【この記事の目次】
はじめに
写真家の相原正明です。オーストラリアに魅せられ、世界最古の大陸オーストラリアを撮り続けて38年。日本の約20倍の面積を誇るオーストラリア。その気候と景色は、とても多様性に富む。北は赤道に近い熱帯から、南は南極大陸の影響を受けるタスマニアの冷温帯雨林エリアまで多種多様。そして世界遺産に代表される大自然も数多くあるが、大自然だけではなく、2032年夏のオリンピックに向けて都市機能の進化発展、そしてデザイン性に富んだ面もある。
今回はオーストラリアロケ第1弾として、クイーンズランド州に焦点をあてて、亜熱帯の光と影そして、躍動する都市景観をパナソニック LUMIX S1RIIとLUMIXレンズ群(一部Lマウントアライアンスのレンズ使用)で追いかけた作品をお見せしたい。
パナソニック LUMIX DC-S1RM2 ボディ

旅の供にLUMIX S1RIIを選んだ理由
堅牢なボディー性能。過去Sシリーズをオーストラリアの砂漠、熱帯雨林、吹雪の山など苛酷な条件で使用したが、機材が原因のトラブルは一度もなかった。そしてパナソニッククオリティーでもある
●60cmからの落下テストもクリアーしている耐ショック性
●三脚が使えない条件も考えて強力な手振れ補正機能
●ほぼjpeg撮って出しが可能な、優れた画質設計
●多彩な5種類のフォトスタイルのモノクロームは作品の世界観を広げてくれる
●Lマウントアライアンスによる豊富でかつ個性的なレンズ群
以上のことから、今回もLUMIX S1RIIを中心としたSシリーズを旅の供とした。
今回の撮影で使用したS1RIIとLマウントレンズたち
LUMIX Sシリーズならではの発色・手ブレ補正機能
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1RII + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:14mm相当 WB/晴天 f5.6 絞り優先AE +0.3 ISO400
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州ゴールドコースト、サーファーズパラダイス。世界中のサーファーが憧れるサーフィンのメッカ。そこは毎日素晴らしい波と、雲と光が降り注ぐ、写真家にとってもパラダイス。今回は亜熱帯のゴールドコーストと亜寒帯のタスマニアを色づくりで定評のあるLUMIX S1RIIを持って旅をした。強烈な光と色から、柔らかいシックな色と光までLUMIX S1RIIがどのように南半球の光と影を料理するのかじっくりご覧いただきたい。
雲と波が美しいゴールドコーストの一日は、夜明け前のビーチの散歩から始まる。この日も水平線の彼方から押し寄せてきた雲の大群が、一瞬で色が変わった。大陸サイズの朝焼けはLマウントアライアンス、SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artの超広角で対峙した。ドラマチックな朝焼けに、このシーンだけでも40枚ぐらいシャッターを切った。LUMIXは暖色系が得意なので、朝焼けの雲は最高の被写体。そして動画で鍛えた手ブレ補正が、足場が悪く、且つ風が強いビーチでは最強の武器となる。
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:18mm相当 WB/晴天 f7.1 絞り優先AE -0.3 ISO250
フォトスタイル ヴィヴィッド
風の強い夜明け。雲の流れが速い。その分、光と色が1秒単位で変化する。日本では少し持て余し気味の14mmワイド端の画角が、ここでは標準レンズのように使える。そして日本では考えられない強烈な色と光は、ヴィヴィッドのフォトスタイルがスタンダードになってしまう。
打ち寄せる波と雲を狙うために、腰まで海に入り撮影。こんな時は撮影が終わったら、必ず乾燥した部屋で機材を乾かし、クリーニング液で、カメラやレンズの塩分をふき取ることも大切だ。海外ロケは長期戦。毎日しっかりしたカメラのメンテナンスが求められる。どんなに強靭なフラッグシップカメラでも雑に使えば壊れてしまう。酷使して荒くは使うが、機材は雑に使わない。これが海外ロケで良い作品を生み出す秘訣だ。
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:138mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE -1.3 ISO400
フォトスタイル ヴィヴィッド
