連載「まんが家・夏福のゆるポタコミックエッセイ」。今回は茨城県大子町を巡るサイクリング旅。常陸大子駅を出発し、新茶を求めてお茶屋「金澤園」へ。奥久慈茶の里公園で茶そばや茶みやげを味わい、趣のある廃校もめぐります。
常陸大子駅からスタート!アートが点在する商店街をゆく
茨城県の大子町は、奥久慈里山ヒルクライムルートの一部でもある茨城県最高峰、福島県と栃木県にまたがる八溝山があり、ヒルクライムへと訪れるサイクリストも多く、常陸国ロングトレイルと掛け合わせたライド&トレイルイベント「奥久慈クロス」なども開催され、サイクリングやアウトドアでも人気の町です。
特産品として奥久慈しゃもや奥久慈りんご、こんにゃくや鮎が知られていますが、お茶の産地でもある大子町。待ちに待った新茶の季節がやってきました。曇り空なのが少し残念ですが、梅雨の貴重な晴れ間に新茶を求めてサイクリングへとスタートです。
(なぜ待ちに待ったのかはのちほど…。)

茨城県水戸市と福島県郡山市を繋ぐ水郡線の、常陸大子駅から出発。水郡線は週末にサイクルトレインとしても利用できますよ。

駅前すぐのハウスクリーニング店の壁に、車のお腹が描かれていました。これは、アートプロジェクトのひとつで、駅周辺や商店街にこういったアート作品が点在しています。徒歩で巡ることのできる距離なので、ゆっくり見て回るのも楽しそうです。

文具店の壁に描かれたマンホールたち。

スタートが朝の8時過ぎだったため、まだ起きていない商店街をのんびり走ります。
山あいの道を抜けて、大子に残る懐かしい校舎を横目に

街を抜け、山に囲まれたのどかな道を走ります。

少しずつ、じりじりと登っていきます。

旧黒沢中学校本館を通り過ぎます。廃校となった現在は、太陽光発電施設の会社社有地になっていて、校舎内は入れませんが、立ち入り禁止箇所以外の外観の見学はできるようです。
大子町には、こういった古い校舎がいくつも残っており、観光施設として活用されているところもあります。

中でも有名なのが、大子おやき学校。今回は立ち寄らなかったので、この画像は過去のものですが、大子の名産奥久慈りんごのかわいいフォトスポットや、種類の多いおやきの販売、懐かしい学校の机でいただける給食メニューのカフェなどがありますよ。
お茶屋「金澤園」で待ちに待った新茶と出会う

金澤園さんに到着。少し手前から、ノボリが出ているかどうかドキドキしながら近づくと、お店の前には新茶のノボリが!思わず「あった~!」と声が出てしまいました。
というのも、実は去年のこの時期に一度訪れていたんですが、タイミングが合わず新茶には出会えなかったのです。そもそも、なぜこちらにお茶を求めて来たのかというと、さらに前年に「夏福のゆるポタエッセイvol.3」で大子町の七福神巡りをしたんですが、その際にこちらのお店の前を通りがかり、辺りに広がる茶畑と販売所、新茶のノボリを目にし、ここで直接お茶が買えるんだ!と、とても興味を惹かれたものの、先を急がねばならずこの時は立ち寄れなかったため、満を持して翌年のほぼ同じ時期に再訪したというわけなんですが…この年はたまたま少し摘む時期が遅れていたため新茶がまだ出ていなかったんです。
夏福のゆるポタエッセイvol.3▼

まんが家・夏福が行く奥久慈大子七福神めぐり|夏福のゆるポタコミックエッセイ vol.3
2024年06月29日

昨年はわけあってレンタサイクル。駅近くの大子町観光協会で、なんと無料で貸していただけます。片道13kmなので距離は問題ないのですが、ギア無しなため先ほどの切り通しの辺りは大変でした。ロードバイクなら余裕です。
お店では、奥様が丁寧に淹れてくださったお茶を試飲させていただきながら、お茶の栽培方法やこだわり、淹れ方の手順などを教えてくださいます。お茶愛が伝わって来て、お話も楽しくあっという間に時間がすぎてしまいます。この金澤園さんの前の道を進むと八溝山へと行けるのですが、よくサイクリストも立ち寄るそうで、中には奥様とのお話が弾んでしまい、ヒルクライムをせずに帰った方もいたんだとか。こちらで販売しているプリンも人気で、サイクリングの途中に食べていかれる方が多いんだそうですよ。

