月¥12,890へ水準を落としたが、2026年は8月¥14,683・9月¥14,932とほぼ横ばいだった。
— 5連休が稼働を底上げ:2026年9月19〜22日泊の推定OCC(OTA掲載在庫ベース)はシティ93.5%・ビジネス92.6%で、それ以外の日を9.2pt・6.4pt上回った。
— 11月は3連休が前年より一つ少ない:単独祝日の11月3日(火)は直近観測でシティ78.6%・ビジネス68.4%と、連休日より販売余地が大きい。
— 下限レートは前年確定値で置く:前年確定値はシティ10月¥14,774・11月¥17,474・12月¥14,801。10〜12月の現時点推定値は上側の参考にとどめる。

確定9か月の前年比 — シティは二桁の伸びが一巡し、夏に一度マイナスへ

まず確定月(過去月・確定値)同士の前年比を1月から9月まで並べると、シティホテルは1月+36.3%、2月+20.1%、3月+13.5%、4月+19.7%、5月+13.2%、6月+20.9%と上期を通じて二桁の伸びを保ったあと、7月に+3.9%へ減速し、8月に−3.3%と初めて前年を割った。これに対しビジネスホテルは1月+7.2%、4月+8.4%を高値に、6月−1.7%、7月−0.9%、8月−4.8%と夏場に3か月連続で前年を下回っており、シティより早く伸びが止まっていた。両業態の前年比の差は1月に29.1ptあったものが8月には1.5ptまで縮まり、価格の伸びを牽引してきたシティの優位が夏にかけて薄れていた形になる。この二極化が始まった6月時点の構図は、シティ+20.9%の裏でビジネスは−1.7% — 神奈川のホテル、推定成約ADRはなぜ二極化したかで詳しく分析している。

そのうえで9月は、シティが¥14,932で+15.8%、ビジネスが¥9,249で+6.5%と、両業態がそろってプラスに戻った。前回の月報(2026年8月分)で「二桁YoYが一巡した」と整理した直後の反転であり、この伸びが需要の再加速なのか、前年の形に起因するものなのかの見極めが、下期のレート設計を左右する。

神奈川県 推定成約ADRの前年比(確定月・2026年1〜9月)
月シティ 2026(N)シティ 2025(N)前年比ビジネス 2026(N)ビジネス 2025(N)前年比

1月¥15,665(40)¥11,490(40)+36.3%¥8,924(210)¥8,326(212)+7.2%
2月¥14,804(40)¥12,322(42)+20.1%¥8,921(212)¥8,756(213)+1.9%
3月¥15,007(40)¥13,225(42)+13.5%¥9,543(213)¥8,981(213)+6.3%
4月¥17,100(42)¥14,281(41)+19.7%¥10,250(212)¥9,459(213)+8.4%
5月¥16,482(42)¥14,564(41)+13.2%¥9,635(211)¥9,385(213)+2.7%
6月¥15,806(42)¥13,075(41)+20.9%¥8,805(210)¥8,958(212)−1.7%
7月¥15,002(42)¥14,437(41)+3.9%¥9,128(210)¥9,212(212)−0.9%
8月¥14,683(42)¥15,180(40)−3.3%¥9,274(210)¥9,746(212)−4.8%
9月¥14,932(42)¥12,890(40)+15.8%¥9,249(209)¥8,685(210)+6.5%

神奈川県・推定成約ADR(税抜相当・月次)。確定月同士の比較。括弧内は算出対象施設数。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

シティホテルの年重ね — 2026年9月は8月の水準をほぼ保ち、前年の谷を上回った

シティホテルの月次推移を2025年と2026年で重ねると、反転の構造が見えてくる。前年2025年は8月¥15,180をピークに9月¥12,890へと一気に水準を落としており、この9月は同年2月(¥12,322)以来の低い月だった。一方の2026年は8月¥14,683、9月¥14,932とほぼ横並びで推移し、夏から秋への「段差」が生じなかった。つまり+15.8%という伸び幅のうち大半は、2026年の9月が高かったというより、比較対象の前年9月が低かったことによって生まれている。実際、2026年9月の¥14,932は同年4月の¥17,100や6月の¥15,806を下回っており、年内の水準としては中位にとどまる。

