
京都市の宿泊税は、1人1泊の宿泊料金に応じて200円・400円・1,000円・4,000円・10,000円の5段階である。2026年3月1日の宿泊分から改定され、それまでの200円・500円・1,000円の3段階から上の区分が大きく引き上げられた。課税のもとになる「宿泊料金」は食事代や消費税を含まない1人あたりの素泊まり料金なので、2名1室で予約した税込の表示額をそのまま当てはめると区分を読み違える。この記事では京都市の公式ページで確認した税率と判定ルールを先に示し、そのうえで宿タイプ別の掲載価格から「自分はいくら払うか」の目安を出す。
Key Takeaways
— 2026年3月1日の宿泊分から5段階:1人1泊の宿泊料金が6,000円未満200円、2万円未満400円、5万円未満1,000円、10万円未満4,000円、10万円以上10,000円(京都市公式)。
— 判定は1人あたり・税抜・素泊まりの料金で行う。2名1室・税込の表示額は2で割り、食事代を除き、1.1で割ってから当てはめる。
— 京都府の掲載価格(2026年11月宿泊分)では、ビジネスホテル・ゲストハウスは400円、シティホテル・町家・旅館は1,000円が目安。
— デラックスホテル平均(1人税込10万1,558円)は税抜で約9万2,300円となり4,000円区分。10,000円区分は税込1人およそ11万円以上から。
— 免除は修学旅行などの学校行事と保育所等の行事に限られ、年齢による免除はない。事前決済に含まれるかは予約先ごとに異なる。
京都市の宿泊税は5段階 — 2026年3月1日の宿泊分から
税率は京都市の公式ページ(市税の案内「宿泊税」、2026年10月23日確認)に掲載されている次の表のとおりである。施行日は令和8年(2026年)3月1日で、宿泊した日が基準になる。改定前の区分も並べたので、いつ泊まるかで税額が変わることが分かる。
宿泊料金(1人1泊・税抜素泊まり)
2026年3月1日〜(現行)
2026年2月28日まで(改定前)
6,000円未満
200円
200円
6,000円以上 20,000円未満
400円
200円
20,000円以上 50,000円未満
1,000円
500円
50,000円以上 100,000円未満
4,000円
1,000円
100,000円以上
10,000円
1,000円
表1:京都市公式ページ「宿泊税」の税率表をもとに作成(改定前は20,000円未満200円・20,000〜50,000円未満500円・50,000円以上1,000円の3段階)
改定で据え置かれたのは6,000円未満の200円だけで、6,000〜20,000円未満は200円から400円へ、20,000〜50,000円未満は500円から1,000円へ、50,000〜100,000円未満は1,000円から4,000円へ、100,000円以上は1,000円から10,000円へ上がった。ビジネスホテルの平均的な価格帯なら1人1泊400円、2人なら800円で、2泊なら1,600円が宿泊料金とは別にかかる計算になる。改定後に京都市内の1万円帯ホテルの予約や価格が実際にどう動いたかは、京都市宿泊税3月引き上げから3ヶ月の実勢検証で追っている。
判定は「1人あたり・税抜・素泊まり」の料金で行う
区分を決める「宿泊料金」は、京都市の説明では素泊まり料金(室料およびサービス料)で、食事代や消費税等は含まない。つまり2名1室・朝食付き・税込の表示額をそのまま見てはいけない。2で割って1人あたりにし、朝食代を除き、消費税を除いた額で表1に当てはめる。税込の表示額だけが分かっている場合は、1.1で割った額が税抜のおおよその目安になる(サービス料は含んだまま、食事代は別途引く)。
課税を免除されるのは、学校教育法第1条の学校(大学を除く)の児童・生徒が修学旅行その他の学校行事で宿泊する場合とその引率者、保育所・幼保連携型認定こども園などの満3歳以上の幼児が施設主催の行事で宿泊する場合とその引率者である。一般の旅行では子どもにも大人と同じ税率がかかる(年齢による免除はない)。
支払い先は宿泊した宿泊施設で、宿(旅館業・住宅宿泊事業の営業者)が特別徴収義務者として預かり市に納める。京都市は「予約サイトや旅行事業者への支払額に含まれている場合があります」とも案内しており、事前決済したプランでも宿泊税が含まれているかどうかは予約先ごとに違う。チェックイン時に現金やカードで別途請求されるケースと、決済時に含まれているケースの両方があるので、予約画面の料金内訳か宿の案内で確認しておくと当日に戸惑わない。京都以外も含めた導入自治体ごとの免除条件と支払い方は、宿泊税はいくら?導入自治体の一覧と免除・支払い方にまとめている。
宿タイプ別、いくら払うことになるか — 京都府の掲載価格から目安
