チームとともに朝礼を行なうトヨタ自動車株式会社 代表取締役会長 豊田章男氏(中央)

 岡山国際サーキットでスーパー耐久第6戦が10月24日~25日の2日間にわたって開催されている。トヨタ自動車は、このS耐第6戦岡山にミッドシップ4WD開発車両である「GRヤリスMコンセプト」の改良版となる、「GRヤリス風Mコンセプト」のほかに、FRマシンである「GR86 Future FRコンセプト」を投入。このGR86 Future FRコンセプトでは、新たに新型2.0リッター直列4気筒自然吸気エンジンを搭載するなど、トヨタのさまざまな開発が見られるものになっている。

 トヨタ自動車 代表取締役会長である豊田章男氏も、GRヤリス風Mコンセプトのドライバーとして久々に参戦。岡山国際サーキットに顔を見せ、両マシンのスタッフに声をかけるなど、レースに参戦できるのが楽しそうだった。

モリゾウ選手としてドライブするGRヤリス風Mコンセプト

 GRヤリス風Mコンセプトについては、外観上の変化も大きいが、このマシンがこれまでのスポーツ8速ATであるGR-DATから6速MTに変更されていることに言及。2年間2ペダルATであるGR-DATの開発から、6速MTになったことで「左足を久しぶりに使うよろこびがある」という。

 このGRヤリス風Mコンセプトでは、グローバル開発を視野に入れ左ステアリング仕様になっているが、それも豊田章男氏にとってよかったとのこと。豊田章男会長は9月24日に米国自動車殿堂を受賞しているが、授章式のために渡米した際にテストコースで試作車両をドライブ。その際に、クルマの想定限界を超える領域に持ち込み試作車両でアクシデントが発生し、豊田章男会長は左肩まわりを負傷し、受賞スピーチでもそのことに触れていた。

 そのためしばらく激しいことは避けていたようだが、このスーパー耐久第6戦岡山でドライバーとして復帰。新型車両のBドライバーとして参戦する。

 豊田章男会長は、「これは左ハンドルだろ、それもよかった。右手でシフトができる」といい、シフトしながら走るよろこびを語る。ただ、その際にシフトミスが何度か発生したため、改めてシートとシフトレバーの位置を開発陣が確かめたところ、トヨタのノウハウが詰まった基準値よりも2mmずれていたとのこと。

 豊田章男会長はトヨタのものづくりの基本であるTPS(トヨタ生産方式)のスペシャリストであるのはよく知られた話だが、マスタードライバーとしてトヨタのものづくりの基本仕様であるトヨタ基準(トヨタスタンダードともTSとも言われる)が体にしみこんでいるようだ。

 練習走行ではシートとシフトレバーがずれていたものの、開発陣はすぐに調整し、土曜日には予選、日曜日には決勝に挑んでいく。日曜日の決勝は3時間耐久レースとなっており、長時間のレースの中でGRヤリス風Mコンセプトの課題出しを行なうことになる。

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