ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2026.10.22 07:37
黒い服と覆面で身元を隠した集団が、「デモ先進国」フランスを揺るがしている。最近発生した暴力的なデモの背後にいるとされる「ブラック・ブロック(Black Bloc)」のことだ。彼らによる略奪や放火が、生活苦の解消や公共環境の改善を求める市民の平和的なデモを暴動へと変質させたとの見方が出ている。
フランス当局は、今回の暴力的なデモをブラック・ブロックなどの急進左派勢力が主導したとみている。ブラック・ブロックは、無政府主義・反資本主義・反ファシズムを支持し、政党や階層的な組織体制を拒否する人々が集まった集団として知られている。単一の組織や中央指導部などは存在しない。集会はソーシャルメディア(SNS)や暗号化メッセージアプリなどを通じて、即興的に開かれる。デモが終わると覆面を外して黒い服を脱ぎ、デモ隊から離れていく。
それでも、その行動は組織的だ。17日のデモでも、一部の参加者は歩道の敷石を壊して投げ、別の参加者は火炎瓶や爆竹を用意するなど、役割を分担していた。防毒マスクやゴーグルを着用し、警察による催涙弾の使用にも備えていた。
ブラック・ブロックの戦術は、1980年代に西ドイツの無政府主義者や急進左派の活動家らが始めた。1999年に米シアトルで開かれた世界貿易機関(WTO)閣僚会議への抗議デモなどを経て世界に広がり、フランスでは2016年の労働法改正反対デモをきっかけに本格化した。
問題は、ブラック・ブロックの手法がさまざまな勢力に広がっていることだ。フランス当局は、デモの最中にパリ郊外の低所得者層が暮らす地域「バンリュー」出身の「混乱に乗じて略奪を行う人々」が暴力行為に及んだと明らかにした。「カスール(casseurs・破壊者)」と呼ばれる彼らは、黒い服などで身元を隠し、政治的な思想とは関係なく、暴力や略奪だけを追い求める勢力だ。英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は、2018年の「黄色いベスト運動」以降、このように一般市民までもがブラック・ブロックの戦術を利用して自らの欲望を満たす傾向が強まっていると伝えた。
一部では、外国勢力の介入を疑う声も出ている。英紙タイムズは、ロシアやイランなどがフランスの暴力的なデモに介入し、混乱をあおっている勢力として疑われていると報じた。同紙は「西側諸国に敵対する国々が、オンラインを中心に今回のデモで浮き彫りになった社会的分断を利用している」と主張した。移民が主導しているとの説も浮上している。強硬右派政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首は「略奪者の相当数は移民系の人々だ」と主張した。フランスのSNSに「略奪されたスーパーマーケットには、イスラム教徒が食べない豚肉製品だけが残っている」という内容の出所不明の動画が投稿され、疑惑が広がっている。
フランス革命やパリ・コミューン、五月革命など、幾度も民衆蜂起を経験してきたフランスは、2000年代までは「デモ管理先進国」と呼ばれていた。武力の行使を最大限控えながらも、効果的にデモを管理していると評価されていたためだ。しかし、こうした体系化されたデモ管理の手法は、ブラック・ブロックの戦術の登場によって機能しなくなった。
その後、フランス警察も従来の戦術を変更し、強硬な鎮圧に乗り出している。一部では、こうした警察の鎮圧方法によってデモ参加者の死傷者が増え、暴力がさらに激化するという悪循環が生じているとの指摘も出ている。
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