イラン戦争とウクライナ戦争が暴いた「石油精製」という新たなチョークポイント
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2026.10.24(土)
世界情勢 エネルギー・資源
イランの港町バンダレ・アッバースの海岸から見えるホルムズ海峡に浮かぶ船舶(2026年10月13日、写真:ロイター/アフロ)
10月下旬に入っても、ホルムズ海峡では米国とイランの低強度の武力の応酬が続いている。6月に米イラン両首脳が署名した戦争終結の覚書(MoU)は7月に崩れ、米国は7月14日に対イラン海上封鎖を再開し、この10月23日で100日間の封鎖が続いている。これに対して、原油輸出をゼロに抑え込まれたイランは、海峡周辺での船舶攻撃で対抗している。
イラン国営テレビは22日、前夜に7隻のタンカーがイランの攻撃や機雷で炎上・損傷したと報じた(事実は確認されていない)。英国海事貿易機関(UKMTO)によれば、アラビア半島周辺での船舶への攻撃は10月に入って20日過ぎまでに32件と、9月1カ月間の16件の倍に達し、13日にはコンテナ船が沈没した。革命防衛隊は、米国が商船の誘導を続ければ地域の米軍基地を攻撃すると警告している。紅海側でもイエメンのフーシ派がサウジアラビアへの攻撃を強めている。
それでも、海峡が閉ざされているわけではない。米中央軍(CENTCOM)は10月17日、イランの「海峡閉鎖」の主張を「虚偽だ」と退け、米軍がここ数カ月で13億バレルを超える湾岸産原油の通航を支援したと発表している。ライト米エネルギー長官も12日、海峡を通る原油は戦前の8〜9割にあたる日量1300万~1400万バレルまで戻ったと述べている。
民間の船舶追跡データはこれより控えめで、海峡を通過した原油は9月平均で日量約990万バレルと戦前を4分の1余り下回る。10月上旬には攻撃の激化で一時落ち込んだが、その後は持ち直し、月初からの中東の原油流出量は9月並みを保っている(ブルームバーグ)。追跡信号を切って航行する船も多く、公開データでは通航が1日数隻にとどまる日もあるが、実際にはそれを大きく上回る原油が海峡を抜けているのである。
トランプ大統領は10月8日、11月3日の中間選挙前にはイランを攻撃しないと表明しており、米軍の行動は海上で封鎖破りの船舶やイラン系の小型船を無力化するなどの限定的な武力行使にとどまっている。
同じ頃、ロシアでは製油所が燃え続けている。10月2日にはヴォルゴグラード製油所が原油処理を全面停止し、15日にはリャザン製油所の主要な蒸留装置が再び止まった。
トランプ大統領が11日に一方的に「エネルギー停戦」を発表し、ウクライナは3日間攻撃を控えた。しかしロシアがウクライナの電力網への攻撃をやめなかったため、ゼレンスキー大統領は攻撃制限を解除し、18日にはサンクトペテルブルクに対して開戦以来最大規模の攻撃を加え、石油関連施設が被弾した。