この日は光と色が刻々と変化する朝。ドラマチックな雲も押し寄せてきた。乾燥しているオーストラリア、日本ではありえないような強烈な斜光が射してくる。レンズを超広角ズームから望遠ズームに取り換えた。LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.はしっかりとした作りのレンズ。そしてボディーとの組み合わせで5軸7段補正の手ブレ補正は、このような風が強いビーチでの望遠撮影には威力を発揮してくれた。
雲をドラマチックに表現したかったのと、建物に当たる朝日を強烈に表現したかったので露出は-1.3補正で撮影。撮影時は±0から-2.0まで段階露出をかけた。このような場合でもブラケティングは使用しない。理由は被写体と天候条件で表現方法が異なるので、一定値でのブラケティングは、かえって足かせになる。
うれしいセンサー保護機能
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境:43mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE +0.3 ISO80
フォトスタイル ヴィヴィッド
雲の大群が去り、さわやかな朝に戻った。S1RIIは色の抜けが良いカメラ。さわやかな光をとらえるのには最高である。海岸を散歩する老夫婦が来た。レンズをLUMIX S PRO 24-70mm F2.8に付け替える。
こんなに砂が舞うようなビーチでの頻繁なレンズ交換は、センサーに付着するゴミが怖くないのかと思われるかもしれない。でも心配ご無用、S1RIIはレンズ交換時にセンサー前面にシャッター幕が閉じて、センサーを守ってくれるのでかなり安心。撮影の時、シャッターチャンスと光を読む以外に余計なことに気を使いたくない。そんな写真家の気持ちをよくわかってくれるカメラだ。
旅するレンズ群
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:21mm相当 WB/晴天 f3.5 絞り優先AE +0.7 ISO80
フォトスタイル ヴィヴィッド
ゴールドコースト・サーファーズパラダイスはリゾートホテルや高級アパートメントホテルが林立。ある意味スゴイ建築オブジェ。今回は風景、建築、人物、静物など多岐に渡る撮影なので、盤石のカメラ&レンズ布陣で臨んだ。カメラはS1RII&S5II各一台。レンズはLUMIX S PRO 24-70mm F2.8、LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.、LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.、LUMIX S PRO 50mm F1.4、LUMIX S PRO 16-35mm F4、SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Artで多種多様な被写体に対応する。
ちなみに写真左側の黒い高層ビルが、僕が宿泊していた高層アパートメントホテル。51階の2LDKの部屋。部屋からの撮影も、最高だった。オーストラリアロケは海外ロケ初心者には優しい場所と言いたい。まず第一に時差がほぼない。第二に治安が良いので機材が安心。そしてゴールドコーストはクイーンズランド州、州都ブリスベンから車で小一時間。レンタカーでも大丈夫。交通ルールは日本と同じ左側通行。そして何よりもオージーたちはフレンドリー。フライトは毎日、日本からあるのでアクセス最高。
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境:24mm相当 WB/晴天 f4.0 絞り優先AE -1.0 ISO2500
フォトスタイル ヴィヴィッド
51階の部屋から見た夜明けのゴールドコースト。ちょっとした空撮だ。建物が高層なのでゆっくりと揺れている波の動きをしっかり止めたかったのでISOを高感度1600に設定。低輝度下でのAF性能が素晴らしいS1RIIに助けられたと同時に、夜明け前のフラットな光でもしっかりした画像のコントラストを保ってくれるLUMIX S PRO 24-70mm F2.8のおかげだ。
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:200mm相当 WB/白熱灯 f11.0 絞り優先AE +0.7 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
51階から波の大きさと造形美を表現したかったので、あえてモノクロで撮影。オーストラリアのシャープな光はLEICAモノクロームと相性が良い。そして波の大きさを表現する為にあえて人物を入れた。今回も波と人の組み合わせで数百枚シャッターを切った。
