
東京・中野区の「中野ブロードウェイ」に入る高級時計店「TIME WALKER」で、約2億円相当の腕時計4本が盗まれた事件で、警視庁はチリ国籍の男2人を窃盗容疑で逮捕した。
逮捕されたのは、ピニャ・グスマン・ジェレミー・パオロ容疑者(23)と、マンサーノ・ケサダ・ボリス・アレクシス容疑者(33)。2人は事件4日前に来日し、事件2日前にも店を訪れていたとみられる。盗まれた4本のうち3本は現在も見つかっていない。
約10秒でリシャール・ミル3本、パテック フィリップ1本を窃取
事件は8月25日正午前、中野ブロードウェイ1階で発生した。2人は営業中のTIME WALKERに入り、入り口付近のショーケースをハンマーで割ると、腕時計4本を持ち去った疑いが持たれている。店を出るまでに要した時間は約10秒だった。
盗まれたのは、スイスの高級時計ブランド「リシャール・ミル」の3本と「パテック フィリップ」の1本。合計約2億円相当で、店内で最も高額な商品も含まれていた。事件当時、店内には従業員5人がいたが、けが人はいなかった。
TIME WALKERは株式会社万京が運営し、パテック フィリップやオーデマ ピゲ、ロレックスなどの新品・中古時計を扱う。中野ブロードウェイは20店舗以上の時計店が集まり、国内外の愛好家や訪日客が訪れる高級時計の売買拠点として知られている。
事件2日前にも店へ 同じ場所で電動キックボードを借りる
警視庁によると、2人は8月21日に入国。その2日後の23日にもTIME WALKERを訪れ、店内を下見したとみられている。この日も、事件当日と同じ場所で電動キックボードを借りていたことが判明した。
犯行当日は、事件の約15分前に中野駅周辺で電動キックボードを借りていた。店を出た後、1人は電動キックボード、もう1人は徒歩で別方向へ逃走。約350メートル離れた遊歩道付近で合流し、電動キックボードを乗り捨て、上着や帽子を脱いで着替えたとみられる。
その後はJR中野駅へ向かい、FNNプライムオンラインによると、事件当日のうちに新幹線で大阪市へ移動したとみられている。Luupは利用データの調査や提供を含め、警察の捜査に全面的に協力していると説明している。
大阪の民泊で逮捕 供述が分かれる未回収の3本
警視庁の捜査員は27日夜、大阪市内の同じ建物にある民泊で2人を発見した。最初の1人を建物から出てきたところで確保し、約40分後、別の階にいたもう1人も確保した。28日午前には、潜伏先の民泊を家宅捜索している。
ピニャ容疑者の所持品からは高級腕時計2本が押収され、そのうち1本は盗まれた時計と同じ型だった。被害品4本のうち、残る3本は未回収とされている。
ピニャ容疑者は1本を盗んだことだけを認め、ほかの3本については知らないと一部否認している。一方、マンサーノ容疑者は、時計を売って得た金を母国へ持ち帰る意図だったと容疑を認めたうえで、残る3本は逃走中に落としたと説明している。
高級時計には個体番号が刻まれ、国内の買取店では盗品情報との照合がおこなわれるため、通常の流通経路での換金は発覚する可能性が高い。警視庁は3本の所在を捜すとともに、盗品の受け渡し役や指示役など、ほかに事件へ関与した人物がいないか調べている。