サブスクの伸び悩みや部材高騰に直面、稼ぐ力の底上げと組織再定義

小久保 重信

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2026.7.22(水)

 米マイクロソフトは7月初旬、大規模な人員削減とゲーム部門「Xbox」の再編を発表した。

 従業員の約2.1%に当たる約4800人の削減を進め、Xbox部門の全従業員の2割に及ぶ3200人を削減対象としている。傘下にある複数のゲーム開発スタジオの売却や分離・独立も決めた。

 この組織再編劇は、単なる不採算部門の縮小にとどまらないようだ。

 最優先分野であるAIへの資本集中と、組織全体の収益効率の底上げを狙う、巨大テクノロジー企業共通の新たな戦略がうかがえる。

サブスクの誤算と部材高騰が直撃したゲーム事業

 マイクロソフトはこれまで、ゲーム事業の強化に巨額の資金を投じてきた。

 2023年には、約690億ドル(約11兆2100億円)を投じて「コール・オブ・デューティ」など人気ソフトを手がける米アクティビジョン・ブリザードを買収した。

 しかし、ソニーや任天堂といった競合とのシェア争いは厳しく、中核に据えたサブスクリプション(定額課金)サービス「Game Pass(ゲームパス)」の会員獲得ペースは想定を大幅に下回った。

 米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、その加入者数は現在約3000万人にとどまり、目標としてきた7700万人には遠く及ばない。

 ゲーム機本体のコスト上昇も影を落とす。AI分野における半導体需要の急増を背景に、メモリーなどの部材価格が著しく高騰した。

 その影響は競合他社にも及ぶ。だが、販売低迷で「規模の経済」が働きにくいXboxはコストを吸収しきれず、価格引き上げを余儀なくされた。

 同社は、こうした複合的な要因を受け、従来の「自社開発モデル」からの転換を急ぐ。

 外部の多様なクリエーターを支援・活用し、自社システムを配信プラットフォームとして提供する「エコシステム型モデル」の構築を目指す。

 スタジオの売却・分離は、この新たな戦略に基づく組織スリム化の一環といえる。

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