■夏休みは和歌山にある祖父母の家へ 自然の中で遊んだ幼少期

スマホもない時代に、まだ小さい兄妹だけで千葉から和歌山へ――。静岡朝日テレビの元アナウンサー広瀬麻知子さんのコラム。今回は、祖父母の家で過ごした夏休みの思い出を振り返りながら、親になった今感じる子育ての不安や子どもとの距離感について綴った。子どもの頃は冒険のように楽しんでいた経験も、自分が親になると違って見えるという。

 

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外に出るのをためらうほど、暑い日が続いています。夏なので仕方ないとはいえ、少しバテ気味です。

 

子どもたちは夏休みに入っています。これだけ暑いと、長い時間、外で遊ばせるのは危ないと感じています。公園に行っても遊具は熱で熱くなっていて、遊びも限られてしまいます。私が子どもだった頃と比べると、確実に暑さが厳しくなっています。

 

今春から長男は小学校、長女は幼稚園に入りました。私が2人と同じくらいの年齢だった頃は、ほぼ毎年、祖父母の実家で夏休みを過ごしていました。祖父母の家は和歌山県にあります。千葉にある私の実家からは、新幹線と特急を乗り継いで約6時間かかります。自然豊かな場所で、山を登ったり、川で遊んだりしていました。

広瀬さんの長女は今春から園児に(本人提供)

■「麻知子はどっちについて来る?」 兄妹3人で山登り

今でもよく覚えているのは、兄妹3人で山登りした時のことです。山からの帰り道は2通りあり、私より8つ年上の兄と4つ年上の兄が、それぞれ別の道から帰ると言い出しました。そして、私に選択を迫りました。

 

「麻知子はどっちについて来るんだ?」

 

迷った末、私は長兄についていきました。8歳上の兄に「こっちの方が近道」と説明されたためです。しかし、私と長兄が祖父母の家に到着すると、次兄が先に着いていました。そして、母から「2階に行って謝ってきなさい」と言われました。

 

次兄は「麻知子がついてきてくれなかった」と泣いていたんです。私は普段、次兄と遊ぶことが多く、トイレにもついていくくらいベッタリでした。それなのに、次兄は自分が選ばれなかったことにショックを受けたようです。この件があってから、兄2人と一緒に山へ行くのはやめようと思った記憶があります。

家族で清水エスパルスの試合を観戦(本人提供)

■次兄と2人で“冒険” 千葉から和歌山まで移動

祖父母の家には、次兄と2人だけで行ったこともありました。私はまだ園児で、今の長女と同じくらいの頃です。東京駅から新大阪駅まで新幹線に乗り、そこから特急に3時間ほど乗りました。駅か電車に置き忘れていた少年ジャンプを2人で読んだのを覚えています。冒険みたいで、すごく楽しかったです。

 

今振り返ると、スマホもない時代に小学校低学年と園児の兄妹を和歌山まで行かせた両親に驚かされます。私は、自分の子どもたちに同じことをさせるのは不安すぎて無理です。新幹線や特急で別の車両に乗り、目的地に着くまでずっと尾行すると思います。

 

大人になってからは足が遠のいていますが、子どもの頃は川遊びが大好きでした。3歳からスイミングに通っていたので、泳ぎに自信がありました。遠くまで泳ぎに行き、両親は「戻ってきなさい」といつも声をかけていたそうです。

 

■自分が母親になると… 不安が先行して過保護を反省

夏になると、長男から川や海に行きたいと言われます。しかし、「流されてしまいそうで怖い」という不安が勝ってしまい、まだ一度も連れて行っていません。過保護なのかなと反省しています。

 

プールには毎年、子どもたちと行っています。川や海と比べると安全に感じます。長男は今、スイミングに通っていて、すっかり水に慣れました。ただ、最初の頃は水を怖がり、私がプールで顔のつけ方から泳ぎ方まで手本を見せて特訓しました。

 

長男と長女を見ていると、育て方の違いが性格に表れたのかもしれないと感じます。長男は第一子ということもあって、すぐに助けを出していました。少しでも危ないと感じたところには入らないよう、家の中は柵だらけでした。その影響なのか、長男はちょっとすりむいただけで「痛い」、「血が出た」と泣いていました。

性格が対照的と話す広瀬さんの長男(右)と長女(本人提供)

■けがをしても泣かない長女 手をかけずたくましく成長

一方、長女は生まれた時からあまり手をかけないように心掛けました。家の中にも柵をつけず、自由に動き回れるようにしました。長男よりも、すりむいたり、たんこぶをつくったりすることは多かったですが、痛みに免疫がついているのか、転んでも泣きません。

 

先日、目元をけがして縫った時も、抜糸した時も全く涙を見せませんでした。公園でサッカーをしていて、顔にボールが当たっても長女は平気です。

 

今でも、長男に対しては「危ない」と言ってしまいます。子どもの頃に痛みを知ったり、親に頼らず行動したりするのは、大事な経験なのだと思います。長男の成長につなげるため、気になることがあっても手を出さず、子離れを意識したいと思います。

 

<プロフィール>

広瀬麻知子(ひろせ・まちこ)。千葉県我孫子市出身。2010年に静岡朝日テレビにアナウンサーとして入社し、1年目から「ピエール瀧のしょんないTV」を担当。その後、情報番組のMCや県内ニュースのキャスターを務め、2020年3月付で退社した。2026年1月からセント・フォースに所属。2018年に当時清水エスパルスでプレーしていた河井陽介さんと結婚。現在2児の母。

 

(SHIZUOKA Life編集部)

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