8月21日、静岡市清水区の清水港で建造中のタンカーから火が出て10人が死傷した事故を受けて、24日、警察と消防などが現場検証を行いました。
【写真を見る】10人が死傷した建造中のタンカー火災受け現場検証 警察は業務上過失致死傷の疑いを視野に捜査を進める方針 火災のあった造船会社は過去にも作業中の火災で死傷事故=静岡清水区・清水港
火事が起きた会社では、過去にも作業中の火災で死傷事故が起きていて、警察は業務上過失致死傷の疑いを視野に捜査を進める方針です。
<中井秀カメラマン>
「清水港三保にあるカナサシ重工のドックです。21日に火災を起こしたタンカーの現場検証が行われています。」
タンカーの先端には消防や警察など多くの人が集まり、何かを確認しているように見えます。
静岡市清水区三保の造船会社「カナサシ重工」で、1人が死亡、9人がけがをしたタンカー火災を受け、8月24日に実施されたのは警察と消防などによる現場検証です。
■完成に向けた内装工事の最中に悲劇が…
火災が起きたのは7月16日に進水式が行われたばかりのタンカーです。
完成に向けた内装工事の最中に悲劇は起きました。
警察などによりますと、このタンカーの中は4階層になっていて、出火当時、最下層部分で、死亡した男性を含む2人の作業員がバーナーなどを使いながら金属を溶接・溶断する作業を行っていました。
その後火災が発生し、4階層と3階層部分、計6㎡を焼損した模様で、消防が到着した際には火や煙は確認されず、放水作業は行わなかったということです。一緒に作業をしていた作業員は、「死亡した男性の手袋に引火した」などと話していることが分かっています。
■専門家は”意外と自分の服に着火しても気づかないケースがある”と指摘
火災に詳しい専門家は、火を使う作業員は意外と自分の服に着火しても気づかないケースがあると指摘します。
<元小田原市消防本部 永山政広さん>
「(溶接・溶断作業時)目や顔を守るためにメガネをしたり、面をつけたりするのが一般的で、視野が狭くなったり、サングラスのような濃いガラスのメガネをつけると小さな火が気が付きにくい(手袋や服に)油とかが付着していると綺麗なものより、火がつきやすく、燃えやすい」
死亡した作業員らが行っていた溶接・溶断の作業は、特にリスクをを伴う作業だと話します。
<元小田原市消防本部 永山さん>
「(溶接・溶断作業は)発生する熱によって、周りのものが燃える、火花が飛んだりして、少し離れたところでも火災が起こる」
■過去にも作業中の火事による死傷事故が…
カナサシ重工では、過去にも作業中の火事による死傷事故が起きています。
1999年にはオイルタンカーでガスバーナーがガソリンに引火して爆発し、3人が死亡、7人が重軽傷を負いました。
2009年には建造中の船から火が出て2人が病院に運ばれています。
<カナサシ重工 村上雅臣社長>
「事故が起きたことについては大変申し訳なく思っておりますし、再発防止に努めないといけないと思っております」
繰り返された悲劇。安全対策は果たされていたのか。
警察は業務上過失致死傷の疑いも視野に火が出た原因や作業員が死亡したいきさつについて捜査を進めています。
静岡放送