ちなみに今回ゴールドコーストだけで約280GBを撮影(すべてjpeg+RAW)。変化し続ける雲と波は大容量のメディアで、心おきなく、満足するまで撮りたい。ちなみにカードは128GBを4枚、258GBを6枚、516GBを1枚持って行っている。
充実している望遠ズーム群
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:195mm相当 WB/晴天 f3.5 絞り優先AE -1.3 ISO800
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
■撮影環境:500mm相当 WB/白熱灯 f10.0 絞り優先AE 補正無し ISO800
フォトスタイル LEICAモノクローム
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
■撮影環境:391mm相当 WB/晴天 f10.0 絞り優先AE 補正無し ISO800
フォトスタイル ヴィヴィッド
カメラマン下積み時代に、スタジオのボスの方からこんなアドバイスをいただいた。「時間があったら、波と雲だけはたくさん撮っておきなさい。なんかの時に使えるから。雑誌の口絵や広告のイメージカットなんかに使えるから、天気の良い日は海辺に行ってたくさん撮っておきなさい」と言われた。プロになってそれは実感した。ときどきメールなんて具合に来ることも多い。だから今でも波と雲はたくさん撮る。この日も夜明けから強い風。空は晴れているのでよい光。週末だったので、暗いうちからサーファーがたくさん海岸で波待ちをしている。夜明けの波は、いくら高感度が強いS1RIIでも、やはり少しでもF値が明るいレンズが必要。
という訳で太陽が水平線から顔を出すまではS PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.で波を狙う。感度はISO800にした。そして太陽が、水平線から顔を出してからはS 100-500mm F5-7.1 O.I.S.に交換。より波がブレイクするポイント、あるいは波とゴールドコーストのリゾート建築群を引き付けての撮影。超望遠ズームの売りである300mm以上の焦点域でも、しっかりしたコントラストが確保されかつ、驚くことに70-200mmF2.8ズームよりもコンパクトである。海外ロケやトレッキング等では、70-200mmF2.8を持って行かず、このレンズ100-500mm F5-7.1でもOKだと思う。
広い風景で生きるアスペクト比のバリエーション
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:70mm相当 WB/白熱灯 f4.0 絞り優先AE -0.7 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
低気圧の接近であらあらしい一面を見せるビーチ。でも単に広く撮ると大きさがわかりにくい。この時はパノラマ2:1のアスペクト比にして画面左にゴールドコーストリゾートホテル群と、さらに海の広さを表現する為に人物を配置。そして2:1のパララマを使い大胆に画面2/3を海にした。この場合、通常の16:9でも広がり感は弱い。2:1あるいは65:24というパノラマアスペクト比を使用したからできる空間表現と、それにLEICAモノクロームというドキュメンタリータッチのモノクロを組み合わせることで、異質な世界観を表現できた。
ちなみにパノラマスペクト比が搭載されているミラーレスモデルは少ない。その中でも2:1のパノラマを搭載しているのはおそらくLUMIXだけ。過去にはリンホフパノラマが6×12という2:1をフィルム時代に出していた。LUMIXはそれだけ絵造りにこだわるブランドであることの証だ。
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:71mm相当 WB/白熱灯 f11.0 絞り優先AE -0.3 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
LEICAモノクロームは写真家セバスチャン・サルガドの写真のような硬質な表現を狙っている。今回のゴールドコースとはオーストラリア屈指のビーチリゾート。長い歴史もある。そのため60年代風、70年代風のリゾート建築も多い。そんなレトロな建築のエッジやデザインを強調する時にLEICAモノクロームはとても強い表現の味方になってくれる。
クイーンズランド州 ゴールドコースト