試飲の茶葉がたくさんあり、好きなものをと言われたんですが、緑茶は好きなものの種類や味の違いなどはよくわからないので、去年購入したものとは違うもので、一番輝いているラベルのものを…(笑)と「つゆひかり」をお願いしたところ、特に人気の茶葉だそうで期待が高まります。
一口飲んで、普段飲んでいる緑茶と全然違う味にびっくりしました。まろやかで甘みがあり、出汁のような旨味がします。
「出汁の味がするんですが、表現合ってますか!?」と聞いたら合ってますとニコニコされていました。違いがわかりやすい茶葉でもう一杯淹れてくださった「ふくみどり」は飲み慣れた緑茶の味に近く爽やかで、つゆひかりとは全然違った味わい。お茶屋さんの奥様に淹れてもらったお茶で、こんな飲み比べができるなんて贅沢な…と感動していたら、お店の奥から出て来たご主人が「今年はこれが自信作だよ」とさらに「ほくめい」を淹れてくださり…なんて…なんて贅沢な…。ほくめいは渋みの中に甘みのある爽やかな味わいで、美味しい。すごく好みの味です。さらにもう一杯、これもさっぱりとしてるよと「さやまかおり」をいただき、わたくし大悩み。どれも美味しくて選べない。
悩みに悩んでほくめいをお願いしたんですが、やっぱりつゆひかりも!とタイプの違ったふたつを選び、昨年購入して美味しかった奥久慈茶の紅茶も追加で。
昨年も感じたんですが、お茶屋さんでお茶を買うってなんだか大人だなぁ。最初はみなさん緊張されているそうで、例に漏れず私も慣れない状況で緊張したんですが、優しい雰囲気でお話も楽しく、何と言ってもお茶が美味しいのでリピーターが多く、千葉や栃木、福島からも買いに来られるそうです。この大子町が茶産地の北限となるので、さらに北の福島から来られるのも納得です。
大子町や八溝山へ走りに来られる方はぜひ。
峠を越えて奥久慈茶の里公園へ!茶そばと茶みやげを満喫

金澤園さんを後にして、お次は小さな峠をふたつ越え、奥久慈茶の里公園へと向かいます。

最近はもっぱらミニベロで街中をふわふわ走ってばかりいたので、久しぶりのガッツリとした坂が辛すぎました。

峠を越えた先は、山肌のあちこちに茶畑が広がるご褒美の下り坂。

奥久慈茶の里公園に到着。直売所でお土産を購入し、お茶屋さんでお昼ごはんにします。

天ざるの茶そばをいただきました。綺麗な緑色。つるシコで美味です。こちらのお茶屋さんでは、新茶の葉の天ぷらが食べられるのですが、期間が6月はじめの一週間ほどと短く、この日は残念ながら終わっていました。
デザートに奥久慈茶のアイスもいただきました。濃厚なお茶の味で、でもしつこくなくとってもおいしい。

食後は公園内を散策。園内にも茶畑があり、新茶の時期には茶摘み体験もできるそうです。やってみたい。お茶摘みの衣装のレンタルもあるそうですよ。

お次は公園のすぐお隣、藤屋製茶さんへ。こちらにちょっと気になる商品が…それは「Leaf Tea Cap」。紙コップの底に茶葉が入っていて、その上に茶漉しとなるフィルターが圧着されているので、お湯を注ぐだけで美味しい奥久慈茶を飲めるという商品。ティーバッグではなくこのタイプは初めて見ました。リーフティーで袋よりも葉が膨らむんでしょうか、爽やかでいて深みがある美味しい緑茶が手軽に味わえます。
それと、奥久慈茶がたっぷり練り込まれた奥久慈茶ひとくち羊羹。濃~いお茶の味とちょうどいい甘さ。サッと開けられるスティックタイプなので、サイクリングの補給食にピッタリだと思います!
こちらのふたつの商品は、奥久慈茶の里公園の直売場でも販売されていました。
趣ある廃校をめぐって常陸大子駅へゴール

あとは駅に向かう道すがらにある廃校に立ち寄って、今回のサイクリングは終了です。その途中「カワサキ茶刈機」の看板発見。

旧初原小学校。現在は「初原ぼっちの学校」という名前で、地元住民に様々な形で活用されています。また、映画などのロケ地としても利用されているそうですよ。趣のある建物が素敵です。
「ぼっち」とはひとりぼっちの「ぼっち」ではなく、「わらぼっち」のことで、収穫後の稲わらを保存するために、田んぼに円錐状に積み上げられたもののことで、大子町の冬の風物詩なんだそう。大子町の各地に、地区によって形の違うわらぼっちが作られていて、「わらぼっちマップ」なるものも作成されていた年もあったようです。これは巡ってみたい。マップ、今年もあるといいな。
旧上岡小学校。こちらも映画などのロケ地として使われることが多く、またアニメの聖地としても知られています。土日祝日は校舎内を見学できますよ。

