NPO法人シフトエイティが、ケニア東部・ミリティーニ村の児童保護施設「ジュンバ・ラ・ワトト」の運営を支えるクラウドファンディングに挑戦しています。

ジュンバは2005年の設立から21年間で500人以上の子どもたちを受け入れてきた「子どもたちの家」です。

物価上昇と円安、日本側の寄付窓口を担ってきた団体の活動終了が重なり、1年間の運営費として450万円を目標に掲げます。募集は2026年9月30日(水)23時59分まで。決済手数料は協賛企業が負担するため、寄付は全額が現地に届きます。

路上から「子どもたちの家」へ

「ジュンバ・ラ・ワトト」は、スワヒリ語で「子どもたちの家」を意味します。2005年、ケニア在住38年の日本人・早川千晶さんが、ミリティーニの人々とともに設立したレスキューセンター(現地で児童保護施設を指す呼び方)です。

ドゥルマ民族のマテラ長老から受け継いだ先祖代々の土地に建てられました。ナイロビの巨大スラム・キベラ出身の極度の貧困家庭の子ども、家庭に困難を抱える子ども、地元ドゥルマ民族の子ども、警察に保護された子どもたちが、ひとつの家族のように暮らしながら地域の公立小中学校へ通っています。

卒業生のひとり、ネスコさんは8人兄弟の長男で、父の失業後、弟妹の食べ物を得るためにゴミを拾って売る日々を送っていました。

2007年、9歳のときにキベラの学校へ通いはじめ、その後500km離れたジュンバに入居します。制服や教科書、学費はすべて支援され、毎日学校へ通えるようになりました。「ジュンバは、学ぶことをもう一度『自分にもできる』と思わせてくれました」とネスコさんは振り返ります。

2011年に卒業し、現在は自身のブランド「NescoBar」を立ち上げ、ナイロビのホテルで働くかたわら、毎月ジュンバに帰省して後輩たちのメンターを務めています。

寄付窓口の終了と物価高が直撃

ジュンバの定員は31名で、常時27〜31名の子どもたちが暮らしています。設立からの21年間で500人以上をレスキューし、卒業生には教員になった人、大学に進学した人、自分の事業を立ち上げた人もいます。

常駐するケビン先生は、施設の子どもたちの世話をしながら、村の困窮家庭の見回りや食糧配布、コミュニティ給食まで担っており、2026年からは周辺地域の困難な家庭への食事支援にも取り組んでいます。

しかし、この21年間はその時々に集まった支援でしのいできた運営でした。いま3つの逆風が重なっています。

1つは物価上昇と円安で、食費・生活費・教育費が年々増え続けていること。2つめは、日本側の寄付窓口を担ってきた団体が2025年12月末で活動を終えたこと。3つめは施設の老朽化です。

強風で吹き飛んだ裏口のトタン屋根を直す資金がなく放置した結果、そこから複数回侵入され、調理器具やマットレスが盗まれ、直近では敷地内で飼育していたヤギも襲われて盗まれました。

加えて、ミリティーニ村では急激な開発が進み、かつての畑や自然に囲まれた景色は失われつつあります。

早川さんは、海と大地とともに生きてきたドゥルマ民族の暮らしが壊され、子どもたちが十分な食事を得られなくなっている現実を、ここ数年目の当たりにしてきたといいます。

9月30日まで、450万円に挑戦

寄付窓口の役割を引き継いだのがシフトエイティです。現地NGO法人TUNA SHIFTと連携し、TUNA SHIFT代表の豊坂竹寿さんがシフトエイティの理事を、シフトエイティ代表理事の坂田ミギーさんがTUNA SHIFTの理事を務めることで、資金の使い道を相互に確認できる体制を整えています。

今回のクラウドファンディングは、現地スタッフへのヒアリングをもとに1年間の運営に必要な額を算出したもので、ファーストゴールが350万円、セカンドゴールが450万円です。

350万円は毎日の食事、生活用品、水道・電気、現地スタッフ3名の給与、全員の年間学費、制服、文房具・教材、帰省交通費に充てられ、450万円ではこれに壁・床・窓・フェンス・屋根の修繕や設備整備、現地NGOスタッフによる運営サポートの強化が加わります。

「ケイズハウスNPO助成プログラム」の認定を受けており、決済手数料は株式会社ケイズハウスが負担するため、寄付は全額がジュンバに届きます。寄付コースは3,000円の「はじめましてプラン」から100万円まで8種類で、子どもたちのお絵かきポストカードや卒業生直筆サイン入りポートレート、現地からのビデオレターなどが用意されています。

受付は9月30日(水)23時59分までで、詳細は専用ページで確認できます。創設者の早川千晶さんは「どうか、子どもたちのために、お力を貸してください」と呼びかけています。

関連記事

Share.