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:70mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE -0.3 ISO640
フォトスタイル ヴィヴィッド
ゴールドコースト最後の朝。夜明け前の空気感をS1RIIは見事に表現してくれた。撮って出しで、いかに美しいグラデーションを表現するかを突き詰めてきたLUMIX Sシリーズ。それは撮影者が被写体と対話することの大切さを考えた答えの1つだからだ。
都市景観の金属的表現にはLUMIXのハイレゾ + 色再現性が生きてくる
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:185mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE -2.0 ISO80
フォトスタイル ヴィヴィッド
ハイレゾ撮影
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:179mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE -1.0 ISO80
フォトスタイル ヴィヴィッド
ハイレゾ撮影
2032年の夏のオリンピックが予定されているクイーンズランド州ブリスベン。毎日毎日新しい建築が生まれている。日本と異なり地震がほとんどないオーストラリアは建築の自由度も高く、とてもフォトジェニックな建築が多い。特に強烈な南半球の夏の光に照らされている建築はとても写欲をそそられる。
その場合、より緻密な建築物の質感描写が欲しくなる。そのような時にハイレゾ撮影(1回の撮影で複数回シャッターを切ることで約1億8千万画素の絵造りができる)。web上では、その緻密な質感を伝えるのは難しいが、夏の夕暮れの雲と光に照らされたブリスベンのビル群をハイレゾで狙ってみた(なるべくスマホではなく、PCの大型モニターで見ていただきたい)。真価を発揮するのはA0クラスのプリントにしたときだ。
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 16-35mm F4
■撮影環境:21mm相当 WB/晴天 f8.0 絞り優先AE -0.3 ISO400
フォトスタイル ヴィヴィッド
ハイレゾ撮影
今回のロケでの一番の目玉は、ブリスベン市内の再開発エリアであるクィーンズ・ワーフ。カジノを内包する観光&ビジネスコンプレックス。緻密な夜景を表現したかったので、ハイレゾモードを使用。ビル内部のテーブルまでしっかりわかる解像力。広告プロモーション等で使うであろう写真のため、大型のアドボードでの展示にも耐えられるようにハイレゾで撮影した。
もちろん画素が高いのは必要であるが、緻密に光を透過させることが出来るレンズも必要。LUMIX Sシリーズレンズは、その抜けの良さからLEICA社との協業で得られた多くのノウハウが、惜しみなく注ぎ込まれていると感じる。
都市景観の表現 LEICAモノクローム + アスペクト比
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 16-35mm F4
■撮影環境:16mm相当 WB/白熱灯 f11.0 絞り優先AE +1.0 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境:49mm相当 WB/白熱灯 f8.0 絞り優先AE -0.7 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 16-35mm F4
■撮影環境:21mm相当 WB/白熱灯 f11.0 絞り優先AE +0.7 ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
都市景観もランドスケープ、風景写真だ。日本で風景写真というと自然風景となるが、海外で風景写真というジャンルでは自然以外も含まれる。今回は夏の強烈なコントラストをさらにLEICAモノクロームと組み合わせることでかなり硬質な表現とした。特に新しい景観が金属とガラスの組み合わせが多いので、硬質な表現のLEICAモノクロームが生きてくる。
この場合、フィルター設定もしている、オレンジ(O)もしくは赤フィルター(R)の設定で撮影し、よりコントラストをアップしている。ちなみにモノクローム撮影時はシャドー部の諧調を締めるためにWBを白熱灯モードにしている。
レトロな建築はモノクロームが似合う
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 70-200mm F2.8 O.I.S.
