セルビア閣僚がコソボ「民族浄化」発言 EUが批判

セルビアの国旗(2025年11月11日撮影)。(c)Andrej ISAKOVIC / AFP

【AFP=時事】セルビアのスネジャナ・パウノヴィッチ行政・地方自治相が1990年代のユーゴスラビア紛争時に自身が実権を握っていればコソボを「民族浄化」していただろうと述べたことについて、欧州連合は14日、欧州に民族浄化を正当化する言説が存在する余地はないと非難した。

パウノビッチ氏は先週末セルビアのテレビ局「Kurir」の番組で、1998〜1999年のコソボ紛争時に自らが独裁者スロボダン・ミロシェビッチ旧ユーゴスラビア大統領の地位にいたならば、コソボからアルバニア系住民を排除していただろうと述べた。

コソボ出身のパウノビッチ氏は、「今日に至るまで彼らがコソボを民族浄化しようとしてきたような物理的抹殺という形ではなく、(セルビア)国民としての実感を持てないすべての人物が、自らの母国へと立ち去るようにすることによってだ」と述べた。

ベルギー・ブリュッセルで記者からの質問に対し、EUのアニタ・ヒッパー報道官は「欧州に民族浄化を正当化・擁護する言説が存在する余地はない」「このような発言は、人間の尊厳、和解、そして説明責任という価値観に相反するものだ」と述べた。

パウノビッチ氏の発言を受けて野党から辞任を求める声が上がったが、14日時点で発言撤回していない。

パウノビッチ氏は地元メディア「ダナス」が引用した声明で、ミロシェビッチ元大統領によって設立されたセルビア社会党に触れ、「私はSPSの政策を撤回しない」と表明。

「わが党は言葉に言い尽くせないほど困難な歴史的状況下でセルビアを主導し、大きな犠牲を払ってきた党だ」と主張した。

コソボはパウノビッチ氏を「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定し、同国への入国および通過を永久禁止とした。

ジェラル・スベチャラ内相はフェイスブックで、「彼女の公式発言はヘイトスピーチと不安をあおり立て、わが国に対する脅威となる」と非難した。

パウノビッチ氏の発言はコソボで激しい怒りを引き起こし、アンディン・ホティ労働相は「セルビアがミロシェビッチのジェノサイド(集団殺害)的思想や、戦争・大虐殺・歴史的恥辱をもたらした犯罪的政策からいまだに解放されていないことの証左だ」と強く批判した。
【翻訳編集】AFPBB News

Share.