神奈川県シティホテル・推定成約ADR(税抜相当)。実線=確定値、点線=現時点の販売状況に基づく推定(10〜12月、N=40〜41)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

10月以降の点線は現時点の販売状況に基づく推定値で、10月¥17,214(N=41)、11月¥16,440(N=41)、12月¥17,326(N=40)と出ている。これらは販売中の価格から推定した水準であり、月末に確定する値とは基準が異なるため、前年確定値(10月¥14,774・11月¥17,474・12月¥14,801)との単純比較は月末の確定を待つのが筋だろう。ただ、前年の11月が年間で最も高い月だったという形は、下期の下限レートを置くうえでそのまま参照できる事実になる。

ビジネスホテルの年重ね — 夏の3か月マイナスを9月に一気に埋めた

ビジネスホテルも構図は同じで、前年2025年は8月¥9,746から9月¥8,685へ水準を落としたのに対し、2026年は8月¥9,274、9月¥9,249と横ばいを保った。その結果、6〜8月に−1.7%・−0.9%・−4.8%と続いた前年割れが9月に+6.5%へ振れた。シティとの違いは振れ幅の小ささにあり、ビジネスは前年比の幅が年初から+8.4%〜−4.8%の範囲に収まっている。価格帯が¥9,000前後で安定している業態だけに、連休や前年の形による前年比の振れも相対的に小さいといえる。

神奈川県ビジネスホテル・推定成約ADR(税抜相当)。実線=確定値、点線=現時点の販売状況に基づく推定(10〜12月、N=201〜204)。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ビジネスホテルの10〜12月の推定値は10月¥12,098(N=204)、11月¥11,661(N=204)、12月¥11,721(N=201)で、確定している9月の¥9,249から見ると水準が大きく上に跳ねている。これは確定値と推定値の算出基準の継ぎ目で生じるもので、販売中の価格は宿泊日に近づくにつれ下方に動くことが多いため、この差をそのまま「10月は3割上がる」と読むのは適切ではない。前年比を組むのは確定値同士に限り、推定値は上側の参考水準として扱いたい。

9月の反転を3点に分解する — 曜日配列・5連休・前年の水準

では、両業態がそろって9月に反転した要因を、曜日配列・連休・前年の水準の3点に分けて見ていく。第一に曜日配列だが、2025年9月と2026年9月はいずれも土日が8日ずつで、週末の数そのものに差はない。第二に連休の形が異なる。2025年9月は敬老の日が15日(月)で9月13〜15日の3連休、秋分の日が23日(火)の単独休日という配列だったのに対し、2026年9月は敬老の日が21日(月)、秋分の日が23日(水)で、間の22日(火)が国民の休日となり、9月19日(土)から23日(水)までの5連休が生まれた。

この5連休が稼働に与えた影響は、OTA掲載在庫ベースの推定OCCで確認できる。2026年9月のシティホテル(対象27〜29施設・5,162〜6,071室)は月平均85.5%に対し、9月19〜22日泊の4日間は平均93.5%と、それ以外の日の平均84.3%を9.2pt上回った。9月22日(火)泊は97.1%と月内最高で、販売枠がほぼ尽きた状態だったことになる。ビジネスホテル(対象115〜124施設・15,719〜16,651室)も月平均87.0%に対し、同4日間は平均92.6%とそれ以外の86.2%を6.4pt上回り、連休が業態を越えて稼働を押し上げたと読める。連休最終日の9月23日(水)泊はシティ79.6%(9月1日の74.3%に次ぐ月内2番目の低さ)、ビジネス74.4%(月内最低)まで落ち、翌日が平日となる最終夜の弱さも例年どおりに出ていた。

神奈川県・2026年9月の日別推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。シティ27〜29施設・ビジネス115〜124施設。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