京都府内の宿のOTA掲載価格(2026年11月宿泊分・2名1室・1室あたり税込・掲載軒数平均、2026年10月23日時点、ホテルバンク編集部調べ)を宿タイプ別に並べ、1人あたりに換算したうえで税率区分を当てはめた。掲載価格は税込なので、判定に使う税抜換算(÷1.1)も併記している。あくまで平均値からの目安で、実際の区分は泊まる宿・プラン・日程の料金で決まる。
宿タイプ
1室2名 掲載価格(税込)
1人あたり(税込)
税抜換算の目安
宿泊税の目安(1人1泊)
軒数
ビジネスホテル
24,021円
12,011円
約10,900円
400円
342
ゲストハウス
26,226円
13,113円
約11,900円
400円
147
シティホテル
49,912円
24,956円
約22,700円
1,000円
65
町家
54,319円
27,160円
約24,700円
1,000円
482
旅館
62,128円
31,064円
約28,200円
1,000円
169
デラックスホテル
203,115円
101,558円
約92,300円
4,000円(税込のまま当てると10,000円)
38
表2:OTA掲載価格(2026年11月宿泊分・2名1室・1室あたり税込・掲載軒数平均、京都府、N=1,243軒=6タイプ合計、2026年10月23日時点)をもとにホテルバンク編集部作成。税抜換算は税込÷1.1の概算、宿泊税は表1の区分を当てはめた目安
出典:ホテルバンク編集部調べ(OTA掲載価格、2026年11月宿泊分・2名1室・1室あたり税込・掲載軒数平均、京都府、2026年10月23日時点)
ビジネスホテルとゲストハウスは1人1万2,000〜1万3,000円前後で、400円の区分に収まる。シティホテル・町家・旅館はいずれも1人2万5,000〜3万1,000円で、1,000円の区分になる。旅館の場合は夕朝食付きの料金が掲載されていることが多く、食事代を除いた素泊まり相当で判定するので、表の額より下の区分になる宿もある。
注意したいのはデラックスホテルで、1人あたり税込10万1,600円を税込のまま表に当てると最上位の10,000円区分に見えるが、消費税を除くと約9万2,300円となり、4,000円の区分に入る。10,000円区分に届くのは税抜で1人10万円以上、つまり税込なら1人およそ11万円(2名1室で約22万円)以上の部屋である。同じ考え方で、1,000円区分の入口は税込1人2万2,000円(2名1室で4万4,000円)前後、4,000円区分の入口は税込1人5万5,000円(2名1室で11万円)前後が目安になる。京都市内のホテルを料金と設備で絞り込むなら、大浴場付きの3軒を月別の掲載価格で比べた記事が参考になる。
宿泊料金に対する税額の割合 — 上の区分ほど重くなる
定額制なので、同じ区分の中では安い料金ほど割合が高く、区分の境目で跳ね上がる。1人1泊の税抜宿泊料金が5,000円なら200円で4.0%、10,000円なら400円で4.0%、30,000円なら1,000円で3.3%、60,000円なら4,000円で6.7%、120,000円なら10,000円で8.3%である。改定前は同じ5ケースで4.0%・2.0%・1.7%・1.7%・0.8%だったので、高い部屋ほど改定の影響が大きい。
出典:京都市公式ページの税率表をもとにホテルバンク編集部作成(1人1泊・税抜素泊まり料金ベース)
東京・大阪とどう違うか
東京都の宿泊税は1人1泊10,000円未満が非課税で、10,000円以上15,000円未満が100円、15,000円以上が200円である(東京の宿泊税の記事)。大阪府は2025年9月1日宿泊分から5,000円未満が非課税、5,000円以上15,000円未満が200円、15,000円以上20,000円未満が400円、20,000円以上が500円である(大阪府公式ページ、2026年10月23日確認)。京都市には非課税となる免税点がなく、どの価格帯でも最低200円がかかり、2万円以上では大阪の500円に対して1,000円以上と差が開く。東京は2027年4月から3%の定率制に移る予定で、免税ラインと大阪の階層制との違いは東京の宿泊税2027年定率化の検証記事が実勢単価から読み解いている。ほかの地域については熊本(熊本市のみ200円)、ニセコ町(2026年11月から定率3%)、沖縄県(2027年2月から2%)の記事と、2026〜27年の改定一覧にまとめている。
京都の宿を選ぶときの見方
税額を見込んで予算を組むなら、次の3点で十分である。第一に、ビジネスホテルやゲストハウスの価格帯(1人1泊税込1万3,000円前後)なら1人400円、2人2泊で1,600円を上乗せして考える。第二に、シティホテル・町家・旅館(1人2万5,000〜3万円台)なら1人1,000円で、2人2泊なら4,000円になる。第三に、1人税込5万5,000円を超えるような上位の部屋は4,000円、11万円を超えると10,000円と一気に重くなるので、紅葉期など高い時期に高級宿を選ぶ場合は税額も含めた総額で比べたほうがよい。宿泊税は掲載価格に含まれていないのが普通なので、予約画面の「料金内訳」で宿泊税の行があるかを見ておくと、チェックイン時の請求額と食い違わない。