■撮影環境:88mm相当 WB/白熱灯 f6.3 絞り優先AE 補正無し ISO80
フォトスタイル LEICAモノクローム
ブリスベンは開拓時代からの歴史的建築も数多くのこる街。特にオーストラリアは、歴史的建造物は保護保存しなければならないという法律がある。そのため新しい建築ビル群と隣り合わせで古い開拓時代のビルがある。石造りのビル群に朝日が射しこむ。硬い諧調のLEICAモノクロームが石造りの建築の重厚感を表現してくれる。
とっておきのレンズで質感を表現
今回の旅に帯同したのがLUMIX Sシリーズのレンズの中で神レンズとも呼ばれるLUMIX S PRO 50mm F1.4。まるでその場の空気感ごと、センサーに捕獲したかと思わせる描写力。単体重量が955gとちょっとした望遠レンズ並だが、その描写力は極上。写真に対する人生観が変わるほどの描写力。MTF曲線などのスペックではなく、どう写るか?どう表現するかに主眼を置いた、作品を撮るためのレンズ。
何気ない、日常の一瞬が作品となる。だからこそ、このレトロな建築の中に流れる空気感を表現するには、このレンズしかないと感じた。今回の旅に持ってきて本当に良かったと感じる1本だ。
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/白熱灯 f1.6絞り 優先AE 補正無し ISO400
フォトスタイル LEICAモノクローム
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/白熱灯 f1.4 絞り優先AE +0.7 ISO400
フォトスタイル LEICAモノクローム
特に電気スタンドのセンター部分の描写と立体感に注目してほしい。手で触れそう・・そう感じる描写だ。
シネライクA2モード + LUMIX 50mm
映画のような派手過ぎずかつ豊かな諧調表現のフォトスタイルで、S1RIIから搭載された新しいフォトスタイル。今回のような、落ち着いた空間の空気感をモノクロームとは別の落ち着いた空気感で表現してみようとシネライクA2と、その諧調表現をあますことなく伝えられるLUMIX S PRO 50mm F1.4を組み合わせてみた。
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/AUTO W f1.4 絞り優先AE +0.7 ISO800
フォトスタイル シネライクA2
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/AUTO W f1.4絞り優先AE +0.7 ISO800
フォトスタイル シネライクA2
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/AUTO W f1.4 絞り優先AE -0.7 ISO160
フォトスタイル シネライクA2
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 50mm F1.4
■撮影環境:WB/AUTO C f1.4 絞り優先AE +1.7 ISO160
フォトスタイル シネライクA2
いずれも花曇りの柔らかい光が室内に差し込まれていた。花曇りの日の外から差し込む光は、とても良い照明。柔らかい光が柔らかい作品を生み出してくれる。カフェでのんびり本を読み、カプチーノを飲みながらブランチでサンドイッチ。実はオーストラリアはコーヒーが美味しい。イタリア&ギリシャ系の移民の方がカフェを経営していることが多いのでヨーロッパのカフェ文化が浸透している。だからカプチーノやエスプレッソはとても美味しい。ぜひオーストラリアに来たらカフェを楽しんでほしい。
レトロな空気の中で、のんびり光を楽しみながら50mm 1本勝負でいろいろ撮ってみた。見ていただきたいのが、カプチーノのココアパウダーの質感、それと革張りソファーの質感。ココアパウダーは指でつまめそうであり、革張りソファーは手でなぞりたくなるすべすべ感が伝わってくるはずだ。触りたくなるような描写力とその場の空気感の再現性。これがLUMIX S PRO 50mmとシネライクA2の組み合わせだ。ぜひこの組み合わせを試してほしい。この日の朝は光とLUMIX S PRO 50mmに遊んでもらった朝だった。
高感度性能を生かして今までにないアングルからの撮影
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境:24mm相当 WB/曇り f5.0 絞り優先AE +0.7 ISO2500
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:24mm相当 WB/晴天 f4.0 絞り優先AE -0.3 ISO8000
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:14mm相当 WB/晴天 f3.2 絞り優先AE +0.3 ISO12800
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:18mm相当 WB/晴天 f4.0 絞り優先AE-1.3 ISO16000