第三の前年水準については、すでに年重ねで見たとおりである。前年9月はシティ・ビジネスとも8月から大きく水準を落とした月だったのに対し、2026年9月は8月の水準を維持した。5連休が月の稼働を底上げしたことで、価格を落とさずに9月を終えられたと解釈でき、連休という需要要因と前年の谷という比較基準の要因が同時に働いた結果が、シティ+15.8%・ビジネス+6.5%という数字だといえる。したがって、この伸び率をそのまま10月以降の期待値に置き換えるのは早計であり、むしろ「連休がなければ前年比はどこまで縮んだか」を自館の数字で想定しておくことが下期の価格設計につながる。なお、5連休が9月の前年比を押し上げた構図は神奈川に限ったものではなく、ビジネスホテルの推定成約ADR、2026年9月は44都道府県が前年超え・中央値+7.9%が全国47都道府県の分布として整理している。

神奈川県 2026年9月泊の曜日別推定OCC
曜日(2026年9月泊)シティ 推定OCCビジネス 推定OCC

月曜84.4%85.8%
火曜85.9%89.5%
水曜82.4%87.1%
木曜82.2%86.5%
金曜86.0%85.9%
土曜91.9%90.2%
日曜86.6%83.6%
月平均85.5%87.0%

曜日別は各曜日の日別推定OCCの単純平均。日曜には連休中の9月20日を含む。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

曜日別に見ると、シティは土曜91.9%に対し月〜木曜の平均が83.8%で、週末と平日の差が8pt強ある。ビジネスは土曜90.2%と火曜89.5%が並び、最も低いのは日曜の83.6%で、出張需要が厚い火曜と観光需要の土曜が二つの山を作る形だった。この曜日の形は、10月以降に下限レートを曜日別に階段化する際の土台になる(連休を除いた曜日別の谷の見方は宮城のビジネスホテル、9月は木曜95.2%・日曜86.4%も参考になる)。

10月の進捗と11月のブッキングカーブ — 連休日は埋まり、平日と単独祝日に余地が残る

続いて、10〜12月のレートを考える材料として現時点の進捗を確認する。10月1〜24日泊の推定OCCは、シティ(対象26〜27施設・5,112〜5,162室)が平均90.2%、ビジネス(対象118〜122施設・16,025〜16,510室)が平均92.6%で、9月の月平均(85.5%・87.0%)を上回る水準で推移している。曜日別ではビジネスの水曜96.7%・木曜97.2%が目立ち、週央の出張需要が厚い一方、月曜は84.8%と最も低い。シティは土曜96.3%が最高で、月曜83.7%が最低だった。10月は土日が9日と前年の8日より1日多く、12日(月)のスポーツの日を含む3連休もあった月で、カレンダーの追い風が稼働に表れた形といえる。

11月については、宿泊日の45日前から直近(10月23日)までの観測に基づくブッキングカーブで5つの宿泊日を比べた。11月21日(土)の3連休初日はシティが45日前93.9%から直近(29日前)96.0%、ビジネスが93.4%から97.5%と、すでに販売枠がほとんど残っていない。11月22日(日)もシティ90.7%・ビジネス84.6%(30日前時点)まで進んでおり、連休中日の販売はおおむね済んでいる。これに対し11月3日(火・文化の日)は単独の祝日で、シティが45日前59.7%から直近(11日前)78.6%、ビジネスが49.9%から68.4%と、3連休初日の11月21日(シティ96.0%・ビジネス97.5%)より17〜29pt低い位置にある。平日の11月11日(水)はシティ85.2%・ビジネス79.9%(19日前時点)で、残り3週間を切った段階としては悪くない進捗である。

