マラドーナに憧れ、ブエノスアイレスに住んで35年。現地でしか知り得ない情報を発信し続けてきたChizuru de Garciaが、ここでは極私的な視点で今伝えたい話題を深掘り。アルゼンチン、ウルグアイをはじめ南米サッカーの原始的な魅力、情熱の根源に迫る。
footballista誌から続くWEB月刊連載の第31回(通算190回)は、2022年カタールW杯で36年ぶりの優勝、そして北中米大会でもファイナルに到達したアルゼンチン代表の躍進は、いかにして成し遂げられたのか。2018年8月に就任したリオネル・エスカローニ監督以下、元代表OBたちによるチーム作りについて、あらためて考えてみたい。
「誰が監督を務めるのかは、それほど重要なことではない」
「自分がここ(代表チーム)にいることになるなんて、夢にも思っていなかった。でも、続けるためには実にたくさんの条件が必要となる。何よりもまず、自分自身をリセットしなければならないし、もう一度このようなグループを作らなければいけない。でも、同じようなグループはもう2度と生まれないだろう。そう考えると胸が痛む」
W杯決勝後の会見で、自身の去就について聞かれたアルゼンチン代表のリオネル・エスカローニ監督は、泣き出しそうになるのを必死に堪えながら何とかそこまで語ったが、仲間たちについて言及したところで言葉を詰まらせ、「すまない」と謝罪の一言を残して席を立った。
Following their World Cup final defeat to Spain, Argentina manager Lionel Scaloni walked out of his post-match press conference after becoming too emotional to carry on. pic.twitter.com/c7NQjN2MG8
— BBC Sport (@BBCSport) July 20, 2026
その時、アルゼンチンのメディア関係者たちは、2大会連続してチームを決勝に導いた監督を拍手で称えたが、瞬時に「契約更新は難しい」という現実を突きつけられたことに気づく。選手たちが次々と無言のまま通り過ぎるミックスゾーンで、彼らは監督を呼び止め、退任の可能性を問いただした。
W杯という大きなチャレンジを終えたばかりのエスカローニは、その余韻に浸る間もなく再び自身の将来について問われると、このように説明した。
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Profile
Chizuru de Garcia
1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。