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:24mm相当 WB/白熱灯 f3.5 絞り優先AE-0.7 ISO20000
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランド州 ブリスベン
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
■撮影環境:14mm相当 WB/白熱灯 f3.5 絞り優先AE 補正無しISO20000
フォトスタイル ヴィヴィッド
ブリスベン市は、ブリスベン川に沿って発展してきた都市。そのため美しい橋とリバーサイドの風景が美しい。ブリスベンの夜は街のアイコンにもなっているStory Bridgeを見渡せる丘の上から、橋と街の夜景を狙う。定番の場所ではあるが、やはり美しい。でももう少しオリジナリティを出したいと考えた。そこでS1RIIの高感度性能を生かした撮影に切り替えた。ISO20000あるいはISO32000を常用で使える高感度性能を、S1RIIは持っている。そこでブリスベンの主要交通機関のフェリーを使い夜景撮影にトライ。川沿いに発展したブリスベンは、地下鉄やバスと同じように、市民の足としてフェリーがある。しかも安い、1回の運賃が50c(オーストラリアドルでおおむね55円)。しかも水の上なので渋滞もない。Story Bridgeの撮影を早めに切り上げて、フェリーに乗りこむ。おおむね10~15分に1本のフェリーがやってくる。しかもオープンデッキ。
ISO感度を12800に設定。もちろん手ブレ補正機能もON。レンズはLマウントアライアンスのSIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art。フェリーが桟橋を離れると、日常陸から見るのとは別の景色が広がる。しかも川面に街の明かりが反射してとてもフォトジェニック。従来のカメラの高感度性能と手ブレ防止では撮れなかったシーンだ。川とはいえフェリーなので多少揺れはある。でも8段手ブレ防止のS1RIIはとても心強い。しっかり手ブレを防いでくれた。フェリーが進むにつれて、夜の闇が強くなりISO感度を20000までUP。フェリーがカジノを含む再開発地域に近づく。ライトアップされた橋と近代建築群が美しい。更に空に月も輝いている。最高の舞台設定。
一生懸命撮影していると、まわり人たちもスマホで撮影するが「なんか綺麗に撮れない、あのカメラマンのモニターに映る景色はどうしてあんなに綺麗に撮れるの?」という声も聞こえてきて、ファインダーを覗きながらにんまりした。そこはフラッグシップ機のポテンシャル、スマホでは、たちうち出来ない。撮影に満足してホテルに戻ると、フロントにいたマネージャーさんから「撮影お疲れ様、でも仕事も大切だけど、少しカジノで楽しんでみませんか?」と聞かれた。僕は「ギャンブルはしない、毎日の撮影がギャンブル。人生をかけたギャンブル。これ以上楽しいギャンブルはないから」と答えるとマネージャーは大笑いしていた。今日一日S1RIIとLUMIX&SIGMAレンズに助けられた一日だった。
まとめ
クイーンズランド州 ゴールドコースト サーファーズパラダイス
■撮影機材:パナソニック LUMIX S1R II + LUMIX S PRO 24-70mm F2.8
■撮影環境:30mm相当 WB/晴天 f5.0 絞り優先AE -0.3 ISO1250
フォトスタイル ヴィヴィッド
クイーンズランドの撮影、波から都市景観そして人物までいろいろなシチュエーションで撮影した。オーストラリア=大自然のイメージだが、マルチカルチャーのこの国は、建築も含めてとてもクリエイティビティ。特に2032年のオリンピックに向かっているクイーンズランド州、特にゴールドコースト&ブリスベンエリアは毎月というぐらい街やアートが進化している。だから膨大な撮影量になる。
でも今回の旅もLUMIX S1RIIを相棒に選んでよかったと思う。なぜならば使っていて疲れないカメラ、トラブルの少ないシステム。その理由は、いくつかあるが、一つはとても見やすいEVF。長時間凝視していても目が疲れない。だから撮影に集中できる。二つ目は撮って出しで使える画質設計。撮影時にフラストレーションが少ない。そしてセンサー保護のシャッター等、安心してトラブルが少なく使えるシステムは撮影のモチベーションがアップする。次にオーストラリアに来るときも僕のカメラバッグの指定席にはLUMIX S1RIIが座っているはずだ。次回のオーストラリアロケレポートはタスマニア。どうぞ楽しみにお待ちいただきたい。
■撮影協力:
クイーンズランド州政府観光局
カンタス航空
■写真家:相原正明
1988年のバイクでのオーストラリア縦断撮影以来、オーストラリアを中心に「地球のポートレイト」をコンセプトに撮影。2004年オーストラリア最大の写真ギャラリー・ウィルダネスギャラリーで日本人として初の個展開催。2008年には世界のトップ写真家17人を集めたアドビフォトアドベンチャー・タスマニアに日本・オーストラリア代表として参加。現在写真家であるとともにフレンド・オブ・タスマニア(タスマニア州親善大使)の称号を持つ。
FUJIFILM X Photographer、日本写真家協会(JPS)会員

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