神奈川県 11月宿泊日のブッキングカーブ(推定OCC・最新観測日2026年10月23日)
宿泊日業態45日前30日前直近観測(残り日数)上積み

11/3(火・文化の日)シティ59.7%67.3%78.6%(11日前)+18.9pt
ビジネス49.9%56.2%68.4%(11日前)+18.5pt
11/11(水)シティ70.6%76.0%85.2%(19日前)+14.6pt
ビジネス58.9%69.2%79.9%(19日前)+21.0pt
11/21(土・3連休初日)シティ93.9%96.0%96.0%(29日前)+2.1pt
ビジネス93.4%97.6%97.5%(29日前)+4.1pt
11/22(日・連休中日)シティ87.1%90.7%90.7%(30日前)+3.6pt
ビジネス79.5%84.6%84.6%(30日前)+5.1pt
11/28(土)シティ83.3%—87.1%(36日前)+3.8pt
ビジネス71.9%—78.0%(36日前)+6.1pt

推定OCC(OTA掲載在庫ベース)。シティ26施設・5,112室、ビジネス118施設・16,025室の固定コホート。上積みは45日前から直近観測までの差。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

ここまでを整理すると、11月は3連休の2晩がすでに高水準で埋まり、残る販売余地は11月3日のような単独祝日と平日、そして連休翌週の土曜(11月28日はシティ87.1%・ビジネス78.0%、36日前時点)にある。前年の11月は11月1〜3日と22〜24日の二つの3連休を持つ月だったが、2026年の11月は3日が火曜の単独祝日となり3連休は一つに減る。前年11月のシティ¥17,474が年間最高値だった背景にこの連休の数があるとすれば、2026年11月の確定値が前年を上回るためには、連休以外の日の単価をどこまで保てるかが問われることになる。

神奈川県のシティ・ビジネスホテルを運営するレベニューマネージャーへ — 示唆とアクションプラン

運営目線のインサイト

第一に、9月の前年比はそのまま下期の期待値にならない。シティ+15.8%・ビジネス+6.5%のうち相当部分は前年9月の谷と5連休によるもので、自館の9月実績を評価する際も「連休4泊を除いた日の単価が前年同期と比べてどうだったか」を切り分けて見たい。連休を除いた日の単価が前年並みなら、下期は横ばいを基本線に置くのが安全側の読みになる。

第二に、下限レートは確定した前年同月値を物差しにする。市場の前年確定値はシティで10月¥14,774・11月¥17,474・12月¥14,801、ビジネスで10月¥9,013・11月¥9,413・12月¥9,064であり、自館の価格帯が市場中央値に対して何倍にあたるかを9月の確定値(シティ¥14,932・ビジネス¥9,249)で一度測っておけば、各月の下限を自館の水準に換算できる。現時点の推定値(シティ10月¥17,214など)は上側の参考にとどめ、確定値と直接比べない。

第三に、11月は連休の数が前年より一つ少ない。前年11月が年間最高だったシティにとって、連休以外の平日・単独祝日・連休翌週の土曜で単価を保てるかが前年比を決める。11月3日(火)はシティ78.6%・ビジネス68.4%(11日前時点)と連休日より余地が大きく、ここを直前の値下げで埋めるか、価格を保って直前需要を待つかの判断が月全体の単価に効いてくる。

第四に、曜日の形を階段に落とす。9月の推定OCCはシティで土曜91.9%と月〜木曜83.8%、ビジネスで火曜89.5%と日曜83.6%の差があり、10月もビジネスの水・木曜が96〜97%に達している。下限レートを曜日一律に置くのではなく、埋まりやすい曜日の下限を一段高く、弱い曜日の下限は据え置いて販売期間を長く取る形が、連休のない月の単価を守る一手になり得る。

