実用性で有利に働いたサイズの拡大

英国製のクルマは、アストン マーティンやマクラーレン、ランドローバーなど、庶民の手には届きにくいイメージがある。しかし、定評ある日本ブランドのハッチバックが、2021年まで生産されていたことは忘れないで欲しい。

それが、2015年に発売された10代目ホンダ・シビック。先代と異なり、世界共通モデルとしてデザインされつつ、最大の北米市場へ主眼は置かれていた。その結果、大きめのボディを好む志向に合わせてサイズは拡大したが、実用性で有利に働いたといえる。

ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)

複数の仕様を展開しないことで、開発予算は増額。先代より軽量化され、走行性能は高められ、技術的な飛躍も遂げていた。マツダ3の方が運転は楽しく、フォルクスワーゲン・ゴルフの方が車内環境は優れていても、全体のバランスの良さで勝った。

信頼性は高く、リセールバリューも優れていた。中古車が高めの価格帯で推移していることが、評価の高さを裏付ける。今でも、訴求力のあるハッチバックだ。

スタイリングと対象的にベーシックな内装

好みが分かれそうなスタイリングと対象的に、インテリアのデザインはベーシック。ダッシュボードはドライバー中心にレイアウトされ、ステアリングホイールの調整域は広く、スポーティな印象が好ましい。MTを選べば、自然な位置にシフトノブが来る。

英国仕様の場合、中級のスポーツ・グレード以上で7.0インチのタッチモニターが備わり、スマホとの連携へ対応。やや動作は遅いが、物理スイッチが各機能へ設けられ、扱いにくくは感じないだろう。シートヒーターも備わり、荷室は478Lと広い。

ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)

ステアリングは正確で、反応は機敏。グリップ力も高い。舗装の荒れた区間ではタイヤからのノイズが響き、上下動が目立つこともあるが、走行音は概ね静かで乗り心地も快適といえる。敏捷性では、フォード・フォーカスに届かないとしても。

英国仕様のエンジンは、1.0L 3気筒ガソリンと1.6L 4気筒ディーゼル、1.5L 4気筒ガソリンの3種。前者はウェットベルトでオススメしにくいが、中者は若干非力ながら燃費が良い。後者は182psと充分力強く、0-97km/h加速を7.8秒でこなし燃費も悪くない。

新車時代のAUTOCARの評価は?

1.5Lエンジンのシビックは、先代と一線を画す活気ある走りを叶えている。ドライバーが不満なく楽しめるほど動的能力は高く、洗練性に優れ、燃費は優秀。装備も充実し、あらゆる要素を加味すれば、価値ある1台だと表現できる。(2017年4月19日)

ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)ホンダ・シビック(10代目/2015〜2021年/英国仕様)

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