横浜市の山中竹春市長によるパワーハラスメント問題は、第三者委員による調査報告書が告発内容のほとんどが事実でパワハラに該当すると認定し、大きな波紋を広げている。圧倒的な権力者の暴走はなぜ起こり、どうすれば防げるのか。パワハラや内部告発に詳しい専門家とともに問題を読み解いた。(聞き手・中馬健作、市川莉央)

津野香奈美教授(本人提供)

 ─報告書の率直な感想や、パワハラ研究に照らしての特徴は。

 「自分のやり方を押し付け、思い通りにさせる『専制型リーダーシップ』が存分に発揮されている事例に見える。自己顕示欲が強く、指示以外のやり方をしたり違う意見を言ったりする人をつぶす態度を示すことが多い。報告書にある『はさみで切るしぐさ』や、待遇に関する発言が多い点に特徴が表れている。長時間労働や休日対応など、部下に対して犠牲を強いる面もあり、緊急対応が必要でない場面での指示も当てはまる」

 「『専制型』はパワハラと親和性があるが、厄介なのは、遠くから見ると高く評価される面がある点だ。そのため行動変容も難しく、現在の地位から除くのも難しい傾向がある。周囲が疲弊しているのが明らかでも、市民からは『既存の権力に立ち向かったから抵抗を受けたのでは』などとヒーロー扱いされる場合があり、そうなると当選を重ねさらに暴走する懸念がある」

 「報告書は想像以上にひどい内容だ。全体的に他者の人権を軽視する発言は重大で、根深い問題だ。簡単には行動を変えられないだろう」

加速させる「毒の三角形」

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