10〜12月に向けたアクションプラン
時間軸打ち手判断トリガー(記事中の数値)狙い

今日〜今週9月実績を「連休4泊」と「それ以外」に分けて前年同期と比較する市場は連休4日が93.5%(シティ)・92.6%(ビジネス)、それ以外が84.3%・86.2%。自館の連休外の単価が前年を下回っていれば、下期は横ばい前提で組む前年比の過大評価を避ける
11月3日(火)の販売方針を決める市場の11日前時点はシティ78.6%・ビジネス68.4%。自館がこれを下回っていれば、値下げより前に販路・プランの見直しを先行させる余地がある単独祝日の単価維持
2週間以内11月の下限レートを前年確定値ベースで置き直す市場の前年11月確定値はシティ¥17,474・ビジネス¥9,413。自館の9月設定が市場9月値(¥14,932・¥9,249)の何倍かを掛けた水準を下限の目安にする連休が一つ減る月の底を守る
11月21〜22日の残枠を上位プラン中心に絞る市場は21日がシティ96.0%・ビジネス97.5%、22日が90.7%・84.6%。自館の残枠がこれより多いなら、22日(日)側の販売を優先する連休2晩の単価最大化
来月に向けて12月の下限レートを曜日別に階段化する市場の前年12月確定値はシティ¥14,801・ビジネス¥9,064。土曜(9月実績91.9%・90.2%)は一段上、日曜・月曜は据え置きで販売期間を長く取る弱い曜日の早期値下げを避ける
10月確定値が出た時点で推定値との差を記録する現時点の推定はシティ¥17,214・ビジネス¥12,098。確定値がこれからどれだけ下に収まったかを控えておけば、11〜12月の推定値を読む際の補正に使える推定値の読み方を自館で校正する

判断トリガーの数値はいずれも本記事で提示した市場値。出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

まとめ — 9月の反転を読む3つの物差し

神奈川県の確定9月は、シティ¥14,932(+15.8%)・ビジネス¥9,249(+6.5%)と両業態が前年比プラスに戻った。この数字を下期に活かすための物差しは3つに整理できる。1つ目は「前年の形」で、前年9月が8月から水準を落とした谷の月だったことが伸び率を押し上げており、2026年9月の水準そのものは年内中位にとどまる。2つ目は「連休の有無」で、5連休の4泊はそれ以外の日を9.2pt(シティ)・6.4pt(ビジネス)上回る稼働を作ったが、11月の連休は前年より一つ少なく、連休以外の日の単価が前年比を左右する。3つ目は「確定値と推定値の区別」で、10〜12月の現時点推定(シティ¥17,214・¥16,440・¥17,326、ビジネス¥12,098・¥11,661・¥11,721)は上側の参考にとどめ、下限レートは前年の確定値(シティ¥14,774・¥17,474・¥14,801、ビジネス¥9,013・¥9,413・¥9,064)を自館の価格帯に換算して置くのが筋といえる。10月の確定値が出た時点で、推定値がどこに収まったかを含めて次回の月報で検証したい。

よくある質問

Q. 2026年9月の神奈川県のホテルの推定成約ADRは前年比でどう動いた?
A. 確定値でシティホテルが¥14,932(N=42)と前年同月比+15.8%、ビジネスホテルが¥9,249(N=209)と+6.5%だった。8月はシティ−3.3%・ビジネス−4.8%と両業態とも前年を割っていたため、9月にそろって反転した形になる。

Q. 9月に前年比がプラスへ反転したのはなぜ?
A. 土日の数は2025年・2026年とも8日で差がなく、主因は二つある。9月19日(土)〜23日(水)の5連休が稼働を押し上げたことと、前年9月が8月から大きく水準を落とした「谷」の月だったことだ。2026年9月の水準そのものは年内では中位にとどまる。

Q. 10〜12月の推定値を前年の確定値と比べてもよい?
A. 比べない方がよい。10〜12月の値(シティ¥17,214・¥16,440・¥17,326など)は現時点の販売状況に基づく推定値で、月末に確定する値とは算出基準が異なる。前年比は確定月同士でのみ組み、推定値は上側の参考水準として扱う。

Q. 11月の販売余地はどこに残っている?
A. 11月21〜22日の3連休はすでに高水準で埋まっており、余地は単独祝日の11月3日(直近観測でシティ78.6%・ビジネス68.4%)、平日、連休翌週の11月28日(土)にある。2026年11月は3連休が前年より一つ少ない。