詳しく探すなら
具体的な宿の比較は、こちらの記事が詳しい。
京都のホテルで大浴場付きの宿3軒、料金と口コミで比べる(HotelPicks)
ホテル エミオン 京都(梅小路京都西駅から連絡通路で徒歩2分、ドライサウナと水風呂付き)・ザ ロイヤルパークホテル 京都梅小路(大浴場は26時まで)・ホテル ザ セレスティン京都祇園(大浴場が15時から翌10時まで通し営業)の3軒を、月別・曜日別の掲載価格と口コミの話題で比較。3軒とも1月・2月が安く、宿泊税400円または1,000円の区分に当たる価格帯が月ごとに読み取れる。
ホテル青龍 京都清水の価格、1933年の校舎を継ぐ48室(wabistay)
清水寺の参道脇、1933年築の旧清水小学校の校舎を活かした全48室のザ・ホテル青龍 京都清水について、1泊2名12万5,000〜18万8,000円の掲載価格帯と安い月(1月・2月)、土曜泊との差、八坂の塔を望むゲストラウンジや寿司バーの情報をまとめている。4,000円区分と10,000円区分の境目にあたる価格帯を具体的な宿で確かめたい人向け。
よくある質問
Q. 子どもも宿泊税を払うのか。
A. 年齢による免除はなく、宿泊料金が発生する子どもには大人と同じ区分の税額がかかる。免除されるのは修学旅行など学校行事で泊まる児童・生徒と引率者、保育所・幼保連携型認定こども園などの行事で泊まる満3歳以上の幼児と引率者に限られる。宿泊料金がかからない添い寝の幼児の扱いは宿によって案内が異なるので、予約時に確認するとよい。
Q. 2名1室で5万円の部屋は、1人いくらの宿泊税になるか。
A. 税込5万円・素泊まりなら、1人あたり2万5,000円、消費税を除くと約2万2,700円なので「20,000円以上50,000円未満」の区分に入り、1人1泊1,000円、2人で2,000円になる。朝夕食付きの料金なら食事代を除いた額で判定するため、1人の素泊まり相当が2万円を下回れば400円の区分になる。
Q. 宿泊税は予約サイトでの事前決済に含まれているか。
A. 京都市の案内では、宿泊税は宿泊した施設に支払うのが原則で、「予約サイトや旅行事業者への支払額に含まれている場合がある」とされている。含まれているかどうかは予約先とプランによって異なるので、予約画面の料金内訳に宿泊税の記載があるか、なければチェックイン時に別途支払うものと考えておくと安全である。
集計方法と出典
宿泊税の税率・施行日・課税標準・免除・徴収方法:京都市公式ページ「宿泊税」(city.kyoto.lg.jp/gyozai/page/0000236942.html、2026年10月23日確認)。改定後の税率は令和8年3月1日の宿泊分から適用。
東京都・大阪府の税率:東京都主税局の案内および大阪府公式ページ「宿泊税」(2025年9月1日宿泊分から適用、2026年10月23日確認)。
掲載価格:ホテルバンク編集部調べ。OTA公開データを集計した2026年11月宿泊分の掲載価格で、京都府内の宿タイプ別に2名1室利用時の1室あたり税込料金の掲載軒数平均(ビジネスホテル N=342、ゲストハウス N=147、シティホテル N=65、町家 N=482、旅館 N=169、デラックスホテル N=38、2026年10月23日時点)。宿泊税は掲載価格に含まれていない。1人あたり額は2で割った目安、税抜換算は1.1で割った概算で、実際の課税区分は宿の素泊まり料金(税抜)で決まる。
税額の割合:各ケースの税抜宿泊料金に対する定額税の比率を単純に計算したもの。
■ データソース
税率・施行日・課税標準・免除・徴収方法は京都市公式ページ「宿泊税」の記載(2026年10月23日確認)。宿タイプ別の価格はOTA公開データを集計したホテルバンク編集部調べの掲載価格(京都府、2026年11月宿泊分、2026年10月23日時点、6タイプ合計N=1,243軒)。
■ 試算前提
掲載価格は2名1室利用時の1室あたり税込料金の掲載軒数平均。1人あたりは2で割り、税抜は1.1で割った概算とし、その額を京都市の税率区分に当てはめた。税額の割合は1人1泊の税抜宿泊料金5,000円・10,000円・30,000円・60,000円・120,000円の5ケースで単純計算した。
■ 限界・留意点
平均値からの目安であり、実際の区分は泊まる宿・プラン・日程の素泊まり料金(税抜、サービス料を含む)で決まる。食事付きプランの掲載価格は食事代を含むため、表の目安より下の区分になる宿がある。価格は京都府全体の集計で京都市外の宿を含み、宿泊日・取得日により変動する。
