英海軍の戦略ミサイル原子力潜水艦ヴァンガード。この「ヴァンガード級原子力弾道ミサイル潜水艦」4隻が英国が運用している唯一の核戦力だ(写真:Press Association/アフロ)
[ロンドン発]英国の有料放送Skyのシミュレーション番組『The Wargame』(本編全4回)が大きな反響を呼んでいる。ロシアによる英国本土への軍事・ハイブリッド攻撃を想定し、国家中枢の危機管理プロセスを検証した。
英軍艦が撃沈され、英国本土に向けミサイルが発射されたなら…
首相役をマイケル・ゴーヴ元教育相、国防参謀長役をリチャード・バロンズ元陸軍大将、情報機関トップ役を、2016年米大統領選を巡るいわゆる「トランプ・ロシア文書」の作成で知られる元英秘密情報部(MI6)職員のクリストファー・スティール氏が務め、疑似の緊急治安閣僚会議(COBRA)を開いた。
非番の英空軍パイロット射殺事件、国民保健サービス(NHS)救急指令システムを麻痺させたサイバー攻撃、海底通信ケーブル直上にロシア調査船が座礁する事件が同時多発する場面から始まる。ロシア潜水艦に英軍艦が撃沈され、英国本土に向けミサイルが発射される事態に陥る。
出演者の発言や判断に台本はなく、次々に提示される危機的状況に出演者は経験を踏まえて即興で対応した。番組でロシア側を率いた英シンクタンク、王立国際問題研究所(チャタムハウス)のキア・ジャイルズ氏が英紙フィナンシャル・タイムズ(9月28日付)に「描かれた国防上の脆弱性は極めて現実的」と寄稿している。
