観光業で働く人の給与をどう高める? オリオンビールがホテルを軸に描く沖縄北部の成長戦略写真提供:共同通信社

 沖縄では8割超のシェアを持つ一方、全国のビール市場では約1%にとどまるオリオンビール。地元で愛されてきたブランドはどのように全国、そして海外へと広がったのか。代表取締役社長の村野一氏の著書『オリオンビールはなぜ愛され続けるのか』(幻冬舎メディアコンサルティング)より一部を抜粋。

 沖縄の観光業や飲食業は基幹産業でありながら、給与水準が低いという。若者の地元離れが進む中、オリオンビールもホテルで働く人材の育成を課題に据えている。地域全体の観光の付加価値を引き上げるため、どのような取り組みを進めているのか。

「オリオンスタンダード」を築き、高度人材を育てる

 現在、円安という環境下で、日本で働くインセンティブは減っていると思います。しかし、それでも多くの人が応募してくれるというのは、沖縄という場所の魅力と、オリオンホテルが行ってきた人材に対する投資の成果であると思っています。

 こうして外国の方々も視野に入れた採用活動に加えて目指さねばならないのが、高度人材の育成です。

 ここでいう高度とは、単にスキルの高さを指すのではなく、異文化に触れた経験や、外の世界を知ることによって得られる相対的な視点を持っているかどうかを意味しています。

 オリオンホテル モトブ リゾート&スパのスタッフの8割は地域住民ですが、その中には沖縄を出た経験のない人も多くいます。地域の中だけで働いていると、時代の流れや世の中が求めるもの、競合他社の動きなどにどうしても疎くなり、向上心も持ちづらくなります。

 そんな状況を変え、オリオンホテルから高度人材を生み出していくためには、観光産業全体を持続的に発展させるための人材プラットフォームの構築が求められます。

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