Q. 推定OCCは実際の客室稼働率と同じ?
A. 同じではない。推定OCCはOTA掲載残室数から算出するOTA掲載在庫ベースの推定値で、掲載外の客室を消化済み側に数えるため実客室稼働率より高めに出る。本記事では対象施設数・客室数を併記している。

データについて

データの定義と注記
項目定義・注記

推定OCC(OTA掲載在庫ベース)OTA掲載在庫ベース稼働率 = 100 − 100 × OTA掲載残室数 ÷ 総客室数。対象は総客室の30%以上をOTAに掲載する施設で構成した固定コホート(各宿泊日で同じ施設集合。本文に記した施設数がその数)。OTA上で販売される在庫の消化状況に基づく推定値であり、実客室稼働率とは定義が異なる(掲載外の客室を消化済み側に数えるため高めに出る)。対象月は2026年9月(1〜30日泊)および10月(1〜24日泊)。
ブッキングカーブ宿泊日の45日前から直近までの観測に基づく。最新観測日は2026年10月23日。対象は神奈川県シティホテル26施設・5,112室、ビジネスホテル118施設・16,025室(主要予約サイト掲載ベースの固定コホート)。
推定成約ADROTA等の販売データ(最安プラン水準×業態別係数・複数チャネルのアンサンブル)から推定した成約価格水準(税抜相当)。過去月は確定値、現在・未来月は現時点の販売状況に基づく推定値。公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%。前年比は確定月同士でのみ算出し、推定値との比較は行っていない。
対象施設数推定成約ADR: シティホテル N=40〜42(2025年1月〜2026年9月の確定月)、10〜12月推定 N=40〜41/ビジネスホテル N=207〜213(確定月)、10〜12月推定 N=201〜204。推定OCC(2026年9月): シティ27〜29施設・5,162〜6,071室、ビジネス115〜124施設・15,719〜16,651室。推定OCC(2026年10月1〜24日): シティ26〜27施設・5,112〜5,162室、ビジネス118〜122施設・16,025〜16,510室。
データ時点データ時点: 2026年10月24日。販売状況・在庫は日々変動するため、本記事の数値は取得時点のスナップショットである。祝日の配列は内閣府「国民の祝日について」に基づく。

出典:メトロエンジンリサーチ、ホテルバンク編集部より作成

参考資料・出典一覧

■ データソース

メトロエンジンリサーチの推定成約ADR(神奈川県シティホテル・ビジネスホテルの月次エリア中央値、2025年1月〜2026年12月)、OTA掲載在庫ベースの日別推定OCC(2026年9月泊・10月1〜24日泊)、宿泊日の45日前からのブッキングカーブ(最新観測日2026年10月23日)。祝日の配列は内閣府「国民の祝日について」による。

■ 試算前提

前年比は確定月(過去月)同士でのみ算出し、10〜12月の現時点推定値は前年比の算出に用いない。値は県単位で、市区町村別には分けていない。推定OCCとブッキングカーブは各宿泊日で同じ施設集合の固定コホートで、本文に対象施設数・客室数を記した。

■ 限界・留意点

推定成約ADRは推定値(公表運営実績との照合で誤差中央値6.6%)で、各施設の実際の成約価格・会計数値とは異なる。推定OCCは掲載外の客室を消化済み側に数えるため実客室稼働率より高めに出る。曜日別の推定OCCは連休中の日を含む単純平均。販売状況は日々変動し、数値は2026年10月24日時点のスナップショットである。

■ 参考資料

内閣府「国民の祝日について」 https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html
ホテルバンク「神奈川県ホテルの推定成約ADR、2026年8月はシティ−3.3%・ビジネス−4.8%」 https://hotelbank.jp/revenue-management/kanagawa-settled-adr-yoy-2026-08/
ホテルバンク「神奈川のADRは業態で割れた — シティ+14.7%、ビジネス+2.3%」 https://hotelbank.jp/revenue-management/kanagawa-city-business-adr-divergence-2026/

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